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まだない
2021年11月1日 22:20
朽ちることが怖いのではない。生きたいから痛いのだろう。溶けるように、土に還る。目を閉じ、頭の中に、描く。己の身体がどこへ行くのか、分解される生きた身体を、思うとどうにも幸せで、なにかやりきれない気もする。ただ泣くことしかできない時間を過ごしたあとの、夜明けの気配。あたらしい旅のにおいがしている。もう、気がついてはいるけれど。そろそろ行きたくなっているだろう。留まるこ
2021年11月2日 19:30
窓を開けて掃除をする。秋だなと思う。傷みが気に掛かっていた本を手入れした。コートやかばんも、クローゼットから出して風を通した。窓をよく拭く。結露の季節になるから、気をつけなければ。カーテンも洗いたい。日が短くなってしまう前に、洗濯しておきたいものは何だったかな。急かされるように部屋を見渡す。秋の掃除が好きだ。初夏に風を入れるときとはまた違う。爽やかで乾いている。ぴかぴかの窓から外を見る。
2021年11月3日 17:18
風を待つ。風を読む。風に乗る。風を入れる、風を通す。風になる。風が吹いている。風が撫でる。風が呼ぶ。「風をつくるよ。」そう思って描いた絵。ぐるぐる。様々な向きの、流れがあるでしょう?やわらかなイメージの線だけど、原色に近いはっきりした色を使った。強い意志の風が在る。心が広がりを求めている。グリーンとサンド(イエロー)を中心に描きたくて、浮くかなと思
2021年11月4日 20:10
君のための僕であることを僕は知っている。僕のための君が君の全てではないことを僕は知っている。僕の愛はそれほど大きな愛ではない。僕はこれで足りている。君の愛は大きくてその全てを僕が受け取ることはできない。だから僕は、君のその愛を、必要とするものに惜しみなく与えて生かせるように、君が愛したいもの全てを愛せるように、君の歩みを支えて生きる。君は選んで僕の隣にいる。君が僕を信じているから
2021年11月5日 19:30
たまごを割る。時々、硬くてなかなか割れないのがあることに感動する。守られている感じがする。だけど、もしそのたまごがヒナの孵るたまごなら、ちょっと大変だろう。そのヒナには、たまったものじゃないのかもしれない。だって、ただでさえ簡単じゃないよね。たくさん時間をかけて、へとへとになって生まれてくる。ひと一倍硬い殻に包まれて生まれてくるヒナは、一大事なのではないかな。殻は、強く守ってくれる。だけどそこか
2021年11月6日 22:45
ゆっくり読む。ゆっくり書く。ゆっくり話す。ゆっくり聴く。忘れがちなこと。ゆっくりね。ひとつひとつね。しっかり吐く。ゆったり寛ぐ。じっくり考える。どっしり構える。のんびり過ごす。せわしない時間の中にいるのであればこそ。だいじなこと。現在地を確かめる。今日の天気はどうだった?お月さまはいつでてた?今日はまだ、見えなかったかなあ。朝ごはんはおいしかった?なにを食べたかな。
2021年11月7日 23:30
君のための森がある。開く必要はないんだよ。迷わせる場所ではないのだから。入ってみれば分かるのだから、深い優しさで作られた森であること。喜びで育った木々であること。豊かな土と美しい水が守られていること、澄んだ空気がそこにあること。この森を誰にも開きたくないことを、悲しく思わなくていい。君のための森だよ。君を本当に分かってくれるのなら、そのひとはきっとこの森を癒しと感じるはずだ
2021年11月13日 17:52
って、話しながら君と秋を歩いた。君と外を歩くとき、他に誰もいないところで君と二人で過ごすより、二人でいられる気がするのは何故だろうね?だって二人きりなら、それが世界だからね。そこではあんまり、二人きりって思わない。「孤独」が守られる。おたがいの「ひとり」の時間が、大事に存在する。君と話したいから一緒に歩こう。みんなの声を聴きながら、僕たちはふたりぼっちだね。みんながしあわせだとい
2021年11月14日 18:15
あの日、君と歩いたことを、まだ、懐かしまなくてもいい。君は今でも隣にいる。僕の隣にきょうもいるから。ことしもきっと、あの日と同じ、あの道を君とならんで歩くよ。落ち葉を拾い集めるように。もう冬の匂いがしているね。どんな日も美しい。今日という日も美しかった。
2021年11月15日 01:55
「去年は歩いてない」と、君が言った。去年の秋は行ってない。あの、公園の道。「この間の春は歩いたけど」と言う。じゃあ、僕の記憶はいいかげんだから、やっぱり君が必要だなって笑う。「気持ちを憶えていてくれるから」それでいいんだって。そうだといいけどなあ。まあ、なんでもいいからいっしょにいさせてよ。僕も君もお互いに必要なんだって、思っていたいんだよ。ほんとうは違ってもさ。もうそろそろ寒くなる
2021年11月21日 04:40
彼らは無事に行けるだろうか。僕には、道を渡すことしかできないけれども。それでも彼らは行くと言った。だいじなひとの力になれるだろうか。きっと大丈夫だ、彼らはとても勇敢で、本当によく、使命を分かっている。きっと大丈夫。怖くてもいいんだよ。その先に行かなければ出会えない時間が必ずあるんだから。怖いね。泣きながら行こう。そこへ抜けたら、きっと泣いている暇もなくなるよ。今のうちに泣いておこう。怖いね。僕は、