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「バンドネオンは悲しく響く」詩


街灯が もやるように 灯る
船の灯りは 遠くの沖で 固っている
空には 今にも落ちてきそうな 星くずの河

バンドネオンの 甲(かん)高く
もの悲しい 音色は
店の ドアをすり抜けて
歩道まで 流れ出す
消えかけた 想い出が
スクリーンのように 浮かぶ

流した涙の 答えが欲しくて
この港町に 戻ってきた
あなたが 愛した店の
カウンターに 腰かけて
愛の抜け殻を 転がす 

濃いめの ジントニックを 2杯
一つは しみじみを味わいながら 飲み
もう一杯は あなたが フラリと来たときのため
トニックの 泡の中に 
あなたの横顔を 探している

バンドネオンとバイオリンの
合奏が 始まった
バイオリンの奏でる もの悲しい 音色は
バンドネオンの 切なさを 一層 掻き立て
心にある 悲しみの 風船を
とうとう 破裂させた

時間が指の間から 
落ちていくように
私の 涙は 顎を伝って 
カウンターの上に 
涙の水たまりを 作る

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