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「珈琲と秋風:#シロクマ文芸部企画参加」

小牧幸助さん企画の
シロクマ文芸部の企画に応募させて
いただきます。
企画内容は以下のとおりです

題:珈琲と秋風

 珈琲と秋風を 味わうと
 セピア色に 染まった
遥か昔のことが よみがえる

 あの人と 尾瀬にハイキングした
 すでに 尾瀬は秋の中
 尾瀬ヶ原は 金色に輝き
 木道を 歩くハイカーの列は
 どこにも 見られない

 二人で 木道に 腰をおろす
 風は 草紅葉(くさもみじ)を
 揺らして 原を渡っていく
 都(みやこ)では味わえない
優しい静けさが 体を包む
 
 あの人は リュックから
 ポットを取り出して
まだ熱いコーヒーを
 注いで くれた

 生涯で あれほど
暖かい香りを 飲んだことがない
 
遠くには 燧ケ岳が
渋さをにじませて 
どっしりと 聳えている

「あの山 登ってみたいわね」

「いいねぇ 来年また来ようね」

あの人は かすかに笑って
うなづいた
蒼い帽子を かぶり直した
あの人の 白い爪は
秋色に 光る

昨夜 宿泊した
龍宮小屋の ベンチでも
二人でコーヒーを 飲んだ

夜空は ダイヤモンドを
散りばめた 星の海のよう

「来年の 今頃は 俺たち
社会人だなぁ・・
どんな風に 変わってるのかなぁ」

「社会人か・・・ 私 普通の
ビジネスウーマンに なってるのかしら」

「きっと キレキレの女性社員に
なってるさ!・・ 俺は あまり
変わってないかも知れないけど」

「私 今のままの自分がいいな。
そして、また 来年も此処にきて
星空の下で ホットコーヒー飲んでる
自分でいたいの。
ねぇ また ここに来るって
約束してよ.. ね!」

その時 僕は 初めて
彼女を 抱きしめた。 

「約束するよ・・ 本当だ」

時は移り、季節は重ねられた

尾瀬ヶ原だけが 僕らの
果たせない約束を 今も どこかに
小瓶に入れて 残しておいて 
くれているかも しれない
 
最後まで 読んでいただきありがとうございます。
これからも お心をなごますような文を投稿して
まいりますので、スキ、コメント、フォローなどを
いただければ 子犬のようになつきます🐱🐱🐱🐱

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