「ブルー トパーズ色の結婚～娘への手紙」詩

パパとママは　涙でよく見えなかったよ

おまえの　あでやかな　
白い　ウエディングドレス姿
夏の沖縄の　透明な海風は
長いドレスの裾と　ベールを　
リズミカルに　揺らしてた

ブルー トパーズの海と
白いチャペルを　取り込んで
幸せをまとった　笑顔が
キラキラと　飛び散る

お前と過ごした　20数年の　暮らしが
水彩画になって　色鮮やかに　通り過ぎる

一年前　おまえが　深夜　パパの部屋にきて
一人で　暮らしたいと　言った
「好きな人が　出来たの」と　尋ねると
うつむいて　小さく　うなずいて
「一人暮らしに　慣れたいの」と
つぶやいた

父親なら　いつか　この日が
巡ってくるのは　判っていた

でも　おまえと　腕を組んで
バージンロードを　歩くまで
結婚して　本当に　行ってしまうのを
胸の中で　信じたくなかった

色白で　スラっとした　彼が
おまえと　結婚させてくださいと
熱い口調で　頼んできた

パパは　すぐに　返事ができなかった
あたまの中には　白い靄が　急に立ち込めて　
それを　必死で　吹き払おうとしてたんだ

おまえは　苗字も変わり
同じ　空の下に　暮らし始めた
おまえの　花嫁姿を
おばあちゃんに　見せてあげたかった
泣き虫な　おばあちゃんは
さぞ　涙目に　なったことだろう

今　パパの願いは　たったひとつ
仲良く　二人で　夢と希望を忘れずに
一生　しあわせ色の　人生ロードを
歩き続けて　欲しい

パパとママは　ずっと　お前の
人生ロードを　陰から　照らし続けるからね

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