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自由研究を楽しもう

先日Eテレで放送された「自由研究55 気になっていることを検証せよ!スペシャル」がすごくよかった。

「自由研究55(ゴーゴー)」は、夏休みになると特別に放送される番組。「0655」とか「2355」「ねこねこ55」シリーズのひとつ。短い放送時間のなかにおもしろさがぎゅっとつめこまれている。

「自由研究55」自体は2017年からスタートしているようだ。

2017年は「困ったらこうするべしスペシャル」。2018年は「研究のツボ教えますスペシャル」という副題がついていた。

2017年の放送で記憶に残っているのは「海苔のサイズの研究」みたいなものだった。旅館やホテルに泊まると朝食で小さな袋に入った海苔が出てくることがある。その海苔の大きさって、いろんなものがあるなあ……。というところから研究がスタートしていた。

いろんな種類の焼き海苔や味付け海苔を集めてならべてみることで見えてくるものがあるというもの。

2018年だと「豚汁が冷めにくく感じるけど、本当に冷めにくいのか検証してみる」などもあった。

毎日食卓にのぼるみじかなものの中に、「これってなんでかなあ?」という小さな疑問があればそれを掴まえて調べてみる。自由研究ってそういうことか、といまさらながら納得した。

毎日の暮らしの中で「これってなんで?」と不思議に思うことがないわけもない。けれど、「まあ、こういうものだよね」といちいち気にすることなくやり過ごしてしまうことが多かった。

今だって「ん? あれはどういうこと?」と思っても少ししたら忘れてしまって気にしてもいないということが多い。単純にやらなくっちゃいけないと思うことが山積みで、ちょっとした疑問に気を回していられないというのが本当のところだ。

わたし自身小学生のころは、自由研究にはいつも絵を描いて提出していた。絵を描いたり、習字を書いたり、工作物を提出する子が多かった。どちらかといえば「調べてみました」みたいなものを提出している人は少なかったような記憶がある。

小学生のときに、一度だけ「水の塩素濃度を測ってみたい」と思うことがあって何やらキットのようなものを買ってもらった記憶がある。ときどき行くスーパーの文具売り場に、「科学研究キット」という類のものが並んでいて、「水質検査キット」をひとつ購入してもらった。(おこづかい制ではなかったので、お願いして購入してもらうしかなかった)

水道水と、雨水、もらいもののペットボトルのミネラルウォーターの三種類の数値を測定した。結果をあまり覚えていないけれど、水道水とミネラルウォーターの残留塩素の数値がほとんど一緒だった。「水道水とミネラルウォーターの残留塩素の数値が一緒やねんけど、なんでかなあ?」とそばで見ていた母親に結果を見せたところ「あんたの測り方が失敗したんちゃう?」と言われた。

わたしは納得いかなかったけれど、水質検査キットで検査できる数は限られていて、あと何度か検証してみたかった。しかし、あと何個もキットを購入するには母を説得し購入しなくちゃいけない。しかし、わたしの提案では、実験予算管理委員の審査を通らなかった。

そうして、わたしは腑に落ちないまま研究は中止を余儀なくされた。自由研究としても「これでいこう」とは思えなかったので、結局絵を描いたような記憶がある。

気がすむまで研究してみるためには「予算」が重要だということに、小学生ながら気がついたことが、一番の成果かもしれない。

いまでも小学校では自由研究を提出する、という夏休みの宿題があるのかどうか分からないけれど。子供だけでなく「自由研究55」はオススメ。

8月12日(月))9:30〜9:55に再放送されるので、一度見てみてほしい。






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