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My-Mythology〜新しく綴りあげる神話の世界〜

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2022年5月の記事一覧

人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 五十三話「宴は終わり、夜となり」

登場人物紹介

織田信長: みなさんご存知、尾張生まれの第六天の魔王。この神話×歴史ファンタジー小説のなかでは、本能寺の変で天使に救ってもらう。一般人、一介の冒険商人「小田信春」と名乗り一番のお気に入りだった黒人侍弥助をアフリカへ送り届ける旅を始める。

弥助: 本能寺の変でも、最後まで戦い、信長を守ろうとした黒人侍。気は優しくて力持ち。明智勢に捕まったが放たれ、その後は故郷アフリカへ信長とともに

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My Mythology/Art & Music 2022.5【note神話部月報】

My Mythology/Art & Music 2022.5【note神話部月報】

note神話部月報です。今回は2022年2月1日から5月29日までに投稿された絵画・音楽・音声作品を紹介します。拾いもれがあった際にはご面倒ですがご一報くださいm(__)m

なお、せっかくの非言語芸術に作者でない非専門家の言葉を添えるのも無粋と思い、今回から紹介文は割愛させて頂きます。皆さま、ぜひリンクをタップしてお楽しみください!



【神話】すーさん/新マガジン らくがきを飾っちゃえ! 

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一番の恩恵

一番の恩恵

『あなたの落としたZIPPOライターは、この金のですか? 銀のですか?』

夢を見ているに違いない。駅前のみんながときどき待ち合わせの場所にもしている噴水に、うっかりライターを落としてしまった俺は信じられないものを見た。

ローブを身にまとった女性が現れて、金のライターと銀のライターをもって、そう聞いてきたのだ。

おお、これは! あの超有名な「正直に答えたら、神の恩恵が与えられる」っていう泉の女

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人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 五十二話「アミ族の料理」

人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 五十二話「アミ族の料理」

登場人物紹介

織田信長: みなさんご存知、尾張生まれの第六天の魔王。この神話×歴史ファンタジー小説のなかでは、本能寺の変で天使に救ってもらう。一般人、一介の冒険商人「小田信春」と名乗り一番のお気に入りだった黒人侍弥助をアフリカへ送り届ける旅を始める。

弥助: 本能寺の変でも、最後まで戦い、信長を守ろうとした黒人侍。気は優しくて力持ち。明智勢に捕まったが放たれ、その後は故郷アフリカへ信長とともに

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My Mythology/Novels 2022.5【note神話部月報】

My Mythology/Novels 2022.5【note神話部月報】

note神話部月報です。
第4週は連載小説を紹介します。

【今月の神話】悠凛さん/風の神話2湿度と暖気を運ぶ東風の神エウロス。主への言葉は無邪気ゆえか、あざとさゆえか?



すーさん/人生は50から! 信長公、アフリカへ行く四十八話「台湾へ」

秘宝を求めてまず向かった先は台湾。船乗りが首を切られるという噂、行手を阻む海荒れ。上陸困難と思われた矢先、救世主が登場する。

四十九話「哪吒(なた

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忘備録はオタクの拘り

忘備録はオタクの拘り

ヘッダーのアレンジとは何の関係もない話を書く。

場合によってわたしはおかしな本の読み方をする。
かいつまんでサラっと読む。その後しばし寝かしたりしてからじっくり読むのだ。
小説の類ではさすがにそんな事はしない。
歴史系の新書だ。

理由は、それを書いた著者の考えを鵜呑みにしないためだ。

寝かしたまま熟読せずにいた本を今やっとじっくり読んでいる。
興味があったことの答えに触れるかも知れないと思い

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創作未来神話「ガーディアン・フィーリング」38話 恋人たちはノマド .af(アフガニスタン1)

創作未来神話「ガーディアン・フィーリング」38話 恋人たちはノマド .af(アフガニスタン1)

37話のあらすじ

メタルクラッド飛行船に乗って、アラブ首長国連邦からアフガニスタンへ移動中の絵美が持つ万能通信アイテム、コミュニ・クリスタルと、日本にいる彼女の姉真菜の持つ、宇宙人たちのグループ「全天21星連合」が作った黒いペンダントとの通信によって、絵美と真菜、そして彼女たちの家族はみんなで語らう時間を持つことができた。そして、宇宙人リトルグレイとシリウス星人も加わって、絵美と真菜の一族が代々

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My Mythology/Essay & Column 2022.5【note神話部月報】

My Mythology/Essay & Column 2022.5【note神話部月報】

note神話部月報です。
第3週はエッセイ・コラムを紹介します。

【今月の神話】成瀬川るるせさん/朽ち果てた山神社の覚え書き

炭鉱の坑口一ヶ所につき一社あるはずの祠。何気ない山道が意味を帯びる。信仰の形跡を辿り、信仰が廃れたことに疑問を抱く。読書体験からは得難い〈生々しい問い〉がここにあります。



【リバイバル神話】吉田翠さん/マウイ、なんとかしちゃう

ポリネシア系神話に登場する半神半

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踊らないではいられない【コラム】

踊らないではいられない【コラム】

 今回は踊りと神話についてのお話です。自作『葬舞師と星を見る楽師』の17話「真紅と珊瑚赤」と18話「乱痴気の火付け役」の解題も兼ねて。

 かねてより気になっている神格がふたつあって、それはギリシア神話のディオニュソス(ローマ神話ではバッコス/バッカス)とインド神話のシヴァです。彼らが象徴するものには、舞踊、両性、享楽、放逸などと共通点が多く、起源を同じにしているのではないかという説もあります。

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人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 五十一話「歌と踊り」

人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 五十一話「歌と踊り」

登場人物紹介

織田信長: みなさんご存知、尾張生まれの第六天の魔王。この神話×歴史ファンタジー小説のなかでは、本能寺の変で天使に救ってもらう。一般人、一介の冒険商人「小田信春」と名乗り一番のお気に入りだった黒人侍弥助をアフリカへ送り届ける旅を始める。

弥助: 本能寺の変でも、最後まで戦い、信長を守ろうとした黒人侍。気は優しくて力持ち。明智勢に捕まったが放たれ、その後は故郷アフリカへ信長とともに

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My Mythology/Story & Poem 2022.5【note神話部月報】

My Mythology/Story & Poem 2022.5【note神話部月報】

note神話部月報です。
第2週は単発の物語・詩を紹介します。

【今月の神話】矢口れんと/三日月に架け橋(連載小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』より抜粋)

不慮の死を遂げた女性に向けて葬送の舞が披露される。死後の世界、魂の世界の平等性を説いて慰める詩文と舞踏。異国の警句とも同じ思想。舞師と楽師は、母と子の魂を救えるか?
(ファンタジー世界においての思想です)



【リバイバル神話】悠凛さん/

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【掌編】Drum 'n' Bass

【掌編】Drum 'n' Bass

「普遍的価値のある事象だけに意味があるだなんて、随分と陳腐な考えだね。別に、それが悪いとはいわない。ただ、神が何ゆえ、僕らに『痛み』を与えたかについて考えたことはあるかい? それは、僕らが生きているということを、他ならぬ僕たち自身に忘れさせないためだ。もしも僕らの心身に痛みが存在しなければ、僕らにあらゆる執着は生まれなかっただろう。執着がなければ、生きることを容易く手放しただろう。そうさせないため

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〘お題de神話〙今、そこに在るものに

〘お題de神話〙今、そこに在るものに

 
 
 
「さて、今回のお題は“Grace”だ。ざっくり言えば“神の恵み”だな」
「Grace──ギリシア神話の女神カリスからローマ神話の女神グラティア、その英語読みだな。優美、上品などの意味もある」
「今、辞書見てただろ?」
「バレたか」
「では恩恵……神の恵みとは?」
「はい! 与えられし才能!」
「はい! 同じく美貌!」
「私利私欲に走ってない意見はないか?」
「さらりとスルーされたw」

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掌編 風の民

掌編 風の民

神話部お題 恩恵(グレイス)

風の民

カンザス。

農具を小屋にしまい、家路に就いた老人に声を掛けたのは同じ年頃の牧師だった。

「豊作だな、カレブ。黄金の麦畑とは良く言ったもんだ」

「相変わらずだな、エセ牧師めが」

牧師はニヤリと笑うと「コーヒーを淹れるところだ、寄っていけよ」と教会の隣にある自宅のポーチに向けて顎をしゃくった。

カレブはズボンの泥を気持ち程度払うと、しつらえてある椅子

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