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【BL二次小説】 勇者ヤストモの冒険⑩


頂上は禍々しい漆黒の雲で覆われていた。

 

 

数百数千もの蝋燭に囲まれた巨大な祭壇。

 

祭壇にはいくつものガンプラが陳列されている。

 

 

その手前で、魔王御堂筋は背を向けて胡座をかいていた。

 

ガンプラを両手に持ち、ブツブツ言って遊んでいるようだ。

 


  

 

東「……さすがに空気が違うぞ」

福「後ろ向きでも威圧感がある」

新「話し掛けにくい雰囲気だな」

 

東堂達は圧倒されている。

 

 

 

しかし荒北は臆せず前に出た。

 

荒「っせ。サクッと終わらせてサッサと帰ンぜ」

 

 

 

 

御堂筋の背中に向かって声を掛ける。

 

荒「オイ!魔王!こっち向けコラ!」

 

 

御「……」

 

 

御堂筋はゆっくりと振り向いた。

 

 

 

 

御「誰や。ボクが遊んどん邪魔するんは」

 

 

 

 

荒「オレ達は、」

新「勇者靖友とゆか……」

東「チーム荒北だ!!」

 

新開のセリフを遮って東堂が叫んだ。

 

 

 

 

 

御「なんや。量産型か」

 

御堂筋は興味無さ気にそっぽを向いた。

 

 

 

 

荒北はマスターソードを構え、一歩一歩近付きながら御堂筋に語り掛ける。

 

荒「テメェが石にした村を元に戻せ。それから各村の御神体を返せ。それから今後二度と人間様に迷惑をかけないと誓え。そうしたら、許してやんよ」

 

 

 

 

御堂筋は荒北をチラッと見て言った。

 

御「……プププ。嫌や」

 

荒「交渉決裂だな」

 

 

 

ザン!

 

荒北はマスターソードを地面に突き刺した。

地割れが足元まで届き、よろめく御堂筋。

 

 

御「!」

 

 

御堂筋はジロリと荒北を睨み付けた。

 

 

 

ビカッ!

 

稲妻が荒北を襲った。

 

荒「!」

 

飛び退ける荒北。

 

新「靖友!」

 

 

 

 

 

御「ザクが来るとこ違うんよ」

 

御堂筋はユラリと立ち上がり、荒北達の方を向いた。

 

 

 

 

5mはあるかという魔王御堂筋の身長。

紫色のマントを広げると更に大きく見える。

 

 

 

 

バリバリバリ!!

 

御堂筋は両手を挙げ、荒北達に向かって電撃を浴びせた。

 

荒「危ねェ!」

 

バキャーーン!!

 

荒北が仲間達の前に立ち、マスターソードで電撃を跳ね返した。

 

 

 

御「弾いた?……なんやその剣」

 

不思議がる御堂筋。

 

 

荒「テメェを倒すために生まれた剣だ」

 

マスターソードを御堂筋に向ける荒北。

 

 

 

御「ボクを倒すぅ?……プププ」

 

ニタリと笑う御堂筋。

 

 

御「キモ!」

 

御堂筋はマントを羽ばたかせた。

 

 

突風が荒北達を襲う。

 

荒「ううっ!」

 

 

荒北達は後ずさったが、体勢を立て直す。

 

 

 

 

荒「全員で連携して行くぜ」

福「ああ」

東「援護は任せろ」

新「本気出すかな」

  

 

新開は右手を掲げた。

 

 

ドドドド……。

 

 

どこからともなくウサギ達が現れ、次々と重なっていく。

 

なんとウサギ達が……。

 

 

合体してキングウサ吉になった!

 

ウ「ピキーーッ!!」

  

雄叫びをあげるキングウサ吉。

 

 

 

 

 

御「ザクぅ……」

 

不愉快そうにしている御堂筋。

 

 

  

荒「テメェから見たらオレ達人間は量産型ザクかもしんねェ。だがな、テメェは今日、その量産型ザクに倒されンだよ!!」

 

挑発する荒北。

 

 

 

 

 

御「許さん。許さんよ。ボクの静かな時間を邪魔したザクぅ」

 

 

 

 

 

魔王御堂筋と荒北達の戦いが、今始まる──!

 





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