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ホームシック上級者

娘のお迎えからお家に着いて、
おそるおそる「楽しかった?」と聞く。

「ママ、わたし幼稚園いかない。」

いつも真逆のことを言う娘が確かに言葉にした。

週一回の習い事のように通っていたのが、
時間も長く数日おきに幼稚園に通い出したのは
まだまだ数えるくらいだ。

午前中だけの2時間は、
娘には、とてつもなく長い時間なんだろうな。
ここ何日かで、娘の成長が数段飛びくらい早いのも環境が変わったことに慣れようと
小さいながら頑張っているんだろう。




迎えにきた時、先生が様子を伝えてくれた。
「パパが送って行った後、少しさみしくなったのか涙を拭いてましたよ。その後は元気に遊んでました。」

いつも送り出す時は、楽しみだね。と言って
先生が見えると手を振り解き
振り向かずに教室には入っていく娘は、
何を思い出し涙を拭いたのか。





自分が家を恋しいと思ったのはいつだったかな。

ずっとずっと遡ると小学生の頃、
研修旅行で海外に行ったときに
ふと寂しくなって同行した先生に
不安を吐露してしまった時だったかな。

その時、先生が言ってくれたのは
「ホームシックになる子は、お家が好きな子なんだよ。」と。
当時はホームシックも理解できず、
このとてつもない寂しさは何?とわんわん泣いた。

この「ホームシック」という気持ちには
何度立ち会っても慣れない。
いい大人になってもちょっと油断したら
ひょっこり浮き出てくる。

実家を出た時、
結婚した時、
里帰り出産から自宅へ帰る時、
もう二度と会えないわけではないのに
もう二度と会えないかのように
本当に寂しく涙がでた。


今更ながら気持ちを思い出すと

新しい世界が不安な気持ちと
慣れ親しんだ世界を離れる寂しさ

が、気持ちの大半を占めているなと。
それでもわんわん泣いてる自分は
大人になっても立派な「ホームシック上級者」。



そんな「ホームシック上級者」も
家族におかえりという人になった。
時間と共に薄れ、場所や環境に慣れていく。

娘もまだまだ始まったばかり。

(母は初っ端「ムスメシック」。)

頑張らなくていいから気楽に過ごしてほしい。

「お家」で待ってるから
自分だけの新しい世界に
一歩一歩飛び出していってね。

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