マガジンのカバー画像

逸走

53
こんにちは。馳走(はせ・はしる)と申します。40を手前に発達障害の診断を受け、ついでにうつになりました。まさに人生「逸走」状態ですが、名刺代わりに本マガジンをお読みいただければ幸…
運営しているクリエイター

#推薦図書

「ウマ娘」のオタクにこそお勧めしたいこの夏の推薦図書5選

「ウマ娘」のオタクにこそお勧めしたいこの夏の推薦図書5選

ウマ娘、流行ってますね。 2021年2月末のアプリリース以来、爆発的に人気が加速した『ウマ娘 プリティーダービー』ですが、間もなくハーフアニバーサリーというタイミングになってもその勢いは衰えを知らないようです。

 1月から放映されたTVアニメ第2シーズンのパッケージは、ゲームで使えるシリアルコードの封入という「ドーピング」はありつつも、それだけでは説明がつき切らない、TVアニメの映像ソフトとして

もっとみる
発達障害当事者の私が感じた『リエゾン-こどものこころ診療所-』第3回で「わかってほしい」こと

発達障害当事者の私が感じた『リエゾン-こどものこころ診療所-』第3回で「わかってほしい」こと

 3月19日発売の『モーニング』第16号に、『リエゾン-こどものこころ診療所-』第3回が掲載されていたので、さっそく購読させていただいた。今回も〈画のお芝居〉の機能がフルに生かされた素晴らしい演出があり、そこが発達障害の当事者として「(あくまでも私個人が)わかってほしいこと」と密接にリンクしていたと感じたので、そのポイントを拾い上げながらまたしても感想をつらつらと述べていきたいと思う。

第3回「

もっとみる
『リエゾン-こどものこころ診療所-』連載第4回より 〈凸凹のひと〉たちの〈眼〉が我々に投げかける〈問い〉について

『リエゾン-こどものこころ診療所-』連載第4回より 〈凸凹のひと〉たちの〈眼〉が我々に投げかける〈問い〉について

 ちょうど私が発達障害に端を発する抑うつ状態の療養に入るのと時を同じくして連載が始まった『リエゾン-こどものこころ診療所-』に、勝手な縁と親近感を感じてすっかり毎週この作品を読むことが習慣となっているのだが、3月26日発売の『モーニング』2020年第17号に掲載の連載第4回目も非常に興味深く拝読させていただいた。今回も作品を通じての発達障害への学びは非常に多くあり(何度も繰り返す通り私は専門家では

もっとみる
「うつ」療養の旅は〈勇気の貯金〉だ。~米津一成『追い風ライダー』を読む~

「うつ」療養の旅は〈勇気の貯金〉だ。~米津一成『追い風ライダー』を読む~

 「うつ」の療養に入っておよそ3週間が経った。当初の何をするにも動き出すことのできなかった状態から比べると、規則正しいリズムで生活を送りつつ投薬も用量を守って継続しているからかだいぶマシな状態になってきてはいるが、それでも不意に〈なにもできない状態〉はやってくるし、何かをやり始めるのに、「うつ」になる前とは比べ物にならないほど――そもそも、それまでは意識したことすらなかったのだが――エネルギーを消

もっとみる
発達障害の所見が下り、ついでにうつになったので、お手紙を書こうと思います。~前略、街の底より~

発達障害の所見が下り、ついでにうつになったので、お手紙を書こうと思います。~前略、街の底より~

職場で衝突してうつになった。

 今の私を一言で自己紹介するならば、この一文に尽きる。

 まるで志賀直哉の『城の崎にて』の冒頭、【山手線の電車にはねられて怪我をした】みたいな書き出しで恐縮ではあるが、勤め人である以上は守秘義務というものがついて回っているので何があったのかを事細かに記すことはできず、きわめて抽象的な書き出しとなってしまうことはなにとぞご容赦いただきたい。

 ともあれこのたび、私

もっとみる
モーニング新連載『リエゾン―こどものこころ診療所―』の〈画のお芝居〉のすごさをみんなにわかってほしい。

モーニング新連載『リエゾン―こどものこころ診療所―』の〈画のお芝居〉のすごさをみんなにわかってほしい。

 先週から週刊コミック誌「モーニング」で、『リエゾン―こどものこころ診療所―』(漫画・ヨンチャン、原作・竹村優作)という連載が始まった。

どんな漫画? 『リエゾン―こどものこころ診療所―』はサブタイトルが示す通り児童精神科を舞台とする作品で、曰く、「生きづらさを抱えた親と子に向き合う児童精神科医を描く――。」とのこと。意図をひとことで言い切れる作品や企画にハズレなしの個人的経験則から、すでに期待

もっとみる
noteをひと通りいじってみての気づきと、坪内祐三さんが生前に「いよいよ雑誌の時代がやって来た」と言っていたこと。

noteをひと通りいじってみての気づきと、坪内祐三さんが生前に「いよいよ雑誌の時代がやって来た」と言っていたこと。

 文筆家で評論家で編集者でもあった坪内祐三さんが突然亡くなられたのは、2020年も明けてすぐの1月13日の事だった。まだ61歳という若さで、死因は急性心不全だったそうだ。もちろん私は坪内さんと面識などあるはずもなく、その著書の一読者に過ぎないのだが、それこそ学生時分から坪内さんの書くもの・語るものを好んで読ませていただいていただけに、このたびのあまりにも突然の訃報には驚くことしきりだったし、その喪

もっとみる