みんなの息吹を感じたい - ある教育者の内なる変容物語【IDS1期インタビュー1】さやか
こんにちは!Shotakaです!
本noteは大人の心の学校(Inner Development School:通称IDS)の1期に参加した人の体験インタビュー記事Vol.1です。前回、前々回はIDS2期生のインタビューでしたが、今回は1期のインタビューです。
IDSを卒業後、彼らはどうなったのか。1年経っての初インタビューです!
●インタビューについて
このインタビューは大人の心の学校(Inner Development School:IDS)1期の体験談です。
現在1期生は、10ヶ月間のグループでのカリキュラムを終了し、約1年が経過しました。
取り組みを行ってから1年後、参加者はどうなったのか?何を感じて、今現在どんな活動をしているのか?についてインタビューを通して迫ります。
●プロフィール
40代女性。3歳、5歳、8歳の3児の母。
大学院修士課程を卒業後、化粧品メーカーの研究職へ。経済的に自立した結婚や子育てを描いて、学校現場を専門にする教育行政職の地方公務員に転職。結婚・出産。完璧なワークライフバランス、ほとんど理想が叶ってるはずなのに、満たされない違和感を抱いてIDSに参加。
●第1章:子育てと仕事の行き詰りと危機感
子育ての苦悩
「結婚して子供が生まれる前までは、いろんなことを上手にこなしてたのだと思います。社会ではこうやって振る舞ってればいいんでしょ、みたいな、正解を当てにいく生き方をしていました。けど、子どもが生まれてから、蓋をしてた自分の闇と直面せざるを得なくなったんです。」
「子育てには『こうやればいい』という、いわゆる正解や正論が通用しない。正解や正論を探して、ネットで育児関連のことを散々調べて、良さそう良さそうって思うけど、その本質は理解してないから、現実ではうまくできない、ということをずっと繰り返していたように思います。探すことで逃げてるというか、迷子になっていました。」
「『できない、できない、苦しい、そして頑張ってるのに誰も労ってくれない』とずっと怒っていました。家族に遠慮したり、我慢したりする癖が対夫にも発動して拗れ、子育てにも四苦八苦してました。一方、職場ではまだこれまでの生き方が通用するから、仕事行きたいーってなってました(笑)。」
「理想は悪くなかったと思うんです。Sense of Wonderみたいな価値観で、おさるのジョージの黄色いおじさんになりたいと思っていた。でも、目の前の子どもの表情に活気がないんですよね。子どもの躍動感とか息吹が、顔からどんどん失われていってる感じがあった。子どもから自分の嫌なところから跳ね返ってきていました。このままではヤバいと強い危機感を感じていました。」
仕事での行き詰まり
「仕事でも、私は学校の中のコンプライアンス部門にいるのですが、ルールを守らない先生に正論ぶちかましてイライラしていました(笑)。だって私、悪くないじゃないですか、と。一人で悪戦苦闘してたように思います」
「いろいろやりたい事はあったのですが、そのいろんな思いつきも、やる前から諦めていて、椅子を温めてつまらない時間を過ごしていたように思います。「失敗したくない」とか「どうせ上手くいかない」「そもそも意欲やエネルギーが枯渇してる」という気持ちがあったように思います。」
IDSの前に受けた「5ヶ月内観コミュニティ」の体験
「実はIDSの前に、全く別の方が主催する5ヶ月間の内観コミュニティを受けていたことがあって。そこでも自分の内側と繋がる体験をさせてもらえたし、産後初めて沖縄旅に一人で行ったり新しい体験がたくさんありました。私には一人の時間、感じたことを味わう時間、自分と向き合う時間が必要だって気がつけました。ただ、そこでは、起こること話すことはオールOK。「そっか。そうなんだね。」と全て受容するスタンスだった。だから、張り合いがないというか、自分が感じるアウトプットを、さらに深く掘っていく体験がなかった。だから正直、物足りなかった。私はただ受容するのではなく、誤魔化していたり、ズレていたり、歪んでいることを指摘して欲しかった。」
●第2章:IDSとの出会いと転換点
最初の気づき
「IDSの参加希望者向けのしょーちゃんとの面談で、コメダ珈琲で号泣したのを覚えています(笑)。「親の精神的なお世話をしてきた」ことを見抜かれました。ずっと頭で「親は親で頑張っている、何かと大変だから、家族のバランスを取るのが私の役目」と自分に言い聞かせて自分の欲求に蓋をしてきたんだって、言ってもらえた覚えがあります。「この人、30分で核心せまってきたな(笑)」と感じました。」
「心を扱うという意味では、心理カウンセリングも検討していました。元々、カウンセリングを受けることにも積極的だったので、いい人との出会いを求めていたんです。なので、ニュートラルな選択肢として臨床心理士も視野に入れていました。でも、私にとってはそのとき検討していた心理士の方々の言葉の表現が優しすぎる(ひよっている)ように感じたんです。その点、しょうちゃんは不器用なのか、表現が綺麗すぎないところが良かった。ひよらないし、綺麗にまとめようとしない。ダメなことはダメという。そして核心っぽいこと言ってそうなんだけど、よくわからなかった(笑)。だから知りたいと思ったんです。興味深い未知なものへの好奇心が湧いていました。
「あと、しょーちゃんの行く末も楽しみでした。しょーちゃんを応援したいな。とか、関わりたいなって思っていました。面白そうだから。あと、しょーちゃんの「たおやかさ」「たおやかな雰囲気」が私の求めているものだったんですよね、今思えば。」
身体感覚との出会い
「参加して1番の変化は、自分の感覚がよくわかるようになりました。
これまでは、ずっと自分の感情に蓋をしていたんです。怒りの気持ちがあっても、なかったことにしていた。私は、『不平不満や文句を言わず、建設的な議論をする自分』が理想だと思っていて、それを自分に課していた。そのことで、自分の気持ちに気づかないようにしていたんです。」
「それが徐々に、『喉が詰まる、胸がつまる、お腹が重いとか、こーゆーこと!?』ってなっていった。いろんな場面で、自分はたくさんのことを感じていた。それが身体感覚でよくわかるようになりました。そうすることで、自分の内側にある気持ちや、その微細な変化にも繋がれるようになった。」
「その身体感覚から、自分の内側にある感情や思い込みに気付けるようになっていった。自分の内側に繋がれるようになってからは、『あーこれ自分で気づいてなかった、無意識の根底にあるビリーフだなあ』とか、いろんなものに自然に気づけるようになっていきました。」
仲間の一言で手放せた大きなもの
トライアドっていう3~4人で1組のグループワークの時間があるのですが、私がトライアドの中で自分が仕事でイライラした話をしていたら、他の仲間が「さやかはただ仲良くしたいんでしょ?」って急に核心をついてきて、はっとして、そこから号泣しましたね(笑)。そこでなんだか大きなものを手放した気がします。
●第3章:変容の実感
母との関係修復
「前は、母の行動を黙って見てられなかったんです。母親の振る舞いや生活様式のいろんなところに口を出して、指摘してコントロールしたくなる。私は、いつも腕を組んでイライラしていました。今思えば、私は母にめちゃくちゃ怒っていたように思います。母も、私に会うと、また叱られる、という姿勢で、常に萎縮していたように思います。母に怒っていたことを忘れていて、今思い出しました(笑)。」
「それが、母に対してとても穏やかになりました。前は指摘ばかりしていたけど、今はいいところも見えるようになった。実はパーソナルセッションを通して、私は母に対して深いところで『寂しかった』という気持ちを抱いていたことに気づきました。その寂しさが、母への怒りやイライラに繋がっていたのだと思います。その「寂しかった」「満たされなかった」という感情をちゃんと深く味わったことて、少し手放せたように思います。」
「今は母と一緒に祖父母のお墓参りに行ったりと、お互い自然体で出かけたりしています。前は母を誘っても「(祖父母に)合わせる顔がない」と断られていたんですよ(笑)」
子育ての変化
「これまでは、自分の子どもが『寂しい』という態度をとっている時は、自分でもそれはわかっていても、自分の振る舞いを変えられなかったんです。私自身の内側にある「寂しさ」が解決されていなかったので、子どもの「寂しさ」に直面できなかったのかもしれません。でも、今はその感情が緩み、自分の態度が変わってきて、子どもの『寂しい』に一緒にいれるようになった。」
「子どもに対して、情報提供と機会提供を過剰にしていました。私自身が学ぶことや体験することに情熱を持っているからでもあるのですが、私が子どもを忙しくさせていたように思います。でも、今はそれが緩んで、子どもがその体験を咀嚼できる時間を見守れるようになりました。私自身も忙しさが減って、その分、子どもとゆっくりゴロゴロする時間が増えた。」
「ある日、子どもが『おこりんぼママ』という本を借りてきました。この本は、おこりんぼママがね、怒るんですよ(笑)。『今日ママが物凄く怒鳴った。そしたらあまりにすごく怒鳴るもんだから僕はバラバラになって飛んで行っちゃった』という話なのですが、前の私のままだったら、「こんな絵本を見せたら、またママを怒らせてしまう」と、子どもは借りてこれなかったと思うんです。だけど、今は子どもはこの本を笑いながら持って家に借りて帰ってきて、 「頭、宇宙に飛んでいっちゃったんだよ、面白いでしょう」って言って(笑)。私は子どもとこれを一緒に読めるようになったんだなあってしみじみ思います。」
「セッションの中でポジションを変えるワーク(※エンプティチェアという心理療法の技法があり、今回であれば空の椅子に、イメージで子どもを座らせて、その椅子に座っている子どもの身体に自分が入ることで、子どもの心象風景で、母親のことを見るというもの)で、子どもと対話できたのは大きな体験でしたね。これまで自分の視点でしか世界が観れていなかったので、子どもの視点で自分を観れたことは大きな発見でした。」
職場での変化
「前はいろんなことを思いついても行動できず、椅子を温めていたのですが、今は試行錯誤しながら、足跡が残ってると思う過ごし方ができているように思います。2022年までは誰がやっても同じ結果な仕事(作業)をこなしていた感じですが、2023年からは私なりの足跡(轍・キャリア)がちゃんと残っている感じです。組織の内部や外部を問わず、いろんな人を巻き込みながらやっています。頭で考えすぎる前に、思いついたらまずは人にすぐ話して、共感者を巻き込んで、前に進めるようになりました。」
「あ、あと、一緒に働いてる同僚が、私と働いていて絶対前より幸せになってるなあって感じがしています(笑)。」
人間関係の変化
「感じのいい人に仲良くしてもらえることが増えました。あの人素敵だなあって思ってた人がなぜだか話しかけてくれたりします(笑)。前は自分の内側に怒りや不平不満、文句があったんだと思います。もちろん口には出してないつもりですが、蓋をしていたので、雰囲気として出てたのかもしれません。でも今は、本当の意味でなくなってきたように思います」
「モヤモヤしてる自分に素直になっていって、そこに一つ一つ繋がっていって、玉ねぎの皮剥きをしていってる感覚があります。自分の気持ちにちゃんと繋がれているから、本当の意味で朗らかになれる時間が増えたんだろうなあ、と感じています」
●第4章:新たな挑戦
コミュニティスクールへの夢
「私は、学校をみんなが元気になる場所にしたい、地域とつながって、開かれた場所にしたいと思っています。子ども、保護者、教職員、業者さん、地域の人、関わる全ての人たちが、学校にくると元気になる場所にしたい。それを宣言してやっています。」
学校を超えたプロジェクトの立ち上げ
「学校施設の脱炭素化PJTをやりました。今の学校には断熱設計がなく、エアコンの効果が十分に得られない状況でした。当初は経済局と連携したPJTを進めましたが、関係部局との調整が難しく断念することに。そこで方向を転換し、環境省や環境局から専門家を招いて、全校生徒向けの環境学習をコーディネート。講義内容やグループワークを協働で作り上げました。その取り組みが評価され、県環境局での事例発表につながり、校内外からの応援を得て、もっと生徒の興味関心に沿った学習を展開していくモチベーションが高まりました。」
探究学習のファシリテーター
「探究学習にすごく興味があります。私は、行政職員として、学校運営をマネジメントする立場にいるのですが、生徒たちが活動する美化委員会にも関わるようになりました。そこで、脱炭素化PJTや環境学習コーディネート経験も踏まえて、生徒が作る環境学習に伴走しようと考えています。生徒は何に関心があって、学校をどう作っていきたいのか。環境を通した「探究学習」のファシリテートに取り組んでいます。」
●第5章:未来へのビジョン
教育を通して、一人一人の生命の息吹を感じたい
「死んだ魚の目をしてる人がほっとけないんです。私は、みんなの生命の息吹を感じたい、一人一人の可能性が発揮されて、調和する世界になったらいいと思っていて。持っているものに蓋をしてる人たちに、それを出していこうよ!と言いたい、火をつけたいと考えています。」
「私は教育の分野が好きなんです。幼児教育から初等教育の「種蒔きと耕すこと」も好きだし、中学校から高校の、社会を見据えて「学ぶ動機を育てる」ところも好き。そこでは自分の将来の姿と目の前の学びを結びつけて、学びの内発的動機を生み出していくことをしたい。」
人を啓発する企画屋さんであり、水先案内人で在りたい
「教育って、それぞれの子どもの可能性を開いていくことだと思うんです。私は、その水先案内人として、それぞれの子どもの学びを観ながら、こんなのどう?ってコーディネートすることもしていきたい」
「昔、生涯教育センターの館長という役割にインスピレーションを感じました。世の中にはいろんな専門性を持った人たちがいる。今うちの子どもが通っている園の先生で、モンテッソーリ教育のディプロマを持った人がいたのですが、彼女は「その考えを伝えていく機会がない」という話をしていました。私はそれを聴いて、すぐに「保護者向けにモンテッソーリの勉強会をやりましょう」と企画をして、保護者会の企画として通りました。そんな風に、いろんな専門性を持った人を引っ張ってきて、啓発する場を創っていきたい」
「ゆくゆくは、全国からお呼ばれしたいですね!この学校で、ぜひやってください!と言われるように、活動していきたい」
●第6章:私から見たIDSと言う場所
ハートを掴んで、一歩前にいける場所
「根っこっていうか、海の底というか、しっかり深く潜れる場所。自分の深い核を一緒に掴みにいった感じ。しっかり核をつかんで、一歩目二歩目をやった感じ。内側を掴んで、ハートを掴んで、一歩前へって感じ」
「子ども産む前に受けたかったなあ。もしそうしてたら自分との繋がり方を心得てるから、毒親時代を過ごすことにはならなかったのでは(笑)。」
危機感を持ってるがどうすればいいかわからない人へ
「IDSは自分に深くつながりたい人におすすめ。そして自分に深く繋がった上で、ちゃんと楽しい。面白い場所だった。知的好奇心を満たす場所でもあったし、ユーモアとしても。」
「でも多分だけど、違和感を感じないで、死んだ魚の目をして諦めてる人には届かないと思う。このままだとやばいかも、まずいんだって危機感を持ってるけど、どうすればいいかわからないってなってる人や自分のコアに繋がりたい人には届く場だと思う」
(インタビュアー:しょうちゃん)
●最後に
さやかのインタビューを終えてしょーちゃんの感想
いやー、さやか久しぶりに話した!結局3時間くらい話したな(笑)。
ちょいちょいDMしてたけど、しっかり話したのは1年ぶりだった気がする。でも、活動してるのはストーリーズでずっと観てた。
そんで、インタビューしてこの記事編集してたら、なんだか泣きそうになったよ。教育に懸ける想いとか読んでてさ。こんな熱い想いを持ってやってたんだなって思って。その火を絶やさずに、燃やしていくのをおれは応援したいと思ったよ。さやかはこれからもっともっと情熱のまま突き進んでいくんだろうなあと思った。応援している。
さやかのIDSでの体験について
1年前だから細かい記憶は曖昧なんだけど(笑)。でもさやかは根本的にエネルギー量が多いタイプで、いろんな新しいことをやりたいんだけど、公務員で職場が学校という、超保守的な現場だったんだよね。だから、自分のエネルギーを持て余していたように思う。
そして、最初はさやかと話しをしていて、表面的には穏やかで綺麗なんだけど、なんかそれが違和感だった。なんか綺麗すぎるというか(笑)。
そこから自分の内側に繋がって母親との葛藤や内側にある純粋な痛みに繋がっていったんだよね。いわゆる未完了の感情ってやつだけど。そこからは、さやかはより自由になって、より自然体で穏やかになっていったんじゃないかなあ。
そうすることで、自分と戦わなくなった結果、自分の中に本来内在する大きなエネルギーをより外の活動に使えるようになっていったんじゃないかな。元々持ってるエネルギーがでかいのよさやかは。
教育というフィールドで、さやかがこれからどんな風に人生を楽しんでいくのか、おれはそれを応援したい!
●IDS 3期について
IDS3期は1期、2期からはさらにバージョンアップして、外部講師のWSや後半の自己創造のプロセスのサポートを厚めにしています。
またIDSの前身の講座を含めると4期が終了したので、心の探究を行った人たちのコミュニティも始める予定で、よりおもしろくなっていく予定です。
●無料相談について
無料相談は50分間で、主にカウンセリングとコンサルティングを行っていきます。今その人がどんな課題を抱えてて、何が起こっているのかを一緒に明らかにしていきます。
心の問題で苦しいのは、なぜそれが起こってるのか、自分に何が起こってるのか、がわからないのが一つの大きな要因です。例えば、腹痛が自分にあった時に、原因が明らかな腹痛より、原因不明の腹痛の方が明らかにしんどいわけです。
なので、何が今の状態を引き起こしてるのかを可能な範囲で明らかにし、今後の取り組みのマイルストーンを描きます。その中で、相談者の抱える課題の解決手法をお伝えしていきます。
僕はこれまで8桁以上のお金と時間をかけて、様々な手法を体験してきているので、相談者にとってIDS以外のアプローチの方が適切な場合はその旨を伝えます。
(基本的に面談の全体のうち90%は相談者の課題について、IDSについてお伝えするのは最後の5〜10分くらいです。)
IDSの定員の募集人数は残り1名ですので、少しでも気になる方はぜひ気軽に相談しにきてください。(募集は12月8日まで!)
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IDS2期の他のメンバーのインタビュー記事
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