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短歌·俳句ごときもの

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谷川の 何処とはなしに 懐かしき 風(ふう)を放ちて 足近寄りぬ

谷川の 何処とはなしに 懐かしき 風(ふう)を放ちて 足近寄りぬ

道すがら 目留む道先 案内を ふらり進めば 渓流ありて

谷川の 何処とはなしに 懐かしき 風を放ちて 足近寄りぬ

惹きいられ 足踏みいりて 戸惑ひぬ 瀬速く斯くも激しきことに 

2014/10/28記

2023年の夏は猛暑が引き続いています。これまでに水難事故で命を落とされた方々も多くいらっしゃいます。谷川、海、湖水
……… 美しい、涼しげな景観で惑わされないようどうぞお気をつけくださいま

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おん·な

おん·な

おん・な

われ かちょう

われは ふうげつ

われはまた

きみとりすがる

もろてのちぶさ

御名・女

われ花鳥

われは風月

われはまた

君取り縋る

両手の乳房

女性は男性に愛でられ、

且つ ”御名” と呼ばれ、

貴ばれる域を有すること、

その裡に、

花鳥風月を想起させる部分、

そういう雰囲気を持つことが、

大切なのだろう、

乳房だけでは片手落ち・・・

っと私は思

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徒花有情

徒花有情

朧げな

かの記憶に

色纏ひ

一夜限りと

狂い咲く花

唇を

噛み花びらを

朱く染む

痛みを伝ふ

術なきがゆゑ

触るゝこと

なき我が想ひは

徒の花

かの夢路にて

吹き荒れ舞はむ

ふた花はふるゝことなく

ふた花はふるゝことなく

ふた花はふるゝことなくまぐはひて

たがひの色を

月洸にしむ

守(も)り渡す 人は数多(あまた)に 昇るらむ ゆくへ見え来(こ)ぬ 天の浮

守(も)り渡す 人は数多(あまた)に 昇るらむ ゆくへ見え来(こ)ぬ 天の浮

守り渡す 人は数多に 昇るらむ ゆくへ見え来ぬ 天の浮橋

浮橋という名がついている、橋の渡し守でいらっしゃる貴方のことで御座いますから、
その浮橋を昇って渡る人は、きっと数多にのぼることでしょう。

しかもその橋は、天に浮いてかかる、行く先も見えて来ない、虹の架け橋のような、天の浮橋でございますからね・・・

追記:

この歌は、自分でいうのもなんですが、変な歌です。

ですから、深くお考えにな

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木の葉のみあらずやこの身も朱音しむ いずれ枯るゝも秋の落葉

木の葉のみあらずやこの身も朱音しむ いずれ枯るゝも秋の落葉

木の葉のみ あらずやこの身も 朱音染む

いずれ枯るゝも 秋の落陽

死 には順番はないと私は思っています。

木の葉は、いつ落ちるかわからないのです。

そして、枯れて落ちるだけでも、

多くの人にとっては幸せ なことではないか?

っと想ったのです。

私にも、私の寿命はわかりませんが、

夕陽に、朱音に染まる姿

これは 桜の美しさ とは異なる美しさだと思いませんか?

私もそうですが、日本

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天(あめ)地(つち)に 垂れ止む事無く 秋雨を 哀し哀し 慈愛(いとほ)し慈愛(いとほ)しと 

天(あめ)地(つち)に 垂れ止む事無く 秋雨を 哀し哀し 慈愛(いとほ)し慈愛(いとほ)しと 

天地に 垂れ止む事無く 秋雨を 哀し哀し 慈愛し慈愛しと 

20141023記

この歌は以下の想いを短歌という形で再現しました。



慈愛 ~2011年秋の長雨の一日に~

空は 地に 涙をそゝぐ

大地に 涙が 染み透り

香しき 草と土の 

懐かしき故郷 の 匂い はなち

天地 の 界にて

飢ゑ  乾き  もがく  我に

愛し  愛し  愛し  愛し

哀し  哀し  哀し  

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ありあけの 月明かして 見し夢は 泪の波を 凪慰めり

ありあけの 月明かして 見し夢は 泪の波を 凪慰めり

ありあけの 月明かして 見し夢は 泪の波を 凪慰めり

有明の月が明るく照らし映して見せてくれた夢、

それは、私に(ある事を)明かしてくれた夢で御座いましたが、

(夜を明かして)押し寄せるように流れていた私の泪の波を、

凪いで慰めてくれたのでしたよ・・・

20141021記

飽くまでも とほるばかりの 秋空を 恋し故郷(くに)まで 翔(か)け行(ゆ)かまし

飽くまでも とほるばかりの 秋空を 恋し故郷(くに)まで 翔(か)け行(ゆ)かまし

飽くまでも とほるばかりの 秋空を 恋し故郷まで 翔け行かまし

どこまでも ただ突き抜けるだけの 秋の空を 

恋しい故郷まで(空を)飛んで行けたらよかったのに・・・

2014/10/19記

風の様(よ)な 思考に体(たい)を与ふべく 言の葉紙縒(こよ)り 其を繋げ留(と)む

風の様(よ)な 思考に体(たい)を与ふべく 言の葉紙縒(こよ)り 其を繋げ留(と)む

風の様な 思考に体を与ふべく 言の葉紙縒り 其を繋げ留む

*** *** ***

思考は風のようなもの

影響力はあっても
姿も形も伴わない
それらはそのままであったら
あっというまに過ぎ去って
この手に留めておくことは難しい

しかし言葉にすることで

言葉として 限られた意味を与えることで

それはまるで人が自分の身体に限られ縛られるように・・・

まるで我々は自分の身体なくして、この世に

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追記 あさつゆに 違(たご)ふことなき 影を見て 疼くがごとく 胸高鳴りぬ

追記 あさつゆに 違(たご)ふことなき 影を見て 疼くがごとく 胸高鳴りぬ

あさもやに 佇む影に 魅入られて それよりこゝろ 花抱きけり

我が裡に 刻み彫らるゝ 花影を 霧立つ原の あさつゆにみる

あさつゆに 違ふことなき 影を見て 疼くがごとく 胸高鳴りぬ

*** *** *** 

最初の歌は、恋に堕ちた時。

魅入られてを、見つめられ とすべきか 迷いました。

魅入られては、見射られて というイメージが重なっています。

次の歌は、それ(恋に堕ちて)からもう

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満ち欠けて 我を欺く 月がごと 心満つこと あらざらましを

満ち欠けて 我を欺く 月がごと 心満つこと あらざらましを

本心というものは、一体何処にあるのだろうか?

っと私は何時も思っています。

(自分のことだけど、自分のことがわからない!!)

そして心が満たされるということが、一体あるのだろうか?!!

っとも・・・・

本当の心とは?

心が満たされるとは?

っということを考えると、間違いなく迷宮のなかを彷徨うことになるだろう、

っと私は思っています。

月はまあるいはずなのに、満ちては欠け、欠けては

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