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嵐にいななく

今朝、馬房で引き綱をつけていると、馬運車が敷地に入って来た。愛馬は耳をピンと立て、隣の馬たちもざわざわ。不穏な雰囲気。風も強いからかな。

愛馬はいななく、いななく。一体どうしたと言うんだろう?

乗馬公園へ行くまでにも何度もいなないた。乗馬公園の馬たちも同じようにいなないている。

よく耳をすますと、普段は聞かないようないななきが聞こえる。屋内馬場に入るときも、入ってからも愛馬はそれに呼応するように狂ったようにいななき、全く落ち着きがない。危うく手綱を放しそうになった。どうも離乳の仔馬が走り回って、鳴き叫んでいるようだ。

落ち着かせるためにぐるぐると回したりして、なんとか乗ることができたけど、危ないから出入口から離れた奥で(なるべくいななきが聞こえないところで)練習し、駈歩はやめておいた。大げさに大きな声で褒めて、私に集中させるようにしたけど、周波数が違うのかな、仔馬のいななきを気にして耳をピンと立てることが何度かあった。立ち止まらせないように、負けじと必死に脚。

愛馬を放牧地に連れて帰ったところ、牧場の社長さんが作業をしていた。今日、離乳1日目だそうで、2日間くらいは鳴き続けるそう。怪我をしないように、ゲートに保護幕のようなものをかけていた。仔馬たちだけの放牧地は広すぎても、狭すぎてもいけないから、一番、気を使う、と話してくれた。1組だけ母子が混ざっていた。このお母さんは受胎していないので、皆の頼れるおばさんみたいになってほしいのだけれど、他の子が近づくと、自分の子を守ろうとして追い払うようだとのこと。戦略がいるのですね。

今日は白く曇るほど、激しく雨が降ったりする中、愛馬があまりにもいななくので、『嵐にいななく』と言う本を思い出した。

現代のようで現代でないような時代設定で、何より、馬が活躍するところ、最後に色々なピースがはまる感じが好きだったと記憶している。明日から図書館が開館になるから、もう一度読み直したい。


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