「頭はゴビ砂漠」詩

眠れぬ夜は　羊を数えます
羊が一匹、羊が二匹。
数えていると　まれに
おお兄さんが　酔っ払い顔で
登場します

おお兄さんは　家で
ラガービールを　飲むと
よく　オーストラリアの歌を
歌いました。

羊の毛を刈るときの歌です
「調子をそろえて　
クリック　クリック　クリック
鋏の音も　かろやかに・・」

このクリック　クリックという
歌詞に合わせて、ボクの　頭を
大きな手で　ゴシゴシと
撫でまわします

「ホラ　クリクリするよ！」
ボクは「イタイ　イタイ」と
逃げようと　するのですが
がっちりと　膝の上に
押さえつけられて　動けません

ごく　たまに「NHKのみんなの歌」で
この歌が　流れます
すると　おお兄さんの　ザラザラした手と
ゴリゴリ感が　心に戻ってきます

ボクの頭脳が　ゴビ砂漠のように
カラカラ　ポンなのは
このゴリゴリで　水気が　すっかり
失せてしまったせいです。

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