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コンテンツてんこもり

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見たり、聞いたり、読んだり。 主に#コンテンツ会議 の記事をまとめています。
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#コンテンツ会議

ミナペルホネン「つづく」展

ミナペルホネン「つづく」展

昨年の11月から東京都現代美術館で開催されていた「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」展にようやく足を運ぶことができた。

会期は2020年2月16日(日)まで。このnoteを読んで「あ、まだやってたんだ。土日のどちらかで滑り込みで行こう」と思った人にひとつアドバス。

事前に入場券を購入しておくとスムーズです。

来館する時間帯にもよるだろう。でも「11時ごろに美術館を訪れて、それからお昼ご飯でも

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読み方すらわからなかった「貞観政要」に触れて

読み方すらわからなかった「貞観政要」に触れて

「ふーん、見てみようかな」はじめは、そのくらいの感覚だった。

1月にEテレで放送されていた「100分de名著」。アドバイザーとして出演されていたのが出口治明さん。ライフネット生命創業者。現在は立命館アジア太平洋大学学長を務められている。

「100分de名著」を見たことはなかった。2019年12月に紹介された名著が「カラマーゾフの兄弟」。古賀史健さんがnoteで紹介されていたこともあって、「10

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コタキ兄弟の行く末が楽しみでならない

すでにたくさんの人が「おもしろい!」といっているけれど、私も言いたい。

1月から始まったドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」がおもしろい。(毎週金曜 深夜0時12分放送※テレビ大阪のみ、翌週月曜 深夜0時12分放送)

兄・一路(いちろう)(古舘寛治)は、予備校の英語教師だったが、現在は無職。楽しみと言えば喫茶シャバダバに通うこと。可愛いアルバイト店員のさっちゃん(芳根京子)に話しかけようと試みるが、

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読んでいる本が交差する

読んでいる本が交差する

いくつかの本を同時に、生活リズムに合わせて読んでいる。

移動中に読む本は文庫サイズの本。眠るまえ、布団に潜り込んで読むのはハードカバーのずっしりした本。重くて持ち歩くにはやや厳しいかなと判断したものは、枕元において少しずつ読むことにしている。

この二種類が主だけれど、一気に読んでしまいたい本があると、移動中にも、就寝前にも読むことがある。十月の終わりから一気にハマった十二国記なんかはまさにそう

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ありがとう、いだてん

「ひろちゃん、いだてん見てるやろ?」

先日帰省した際、母と話していたときのことだ。

わたしは今年の大河ドラマ「いだてん」を初回から見ている。二月に執り行われた父の葬儀のときも、その会話をした。親戚のおじさん(母の弟)が、朝ドラと大河ドラマを見るのが習慣のようだったのに、「今年の大河ドラマは、よう分からんから見てへん」といったのがきっかけだった。

そのおじさんは少し耳が聞こえにくいところがって

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なんで人は楽しい思い出だけで生きていけんのやろ

なんで人は楽しい思い出だけで生きていけんのやろ

放送が始まって、もうすぐ1か月が過ぎようとしているけれど。朝の連続テレビ小説「スカーレット」がすごく面白い。

戦後まもなく、大阪から滋賀・信楽にやってきた、絵が得意な女の子。名前は川原喜美子。両親と二人の妹との暮らしは貧しく、頑張り屋の喜美子は、幼いながらも一家の働き手だった。15歳になった喜美子は、大阪の下宿屋で女中として働きはじめる。大都会での暮らしと、個性豊かな下宿の人々との出会いは、喜美

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SF筋トレーニングとファンタジー筋の増強

ようやく一冊の本を読み終えた。

その本のタイトルは「三体」。

夏のはじめに発売されたこの本は、Twitterでもあちこちで「おもしろい」と称されていた。本屋さんにいくと目につく場所に平積みにされていて、何度か購入しようと手に取りながらも、荷物が多くてちょっと持って帰るのが大変そうだとか、いま読んでいる本があるからなど、いくつかの理由で「また今度、ね」と棚に戻していた。

しかし、8月にいつもよ

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世はまさに大コンサルタント探偵時代

世はまさに大コンサルタント探偵時代

いま、我が家ではちょっとした混乱が生じている。シャーロック・ホームズが3人もいるためだ。

まず、10月から始まったフジテレビの月9ドラマ。「シャーロック」

もともと見るつもりじゃなかったけれど、第一話が意外と面白かった。帰宅していて、だらっとみてしまう可能性が高い。

ディーン・フジオカさんがシャーロックホームズ。岩田剛典さんがワトソン。東京が舞台だし、ホームズというよりも男性二人のペアといえ

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東海道四谷怪談に魅せられて

東海道四谷怪談に魅せられて

「上演しはる時にな、お墓参りするんやで」

「お墓参り? だれの?」

「お岩さんや。お参りせんと舞台で演じたら、お岩さん怒りはるやろ」

子供のころにした、母との会話をいまだに覚えている。

母は、心霊番組とか、世界の不思議とか、占いとか。そうした「世の中の不思議」について興味を持っていた。(今はその興味は落ち着いている)母自身も少し勘が鋭かったし、背筋が凍るような体験も何度かしている。母の母(

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その女の、悲しみについて。

その女の、悲しみについて。

人はどこまで残酷になれるのか。

残酷に成れると、残酷に慣れるのふたつの意味において。

この夏の、ほぼ日の企画で紹介されたある一冊の本を読んで救いようのない気持ちが渦巻いている。

その本は「その女アレックス」。著者はピエール・ルメートル。橘明美(訳) 

ほぼ日の学校、学校長である河野通和さんが「こわい本」として五冊の本を紹介された。そのうちの一冊だ。

怖い、というジャンルにはいろいろと分類

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ゲームをそばで観ているだけでも、楽しかったんだよね。

ゲームをそばで観ているだけでも、楽しかったんだよね。

先日、ほぼ日から発売された「岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。」を、少しずつ読みすすめている。

まだ読み始めたところなので、読み終えたらまた感想を書きたいけれど、本を手に取って、ぺらぺらとページをめくったときに、こんな言葉に出会った。

おもしろいゲームというのは、遊ばずに観ているだけでもおもしろい。

本当に、本当に、その通りだと思う。

幼いころ、わたしは姉とふたりでファミコンで

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自由研究を楽しもう

自由研究を楽しもう

先日Eテレで放送された「自由研究55 気になっていることを検証せよ!スペシャル」がすごくよかった。

「自由研究55(ゴーゴー)」は、夏休みになると特別に放送される番組。「0655」とか「2355」「ねこねこ55」シリーズのひとつ。短い放送時間のなかにおもしろさがぎゅっとつめこまれている。

「自由研究55」自体は2017年からスタートしているようだ。

2017年は「困ったらこうするべしスペシャ

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「罪と罰」、いま読まないでいつ読むか?

「罪と罰」、いま読まないでいつ読むか?

今年もいろんな出版社の「夏の文庫フェア」が開催されている。

わたしは「新潮文庫の100冊」で展開されている、ちょっと高級感のある特別な装丁の文庫シリーズがすきで、買い求めることも多い。

昨年の夏も「新潮の夏、日本の夏。」というnoteを書いたのだけれど、

今年の夏は、「ついに手を出す時がきた……」と、ある種覚悟を決めることになった。

先日、「『罪と罰』を読まない」を読んで、「罪と罰」をいま

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三谷かぶき「月光露針路日本 風雲児たち」が最高だった

三谷かぶき「月光露針路日本 風雲児たち」が最高だった

六月一日に歌舞伎座にて初日を迎えた「三谷かぶき・月光露針路日本 風雲児たち」を見てきました。

歌舞伎見物はこれで三回目ですが、今回は公演初日に見に行くことに。以前、ほぼ日の学校で「歌舞伎は初日と千穐楽、または中日当たりのいつ見るのがおすすめですか?」といったお話があって、答えは「最初と最後の二回、見比べても面白い。中日には中日の安定感もある。答えとしては、いつでも、面白さがある」と、お話しされて

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