無風帯

心を患った頭医者。休職を経て、現在週1勤務中。 明日の自分のため、どこかの誰かのために…

無風帯

心を患った頭医者。休職を経て、現在週1勤務中。 明日の自分のため、どこかの誰かのために、抑うつ(双極性障害ⅱ型)やC-PTSDと向き合う日々の景色を、ゆるゆると綴ります。

マガジン

  • 時間が動きはじめたのかもしれない

  • 時間が動きはじめるまでのはなし

    抑うつ状態から休職することになってからの話。 学んだ用語や、疾患・症状について、治療経過についての備忘録。

  • 元気がなくても生きていくハック

    抑うつ状態の日々を少しでも快適に乗り切っていくための覚え書。 ぐうたら手抜き生活の手引きでもあるかもしれない。

  • 時間が止まるまでのはなし

    複雑性PTSDと診断されるまでの、訳もなく苦しかった人生について。「訳」を知り、これからを見つけていくための内省。

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固定された記事

時間が止まる時

ある日突然、動けなくなった。 仕事から帰ってきて、コートを着たまま床に座り込んで。 そのまま膝を抱えて丸くなって、じっと一点を見つめて。 気づけばいつの間にか、朝…

無風帯
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書かなくても生きていけるということ

いつの間にか2ヶ月近く間が空いてしまいました。 元気にしてた? わたしは元気にしていたよ。 10月の半ばに、ひとつお話を書き上げて、 10月下旬にお引越しして、 そのあ…

無風帯
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自分のために費やすもの

引越したよ。 前回の記事を書いたのは、引越しが確定した少し後だったけれど、その後、無事引っ越しを終えました。 新しいおうちは、前のところとそんなにお家賃は変わら…

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書くことと奏でることと

前回から、気づけば1ヶ月以上が経過。 あの頃は、薬が少し減って、低空飛行でヨロヨロしていた頃だった様子。 その後、治療の方はどうなったかというと、結局薬を少し増や…

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風が吹く

前回の記事を見てみたら、ちょうど1ヶ月前の22日。 減らした薬を元に戻したところだったみたい。 あれからまた、少しだけ薬を減らして、調子はというと、やや低空飛行だけ…

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双極2型の普通は「うつ」

どうもこんにちは、生きてます。 更新、というか、noteを開くの自体がすっかり月一の行事になってしまっているな…… 薬を一剤減らしたら動けなくなったよ、というのが前…

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雨が降ると重力に負ける。

と言っている今日は雨は降っていないのだけれど、朝から重くのしかかる曇天にやられて、一日の半分以上を床に転がって過ごしていた。 眠かったわけじゃない。 ただ、起きて…

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躁な気分の泳ぎ方

久々に学会に行った。 オンライン参加でもよかったのだけれど、さほどの負担感なく行ける距離だったので、ちょっとだけ現地にも足を運んでみた。 老若男男男女(より、も…

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わたしに降り注ぐ光

去年の今頃は何をしていたのかな、と思ったら、お団子を食べていた。 この一年で、随分と色々なことが変わった。 一年前は思えば、毎日ほとんど何もできず、それでも何か…

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心を切り離すスイッチ

久々に、働いている。 といっても、基本的には週一回、半日だけの勤務なのだけれど、(今週、来週は代打が続くので2−3回)朝起きて、決まった時間までにどこかに行くとい…

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書いてみる

以前、お話を書いているという話をした。 この頃書いていた話は無事書き上がった。 書き上がって、ほんの出来心で、小説の添削講座に出してみた。 実は、最初に書いたお…

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ただ今日を過ごす。

もうすぐ一年経つんだなぁ、と思う。 立ち止まってから、一年。 立ち止まってからの自分を、noteに記録しはじめてから、一年。 最初の三ヶ月は、「三ヶ月経ってもまだこん…

無風帯
2年前
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最近調子乗ってたけど(というほど乗ってもなかったけど)、久々のフラッシュバックでちと食らってしまった。ぬーん。色々と因子が重なっていたとはいえ、こうやって撃沈してる自分がなんか悔しいなぁ。とりあえず寝れるだけふて寝しよう(HPもMPも寝て回復するタイプ)。

無風帯
2年前
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書くことと読むこと

最近また少し、読むことがしんどくなっている。 調子を崩した当初は、本を読むことは愚か、映像作品を見たり、ラジオを聴いたり、歌声や音の多い音楽を聴いたりすることも辛…

無風帯
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復職することになったよ

正式に、春ごろから復職することが決まりました。 まずは週1回、午前中のみの外来派遣。 自分の専門領域の診療業務なので、気持ちはかなり楽です。 年度が改まってからは他…

無風帯
2年前
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病気のこと、帰宅前に何とか親に話せた……上手いこと説明できて、平和裡に納得してもらえてよかった。複雑性PTSDについては当然言ってないので、生育環境が環境因になっているとは夢にも思わぬ様子で、内心「助かった〜」と安堵。
今日は疲れたからシャワー浴びてさっさと寝よう。

無風帯
2年前
6

時間が止まる時

ある日突然、動けなくなった。
仕事から帰ってきて、コートを着たまま床に座り込んで。
そのまま膝を抱えて丸くなって、じっと一点を見つめて。
気づけばいつの間にか、朝になっていた。

感覚は遠くて、まるで他人事みたいに切迫感はないまま。
それでも頭の片隅の冷静な部分は「これって割とマズい感じ?」と囁いていて。
うーん、困ったなぁ、と呟きながら、スマホで友人にごく短いメッセージを送って。

そこからまぁ

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書かなくても生きていけるということ

書かなくても生きていけるということ

いつの間にか2ヶ月近く間が空いてしまいました。
元気にしてた?
わたしは元気にしていたよ。

10月の半ばに、ひとつお話を書き上げて、
10月下旬にお引越しして、
そのあとはせっせと巣作りに励んで、
11月半ばからまたお話を書きはじめるまでの間。
ひさしぶりに、なーんにも書いていない時期がありました。

お話はもちろん、note も日記も、
“ブレイン・ダンプ”と呼ばれるような頭のごちゃごちゃを吐

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自分のために費やすもの

自分のために費やすもの

引越したよ。

前回の記事を書いたのは、引越しが確定した少し後だったけれど、その後、無事引っ越しを終えました。
新しいおうちは、前のところとそんなにお家賃は変わらないけれど、ずっと新しくて広くて綺麗なところ。

例えば、キッチンのコンロが二口で作業台も少し広くなったこととか。
お風呂がちゃんとしたセパレートで、給湯機能がついていることとか。
トイレの便座がひんやりしていないこととか。
居室が広々し

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書くことと奏でることと

書くことと奏でることと

前回から、気づけば1ヶ月以上が経過。
あの頃は、薬が少し減って、低空飛行でヨロヨロしていた頃だった様子。

その後、治療の方はどうなったかというと、結局薬を少し増やして、そこで落ち着いた。
減量前からすると、1mg減したのみ。
ちょっと残念だけど、これが今のわたしの維持量なのかな、と、しょんぼりしつつも納得しているところ。

で、ご無沙汰していた1ヶ月の間に何をしていたかというと、まぁ、色々としな

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風が吹く

風が吹く

前回の記事を見てみたら、ちょうど1ヶ月前の22日。
減らした薬を元に戻したところだったみたい。

あれからまた、少しだけ薬を減らして、調子はというと、やや低空飛行だけどまぁぼちぼち浮かんでいるよ。といった感じ。
薬は段階的に減らしていっている途中だけれど、次の外来では、減らすのは少し待ってもらうつもり。
今の低回転の状態にもう少し体を慣らして、あわよくばもう少し動けるようになってから、もう一段階減

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双極2型の普通は「うつ」

双極2型の普通は「うつ」

どうもこんにちは、生きてます。
更新、というか、noteを開くの自体がすっかり月一の行事になってしまっているな……

薬を一剤減らしたら動けなくなったよ、というのが前回の記事だった気がするけれど、あの後結局どうなったかというと、減らした薬を一旦元に戻しました。
で、そしたらまた動けるようになった。
なんともまぁ、わかりやすい。
とりあえずしばらくはこの量で継続してみて、落ち着いたところで今度は減量

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雨が降ると重力に負ける。

と言っている今日は雨は降っていないのだけれど、朝から重くのしかかる曇天にやられて、一日の半分以上を床に転がって過ごしていた。
眠かったわけじゃない。
ただ、起きて何かをする気力がなかった。
本を読んだり、Youtubeを見たり、Twitterを眺めるのも無理。
トイレに行くことすらひどく億劫で、やる気と膀胱のせめぎ合いを俯瞰したり(ビロウな話で申し訳)。
食事を摂るのももちろん面倒で、しかしせめて

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躁な気分の泳ぎ方

躁な気分の泳ぎ方

久々に学会に行った。
オンライン参加でもよかったのだけれど、さほどの負担感なく行ける距離だったので、ちょっとだけ現地にも足を運んでみた。

老若男男男女(より、もそっと男の人が多いくらいの男女比)、いろんな人が集まった大きな会場で、講演を聞き、議論を交わす時間。
元々大して好きなわけではないけれど、しばらく振りに参加してみると、やっぱり勉強になるし、ちょっとお祭り感あるし、なんのかんので楽しいんだ

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わたしに降り注ぐ光

わたしに降り注ぐ光

去年の今頃は何をしていたのかな、と思ったら、お団子を食べていた。

この一年で、随分と色々なことが変わった。
一年前は思えば、毎日ほとんど何もできず、それでも何かを残したくて、毎日のように note を書いていた。
そんな日々から季節が一巡りして、今年の春は少しだけ、明るい気持ちで迎えられている気がする。

もちろん去年だって、春の光はやわらかくて、暖かくて、それを浴びることはなんだか悲しいような

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心を切り離すスイッチ

心を切り離すスイッチ

久々に、働いている。
といっても、基本的には週一回、半日だけの勤務なのだけれど、(今週、来週は代打が続くので2−3回)朝起きて、決まった時間までにどこかに行くということがひさしぶりで、初日はそれだけでちょっとドキドキした。

いざ働きはじめてみれば、なんてことはない。
体と頭は勝手に動くもので、拍子抜けするほど呆気なく初日を終えた。
「先生くらいの経験があれば、自転車に乗るようなもんですね」
と言

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書いてみる

書いてみる

以前、お話を書いているという話をした。

この頃書いていた話は無事書き上がった。
書き上がって、ほんの出来心で、小説の添削講座に出してみた。

実は、最初に書いたお話を、「読みたい読みたい」と言ってくれた友達に原稿を送ったところ、割と真面目なトーンで、「本気でプロを目指してみたら?」「公募には出さないの?」と言われ。

編集者をしている人間がそう言うなら、箸にも棒にもまるきり引っかからないという訳

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ただ今日を過ごす。

ただ今日を過ごす。

もうすぐ一年経つんだなぁ、と思う。
立ち止まってから、一年。
立ち止まってからの自分を、noteに記録しはじめてから、一年。

最初の三ヶ月は、「三ヶ月経ってもまだこんなに低空飛行なのか」と驚いた。
半年経った頃には、「だいぶ元気になったぞ」と思った。
でも、今から振り返ると全然だった。
そろそろ一年が経過するいま、「だいぶ元気になったぞ!」「なんやったら調子を崩す前よりも元気だぞ!」と思っている

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最近調子乗ってたけど(というほど乗ってもなかったけど)、久々のフラッシュバックでちと食らってしまった。ぬーん。色々と因子が重なっていたとはいえ、こうやって撃沈してる自分がなんか悔しいなぁ。とりあえず寝れるだけふて寝しよう(HPもMPも寝て回復するタイプ)。

書くことと読むこと

書くことと読むこと

最近また少し、読むことがしんどくなっている。
調子を崩した当初は、本を読むことは愚か、映像作品を見たり、ラジオを聴いたり、歌声や音の多い音楽を聴いたりすることも辛くて、
かといって生身のままでも、町中や日常の中に満ちる騒音の一々が心に刺さってきて、
だから、ノイズキャンセリング・イヤホンでずーっと同じミニマムミュージックやホワイトノイズを聞いていたりした。

あの頃、ほとんど何を受け取ることもしん

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復職することになったよ

復職することになったよ

正式に、春ごろから復職することが決まりました。
まずは週1回、午前中のみの外来派遣。
自分の専門領域の診療業務なので、気持ちはかなり楽です。
年度が改まってからは他のところにも追加でお手伝いに行くことになるかもしれないけれど、まぁたぶん、仕事は大きな負担にはならないかな。
わたしが精神を削られたのは、研究室とのミスマッチだったので。

それまでの期間は、忘れていることを確認するために教科書を読み返

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病気のこと、帰宅前に何とか親に話せた……上手いこと説明できて、平和裡に納得してもらえてよかった。複雑性PTSDについては当然言ってないので、生育環境が環境因になっているとは夢にも思わぬ様子で、内心「助かった〜」と安堵。
今日は疲れたからシャワー浴びてさっさと寝よう。