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馬の本

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自分が読んだ馬の本について書いた記事
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#ワーケーション

馬栓棒

馬栓棒

乗馬や厩舎に馴染みがあれば、馬栓棒(ませんぼう)は馬房から馬が勝手に出てこないように通せんぼのように出口を塞ぐ棒のことだと知っていると思う。最初聞いたとき、何?って思った。聞きなれない単語だった。

最近は馬房の出入口はドアが多いように思う。愛馬の馬房も今はドアだ。愛馬はかつては乗馬クラブの馬房でほとんどの時間を過ごしていて、いつもヘイキューブの破片とかを探して、土の上で口をもごもご動かしていた。

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あかり野牧場

あかり野牧場

子馬の成長は早い。馬服が大きくて子馬の小ささが際立つ感じだったのにもうピッタリフィット。中学の入学式での制服が、どんどんぶかぶか感がなくなって行くのを早回しで見ているようだ。

今日も浦河は雪が降り、また真っ白。水分が多い重たい雪で寒くない。暴風雪警報が出ていたけれど、風はそこまででもなかった。隣の隣の町である襟裳岬では記録的な風が吹いたらしい。

図書館でたまたま見つけた『あかり野牧場』が面白か

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女性の乗り役今昔

女性の乗り役今昔

週末に図書館へ行ったら、浦河高校写真部がBTC(軽種馬調教育成センター)で撮った写真のフォトコンテストの作品が展示してあった。

今は写真部って言っても、暗室で作業とかはないんだろうなぁ。部員数もたくさんいるようで、部員全員の楽しげな写真も展示してあった。

私が注目したのはこの真ん中の写真。女性の乗り役さんは数少ない存在だと思う。性別に関係なく、毎日馬に乗っていても(乗っているからこそ、かな)、

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冬の怖い話

冬の怖い話

プチ抵抗今日は気温が低いのだが、陽射しが暖かい。寒い日は集牧されるのを出入口で待っているのに、今日は集牧とわかるや否や、わざと遠く(私の目の前)へやってきて出入口の様子を見ていた。上がその時の写真。集牧? いやよ、まだ外にいたい、だけどこんなことして大丈夫かしら? とでも言うように牧場スタッフの人(厩舎に戻るよーと音を鳴らしていた)を気にしながらも抵抗。1頭はこっそりこの隙にさらに遠くへ行こうとし

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乗馬の安全性

乗馬の安全性

15時過ぎから雪というかみぞれというか、嵐のように吹き荒れてうっすら白くなった。今日は早朝からの会議のため、乗馬はお休み。一歩も外に出ていない、というか出る必要がなくてラッキーだった。

安全第一先ごろ、乗馬の安全性に関する会話をしていて、何もかもが安全第一の時代なんだな、と感じた。特にお客さんを乗せての乗馬となると、事故があってはならない、と考えるのが自然、当然、常識なのだろう。

かつては..

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マカン・マラン

マカン・マラン

古内一絵の夜食カフェ全4巻を読み終えた。1冊目は少し前に読んで、すでに図書館に返却してしまったので、上は手元の3冊を写したもの。本の装丁がすごく素敵なのだ。

古内一絵は、馬の本を手当たり次第に読んでいる中で出会った作家だ。図書館で、インターネットで「馬」を切り口に本を探し求めて読んでいるときに『風の向こうへ駆け抜けろ』がヒット。すごく面白かったので、続編の『蒼のファンファーレ』も読み、すっかりフ

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帰厩

帰厩

今日は雨だ。隣の牧場の馬たちは終日厩舎の中だった。愛馬は雨の中、放牧されていた。いつもと違う時間に乗って、真っ暗の中を一緒に歩いて、厩舎に戻す(最近、夜は放牧せずに厩舎で過ごしている)と、飼葉に一目散。夢中で食べていた。

他の馬は雨でも昼夜放牧しているので、厩舎はがらんとしていた。厩舎の電気を消して、また明日ね、と声をかけてから帰って来た。広い厩舎に1頭だけ。それでも馬房に帰ると安心するのかな。

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シベリアの馬 ジャンパー

シベリアの馬 ジャンパー

普段の仕事に加えて、断ればいいのに引き受けた翻訳に苦しんでいる時に限って、図書館で借りて来た本が気になる。しばらく積んであったのに、無性に読みたくなる。

一度読んで、すごく良かったので、いつかまた読もうとずっと思っていて、先々週くらいに図書館で借りてきた『シベリアの馬 ジャンパー』だ。

馬の視点『吾輩は猫である』は猫の視点で書いた小説として世界的に有名だと思うが、馬の視点で書かれたと言えば『黒

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嵐にいななく

嵐にいななく

今朝、馬房で引き綱をつけていると、馬運車が敷地に入って来た。愛馬は耳をピンと立て、隣の馬たちもざわざわ。不穏な雰囲気。風も強いからかな。

愛馬はいななく、いななく。一体どうしたと言うんだろう?

乗馬公園へ行くまでにも何度もいなないた。乗馬公園の馬たちも同じようにいなないている。

よく耳をすますと、普段は聞かないようないななきが聞こえる。屋内馬場に入るときも、入ってからも愛馬はそれに呼応するよ

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手島圭三郎の版画

手島圭三郎の版画

普段ほとんどTVを観ないのだが、昨日たまたまTVをつけたら、北海道スペシャルとタイトルが出てきて、ものすごくインパクトのある絵が目に飛び込んできた。

手島圭三郎という絵本作家の版画で、86歳となり引退を決意したこの作家最後の絵本の製作の様子を追いつつ、これまでの作品を動画にして、絵に合わせた独特の音楽と朗読とで手島氏の世界観を紹介。素晴らしい番組だった。なんで北海道限定の放送なのかしら? 全国の

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疲れたなぁ

疲れたなぁ

わかっていたことだけど、今日は1日中仕事。それでもまだ終わらない。

こんな時、自宅にいたら 『ペニーさん』と『ペニーさんと動物家族』を眺めて和むんだけどなぁ。

この2冊は図書館で借りてすごく気に入り、どうしても手元においておきたくて購入した絵本だ。

一番上の写真は、ちょっとヨーダみたいになっちゃったけど、話がとっても良いんです。(ネタバレになるといけないので教えません。)

挿絵が版画で、こ

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馬と少年

馬と少年

転んでるのではありません。泥パック、いわばお風呂みたいな気持ち良さを味わっているところだ。

この姿をみて「苦しんでるから助けてあげて」と言った人がいると聞いたことがあるが、私も乗馬を始めるまで、馬がこんな風に寝転がるなんて全然知らなかった。

『ナルニア国ものがたり』映画にもなったナルニア国ものがたりは全7巻の長い物語で、1巻目が非常に面白くて夢中で読み、映画化された時はすごく嬉しくて劇場で観た

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フウイヌム国

フウイヌム国

今の生活は、人よりもずっと数多くの馬に会う日々だ。まるでフウイヌム国に迷い込んだようだ。

フウイヌム国カタカナの部分はHouyhnhnmと綴る。英語では馬の嘶きをwhinnyという動詞・名詞で表現するのをもじったと言われている。日本語に直したら、ヒヒーン国といったところだろうか。

ガリヴァー旅行記一体何の話? 気でも触れた? と思われても無理はない。ガリヴァー旅行記といえば、下の絵しか思い浮か

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この世でいちばんすばらしい馬

この世でいちばんすばらしい馬

一頭だけになってずっと出入口に張り付いていた馬が今朝、近くの草を食んでいた。昼前から雨が降ったり止んだり。今日はヴィクトリアマイルだし(グランアレグリアは強かった!)、あとは家事と読書と決めていた。

韓幹昨日のうちに図書館に行って、本を借りてきたのだが、その時、ひときわ大きな絵本で「馬」という文字に惹かれて手に取ったのがこの本。近くの椅子に座って、本を開いた。

韓幹(Han Gan、日本では漢

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