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【BL二次小説(R18)】 共に堕ちて⑪


「「カンパーイ!!」」


カチャン!


ビールのジョッキを鳴らした。



二人は今、焼肉屋で食事している。
大勝ちしたので、その祝杯だ。


「プハーーッ!」

「旨い!」


13時間労働の後のビールは格別だ。


「まさかホントに二人とも20万円以上出るなんて……」

「二人とも万枚だぜ万枚ィ!ギャハハハ!」

荒北はご機嫌だ。


「何事も起こらずストレートに4万入った時は魂が抜けそうになったけど……本当に、本当に、良かった……」

シャトーブリアンを口に運びながら、しみじみと言う新開。


「まァ、今日は出来過ぎだ。いつもこんなワケじゃねェ。地味な日もあるし、負ける日もある。慣れてくりゃアいちいち一喜一憂しなくなるサ」

ミスジをひっくり返しながら説明する荒北。



「靖友と再会してから……スリルと興奮の毎日だ。益々オレ、おめさんに夢中だよ」


「ウ……」


新開から熱い瞳で見つめられ、荒北はドキンとした。






ギシ!ギシ!ギシ!ギシ!


「アん、アん、新開、新開ィ」

「好きだよ靖友、好きだ」


帰宅してすぐにベッドへ直行し、身体を重ねる二人。


「ン、ッ、新開、激しィ……アァ」

「焼肉なんか食わせるからだ。そのつもりだったんだろ」


「アアァ、そンな、違うし、ハん」

「嘘つけよ。欲しそうな目でずっとオレのこと見てたくせに。ほら、こうしてもらいたかったんだろ。ほら、ここがイイんだろ」


「ア!アア!ダメ、ダメェ!」

「ほら!ほら!ほら!」


「ダメ……イ、イくゥ!イ……」

「イけよ靖友!何度でも!」


「ア……アーーッ!アーーーッッ!!」





数ラウンド後。


荒北に腕枕をして、新開は尋ねた。


「なぁ……。なんで、待宮くんにだけ居場所教えたんだい?」


「エ……」


「オレ、嫉妬しちゃうな……」

新開はつまらなそうな表情をして、口を尖らせた。


「バァカ。そんなんじゃねェよ」

「痛てて」

荒北は尖らせた新開の唇を、指でつねった。


「待宮もオレと同じく元ヤンだからヨ。普通に理解してくれっから。ただそんだけだヨ」

そう言って手を離す。



「……電話もメールも繋がらなかった時……ショックだったんだぜオレ……」

悲しそうな瞳で荒北を見つめる新開。


「……」


荒北はプイッと背を向けた。


そして、ゆっくりと語り出す。


「……知られたくなかったンだ。今の、オレの姿。こんな、落ちぶれた姿をヨ。……箱学のメンツには……」


「靖友……」


「箱学ン時のオレは、自信に満ち溢れてて……ダチや後輩達に囲まれて……輝いてた……。今のオレと大違いだ」


「……」

新開は荒北の髪を優しく撫でる。



「オメーが惚れたのは、そン時のオレだ。今のオレぁ……」


「靖友!」

グッ!

新開は荒北の肩を掴んでこちらを向かせた。


そして、荒北の目を覗き込むようにして言った。

「オレは!どんなおめさんでも好きだ!輝いている時も!ドン底の時も!」


「新開……」


「たとえおめさんが今後どんな凶悪事件を起こそうと、オレの愛は変わらねぇよずっと」


「……」


「やっと、やっとおめさんを手に入れたんだ。離れないし、離さない。堕ちる時も一緒。浮上する時も一緒だ」


「一緒……」


新開の瞳の奥に本気の意志を認める荒北。



「今は……一緒に堕ちよう。靖友……」


「新開……」



二人は唇を重ねた。




共に堕ちてくれる存在。


荒北は、新開の気持ちが嬉しく、心地好かった ──。







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