inokami hidetsuka

note初めまして真面目に始めました、妄想、創造を出来る限り言語化に努めます。現実と創…

inokami hidetsuka

note初めまして真面目に始めました、妄想、創造を出来る限り言語化に努めます。現実と創作は半々位です。

記事一覧

家系 その味を継ぐ者…(2話目)

一口だけ、もう一口だけ、あともう一口だけ、とレンゲでスープをすくう手が止まらない。このまま全て飲み干してしまうのでは無いのか、と、ふと我に返りレンゲを置き、箸を…

inokami  hidetsuka
3週間前
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家系 その味を継ぐ者…(1話目)

その夜も僕は「ラーメン」と「半ライス」と「半熟卵」と記載されているボタンを、ひとつずつ、ゆっくりと間違えないように丁寧に押していく。 今週末も又、先週の休前日と…

inokami  hidetsuka
4週間前
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ONARAが見えた日

「ポコッポコポコポコッーーー」 大小様々なクラゲ達が生まれては、水中から顔を出し、温かく湿った空気と混ざり合い、儚く溶けていく… オナラが「見えた」と初めて認識…

inokami  hidetsuka
1か月前
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「眼鏡等」と記された 

その日、私はキッカリと5年周期で訪れるイベント、そう、運転免許証の更新の為、運転免許センターを訪れていた。 普段、全く車を運転しない私はペーパードライバーである…

inokami  hidetsuka
1か月前
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父の日…

私は同じ物を色違いで何個も買い揃えてしまうタイプの人間である。 とはいえ、今朝は、何故かスニーカーの中に収まっている両足から伝わってくる感覚が、いつものようにし…

inokami  hidetsuka
1か月前
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ケダモノなのかよ!! 

「ガルルルルルルルゥゥーーーー」 血肉に飢え、ヨダレ的な液体をダラダラと惜しみなくたらし続ける野生のケダモノから発せられている呻き声、では無い。 そう、私の腹部…

inokami  hidetsuka
1か月前
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倅、骨を折りツナグ 

私は死んだ細胞の角質と日々向き合っている、そう、毛髪をアレする仕事に従事している。 土曜日(仕事中) PM13:30…利き腕では無い方の手首をぐるっと丸々一周覆っているス…

inokami  hidetsuka
1か月前

穴があったら入りたい(竪穴式)

「ぎゃぁーーーーーーーーーー」 AM6:30に起床、いつもと変わらない朝、のはずだった。 体力が満タンになっている携帯電話の画面をそっと愛でるようにタッチして起床させ…

inokami  hidetsuka
1か月前
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「過保護にされたい」

「ケホッ、、、、ゲホゲホっっっっー!!」 大してしたくも無い、わざとらしさに満ち溢れた咳払いからの、かなり咳き込むまでのフルコンボ。 「おぃ!!人のパーソナルス…

inokami  hidetsuka
1か月前
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家系 その味を継ぐ者…(2話目)

家系 その味を継ぐ者…(2話目)

一口だけ、もう一口だけ、あともう一口だけ、とレンゲでスープをすくう手が止まらない。このまま全て飲み干してしまうのでは無いのか、と、ふと我に返りレンゲを置き、箸を手に取り麺を持ち上げ、店内の空気を丸ごと全部吸い込んでしまうかのような勢いで啜ってみる。

「ゴフッッ」

熱々の来訪者に喉から始まる器官達が驚きの声をあげる、少し咳き込みながらも丼に3枚のっている大判の黒々とした海苔をスープに浸す、パリっ

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家系 その味を継ぐ者…(1話目)

家系 その味を継ぐ者…(1話目)

その夜も僕は「ラーメン」と「半ライス」と「半熟卵」と記載されているボタンを、ひとつずつ、ゆっくりと間違えないように丁寧に押していく。

今週末も又、先週の休前日と同じラーメン店での夕食となった。

券売機に野口英世が印刷されている紙幣を1枚吸い込ませる、銀色に光った受け取り口からは食券だけが滑り落ちてくる、いつもの事だが、幾らかの釣り銭が戻ってくる事は無い、今日もいつもと同じ様にちょうどぴったりと

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ONARAが見えた日

ONARAが見えた日

「ポコッポコポコポコッーーー」

大小様々なクラゲ達が生まれては、水中から顔を出し、温かく湿った空気と混ざり合い、儚く溶けていく…

オナラが「見えた」と初めて認識したのは私が保育園の頃だったと記憶している。

まだ幼かった私は、普段は当たり前に大気中に放屁し、微力ながらも環境破壊に寄与し、「オゾン層まで届いて欲しいこのオナラ!!」と、強い願いをこめて、保育園の初夏のイベントである七夕の短冊に何枚

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「眼鏡等」と記された 

「眼鏡等」と記された 

その日、私はキッカリと5年周期で訪れるイベント、そう、運転免許証の更新の為、運転免許センターを訪れていた。

普段、全く車を運転しない私はペーパードライバーである、もはや林家ドライバー(ぺー、パー子)と言っても過言では無い。

林家ドライバーである私は、目の前に出来ている長蛇の列にゲンナリとしながらも並び、手続きを順番通りに済ませていく、そして順番がまわってきた林家ドライバーである私の視力の検査。

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父の日…

父の日…

私は同じ物を色違いで何個も買い揃えてしまうタイプの人間である。

とはいえ、今朝は、何故かスニーカーの中に収まっている両足から伝わってくる感覚が、いつものようにしっくりとこない。

それなりに仲の良い友人と飲みに行っても、一杯目を飲み終わる迄の、その場を支配している、あの独特な空気感に近い。

6月16日(日)22:40 帰宅。

家族はすでに寝室で就寝、又は何かしらに執心している時間帯である、私

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ケダモノなのかよ!! 

ケダモノなのかよ!! 

「ガルルルルルルルゥゥーーーー」

血肉に飢え、ヨダレ的な液体をダラダラと惜しみなくたらし続ける野生のケダモノから発せられている呻き声、では無い。

そう、私の腹部からの切実過ぎる声無き「SOS」である。

いつもと同じ、定刻通りに自宅を出発し、ほぼ定刻通りに地下鉄の駅に到着し、定刻通りのいつもと変わらない時間に電車が発車する。

ここまでは当然の事ながら全くのノープロブレムである。

がしかし、

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倅、骨を折りツナグ 

倅、骨を折りツナグ 

私は死んだ細胞の角質と日々向き合っている、そう、毛髪をアレする仕事に従事している。

土曜日(仕事中) PM13:30…利き腕では無い方の手首をぐるっと丸々一周覆っているスマートウォッチが電話の着信を伝えてくる。

チロルチョコ程度の小さなモニターに表示されているのは既視感のあり過ぎる妻の名前。

100%何かが起きた……

間違い無い!!!!(長井秀和!!)

早鐘を打つ心臓の音、毛穴及び汗腺か

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穴があったら入りたい(竪穴式)

穴があったら入りたい(竪穴式)

「ぎゃぁーーーーーーーーーー」

AM6:30に起床、いつもと変わらない朝、のはずだった。

体力が満タンになっている携帯電話の画面をそっと愛でるようにタッチして起床させる私。

Instagramからのメッセージを知らせる通知が表示されている。

そこには知人からの「どーした?何かあった?」
的な内容のメッセージ。

ん??

「逆に聞きたい、私の身に何があったんだと!!」

そんな事を思いつつ

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「過保護にされたい」

「過保護にされたい」

「ケホッ、、、、ゲホゲホっっっっー!!」

大してしたくも無い、わざとらしさに満ち溢れた咳払いからの、かなり咳き込むまでのフルコンボ。

「おぃ!!人のパーソナルスペースを飛沫的なもので侵害してくんなこの中年のカスが!!!」

という死んだ魚の目ライクな真顔で見つめられ、殺傷能力に溢れた攻撃的な視線がほぼほぼですよね、という、ひと車両推定ザックリ200人位のホモサピエンスの群れの中に、この中年のカ

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