コタキ兄弟の行く末が楽しみでならない

すでにたくさんの人が「おもしろい!」といっているけれど、私も言いたい。

1月から始まったドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」がおもしろい。(毎週金曜 深夜0時12分放送※テレビ大阪のみ、翌週月曜 深夜0時12分放送)

兄・一路(いちろう)(古舘寛治)は、予備校の英語教師だったが、現在は無職。楽しみと言えば喫茶シャバダバに通うこと。可愛いアルバイト店員のさっちゃん(芳根京子)に話しかけようと試みるが、いつも空振り。
そんなある日、兄の家に、突然転がり込んできた弟・二路(じろう)(滝藤賢一)。兄弟の再会は8年ぶりで、兄が弟に勘当を言い渡して以来のことだ。突然の来訪をいぶかる兄だが、弟が直前に事故を起こしていたことを知り、慌てて現場へ向かう。
そこで出会った被害者の男・ムラタ(宮藤官九郎)から、自分の代わりに待ち合わせ場所へ行ってほしいと頼まれる。待ち合わせ場所に現れた女を見て、兄弟は絶句する。(テレビ東京ドラマ24「コタキ兄弟と四苦八苦」公式サイト イントロダクションより抜粋)

脚本は野木亜紀子さん。

「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」「獣になれない私たち」などなど、たくさんの話題作を生み出されている。

現在は第3話までお話は進んでいて、第4話の次回予告がまた面白そうだ。

第3話では、コタキ兄弟(+喫茶シャバダバのさっちゃん)が大学生の男の子から「デートでどちらにいくべきか」という悩み相談を受ける。

コタキ兄弟はそれぞれプレゼンをしながら、兄弟の考え方の違いが見える。コタキ兄弟とさっちゃんのグズグズしたやりとりも本当に面白い。会話の妙を楽しむドラマだなあとニヤニヤしながら見てしまった。

兄の一路と、弟の二路。実際にいたら、どちらモテるかなあと勝手ながら思案する。

まず、兄の一路は生真面目だ。生真面目すぎるほど生真面目で、おそらくその性質が人生を難解にさせている原因なのだろう。

これまで放送で「嘘はいけない、騙すようなマネはいけない、犯罪に加担するようなマネはしたくない、誠実であるべきだ」といった言葉を一路の口からなんども発せられていた。

もちろん、犯罪に加担するようなマネはしたくないし、嘘をつくのもいいことではないだろう。でも、助けを求めに来た見知らぬ人の背中をそっと押すような優しい嘘をつくことも、一路は認められないでいた。

ただ、生真面目すぎる、というのはマイナス要素ではないだろう。一路は独身で、お付き合いした女性もほとんどいない、という設定だ。けれど、おそらく今は40代後半から50代前半。年齢は第3話までの間で定かではない。ただし、弟の二路が1976年11月2日生まれ(Wikipediaより。おそらく離婚届の内容に記載されていたものだろうと推測)

真面目一筋、というのが40〜50代男性においてマイナス要素とも思えない。ただ前職が予備校の英語教師だったことで、一路と近しい年齢の女性と出会いがなかったのだろう。すごく理屈っぽいし、学生時代とかだと「あいつめんどくさいし、付き合いきれない」となるかも知れない。でも、社会人になって、融通がきかない真面目な人はそれなりにあったこともある。仕事に取り組む姿勢も真面目だし、悪い人間ではない、という印象だった。女性からはそこそこ評価されてもいいんじゃないかと思う。お見合いサイトに登録しているようだけれど、仕事が見つかりさえすれば、結婚相手も見つかるんじゃないだろうか。

一方、弟の二路。楽観主義のようでおそらくモテる。口八丁に手八丁というか、気軽な感じで「いいじゃん! いいじゃん!」と笑いながら言われると「ま、いっか」と悩みを押し流されろうになるだろう。

レンタルオヤジの仕事は、おそらく向いているだろうし、登録したら結構人気が出るに違いない。後腐れがなさそうというか。

奥さんの立場になってみると、色々とため息をつかざるを得ないだろう。収入のなるなしに関わらず、根無し草のようにフワーッとどこかに行ってしまいかねない印象。一緒に暮らしていてどこか不安な気持ちになりそうだ。親戚のおじさんで、子供には人気があるけれど、ちょっと浮いてるような、そういう印象だ。

ただ、第2話の終わりから3話にまたいで、奥さんとのやりとりを見ていると「二路も、普段はヘラヘラしているけれど色々悩んでるんだな。そりゃそうだよね」と知らない一面をちらっと見たようにも感じた。

兄弟の仲は悪いように見えるけれど、おそらく悪くないはずだ。ただ、性格が真逆なだけ。さっちゃんとか、間に誰かがいればそれ何に会話も成り立っているし。

「人生うまく行っていない」と、第3話でさっちゃんに断言されてしまったコタキ兄弟だけれど、これからどうなっていくのだろうか。ドラマの行く末が楽しみで仕方がない。

「そもそもハッピーエンドとは何か。その人の認識によって異なっていますから、全員が納得するハッピーとはあり得ません」と一路にくどくど言われてしまいそうだけれど、「いいじゃん。終わり良ければすべて良し! でしょ?」と二路にポンっと肩を叩かれたいのだ。





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