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【BL二次小説】 勇者ヤストモの冒険⑨


8合目まで登ると、男が待っていた。

 

 

鞠「人間のくせによくここまで登って来ました。クスクス。でも、ここで終わりです」

 

サラサラで長めの髪に切れ長の瞳。

女性のような美しい風貌をしている。

 

 

 

荒「3人目だな。テメェを倒してボスに会うぜ」

 

警戒する荒北達。

 

 

 

鞠「ボクの名は岸神小鞠。ここを通すわけにはいきません」

 

小鞠はニタリと笑った。

 

 

 

福「オレの番だな」

 

福富が一歩前に出る。

 

 

福「福富寿一、参る!」

 

斧を構える福富。

 

 

鞠「!」

 

福富を見て目を見開き、全身を舐めるように眺める小鞠。

 

鞠「……あはっ。福富さん、アナタ、とても最高(いい)筋肉(にく)を持ってますね」

 

福「ムン!」

 

斧を振り降ろす福富。

 

 

しかし小鞠は身体を蛇のように伸ばし、ヒョイと避けた。

 

 

荒「福ちゃん!」

新「寿一!」

東「こやつ、今までのザコと違うぞ!」

 

 

 

鞠「ハァ……躍動する筋肉(にく)。美しい。福富さん、ボクはアナタのその筋肉(にく)に触れたい!」

 

小鞠は頬を紅潮させ、更に身体を伸ばして興奮気味に福富に近付いていく。

 

 

鞠「ハァ、ボクのこの身体で……ハァ、アナタをぐるぐる巻きにして……そして……」

 

福富は斧を構え、目を閉じてじっと動かない。

 

 

 

鞠「あっ……ぱあ!!」

 

目を血走らせ、涎を垂らしながら一直線に福富に襲いかかる小鞠。

 

福富はギリギリまで引き付けてから、カッと目を開いた。

 

 

 

福「斧無双!!」

 

 

 

スパッ!スパッ!スパッッ!!

 

鞠「ぎゃああああ!!」

 

 

小鞠の長い身体は福富の斧で斬り刻まれてしまった。

 

 

鞠「あはぁ……最高(いい)……。福富さん……もっと……」

 

 

 

恍惚の表情を浮かべたまま、小鞠の身体はスーッと消えて無くなってしまった。

 

 

 

 

東「フクに指一本も触れられなかったな」

福「ただの変態だ」

 

 

新「さぁ、残るは……」

荒「ああ。魔王御堂筋のみだ」

 

 

 

荒北達は頂上目指して一気にケイデンスを上げた。




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