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女性の乗り役今昔

週末に図書館へ行ったら、浦河高校写真部がBTC(軽種馬調教育成センター)で撮った写真のフォトコンテストの作品が展示してあった。

こちらは受賞作品

今は写真部って言っても、暗室で作業とかはないんだろうなぁ。部員数もたくさんいるようで、部員全員の楽しげな写真も展示してあった。

私が注目したのはこの真ん中の写真。女性の乗り役さんは数少ない存在だと思う。性別に関係なく、毎日馬に乗っていても(乗っているからこそ、かな)、危険な場面に出会うことはあるし、怪我もあると思う。それでも爽やかな表情で乗っているのが印象的だった。

女性の中にも、馬の扱いがうまい人が昔からいるのだと思う。そういう人の実話をもとにした本を読んだことを思い出した。

木曽のばあちゃん騎手

女性の馬喰なんていない時代に、小さい女の子ながら、馬の扱いが上手で、馬の脚の腫れを自作の湿布で治して一目置かれるようになり、馬を任されるまでになるのだが、戦争に突入し、馬喰の仕事もなくなってしまう。戦後、平和な時代になって草競馬でおばあさんになった彼女が走る話だったと記憶していたが、ちょっと違っているかもしれない。また読み返さないと。

ライディング・フリーダム 

アメリカの実話なのだが、すごいことをやってのけた人がいたものだな、と読みながら驚きの連続だった。女性であることを隠して男性として馬車の御者をするのだが、馬の扱いがうまいから、乗り心地が良くて評判がよかったと書いてあったと思う。馬車の時代はアスファルトの道ではないから、馬車はそれはそれは揺れて大変だったらしい。雨が降れば道はぬかるみ、車輪がはまってしまったり、スピードを出せば上下にガタガタと下手したら舌を噛むほどに揺れたのではないか。モーツアルトがヨーロッパの国々を小さい頃から旅していたとき、確か痛くて耐え難いとどこかに書いていたように思う。

いずれの本も幼い頃に苦労し、それから逃れて道を切り開いて行く姿に勇気付けられたし、馬に対する彼女たちの一途な思いを知って影で支え、手を差し伸べる人の暖かさが良かったなぁ。

本でも映画でも、あんなに感動したのに忘れちゃうのはどうしてだろう。それでも上の写真を見たとき、すぐに思ったことが、この2冊の本のことだった。心に刻まれていることは確かだ。


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