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Seiji Lakefield
2024年10月2日 00:25
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜「今どうしてる?」声にならないつぶやきが君が居なくなったあとの胸の余白に響いている__・・・・春に出会ったころ華やかな花風をまとうローズの香水をつけていた真夏の恋に堕ちて爽やかなシトラスの薫りの清冽で甘酸っぱい笑顔を見せる君と会うたびに香水の胸のすくような薫りに心は満たされていった__最後に君と会ってか
2024年5月22日 03:53
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜傘も差さずに冷たい通り雨にそぼ濡れて飛沫くアスファルトの上で立ち尽くしている君を見た僕らの生きている時代は夢を灯しても暗く黒い風にかき消され時に踏み付けられる帰りたい場所は何処にある__生きていくことに心は迷いながら揺れている"優しさ"を目にすることは出来ないけれど温かさを感じられるならこゝろの奥深くにしまった
2024年5月16日 00:25
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜記憶の海の底深く過去から来た波が静かに寄せて無数の砂の粒が時間を刻んでいる遠くに帆を張る船を夜空に燦ざめく星々が導き光の航路を描いている人は皆__愛と喜び 悲しみと別れを繰り返し潮騒のように心に打ち寄せてすべては交差していくずっと思い出せないでいた記憶の海の奥底深くへとこの手を伸ばしても未だに君に届かないでいる〜
2024年1月19日 01:42
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜一風変わり者の少年が居た世俗から四方八方を少なくとも十里ほど離れて孤立していたこの現実の夥しい絶望が渦巻いた世界を眺めるたび心を失ってしまうのだと云ふゆえに少年は上瞼と涙袋を頑なに縫い合わせているその胸に秘めた純真な色彩を護るため心の周囲に城砦を築き鉄条網を張り巡らせてこの世の魑魅魍魎から遮断しているある朝__少年
2023年12月28日 01:25
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜あの時__俺が必要としていたのは彼女よりも自分自身だった理由なんてない俺は彼女と一緒にいたいだけだった多分__彼女は気付いていたんだろうか?俺自身の自制心のなさに嫌気が差す彼女はいつだって優しく振る舞っているように見えた実際に彼女はいつもそうしていたのを思い出す彼女に胸の内を見透かされるところまで俺は来てしまって
2023年12月21日 02:12
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜ほんの少し唇を噛んで細い指先で洗い髪を梳かすほんのりと石鹸の匂いが香り立つ凛とした仕草の君曇りガラスの窓の外は冬化粧幾重もの美しい結晶たちが燦ざめく触れてはならぬ恋に堕ちて淡い夢のつづきを確かめたくて「今度はいつ会えるの?」と、呟く君の横顔がふと垣間見せる寂しさに翳る一緒に居ると何かが変わるそぞろに想
2023年11月25日 21:24
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜きみとふたりで珈琲を__洒落た小物を窓に飾りドライフラワーに彩られた店内に焙煎の香りが華やぐ小さなカフェテラスに立ち寄る淹れたての珈琲を口に含むと鼻腔を駈けぬける胸をすくような珈琲の香り微かに果実のような甘みが解けきりりと立つ"ほろ苦さが好き"ときみは呟いたカフェテラスに映った暮れゆく空のグラデーション静かに流れる
2023年10月25日 03:21
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜秋の訪れに輝き続けた夏の日は過ぎて時の流れがほんの少しだけ急いて流れているような気がした生きゆく人々の出逢いと別れ秋が深まるにつれ斜に射す寂光が殊更に孤独の影を伸ばす哀しみが想い出に変わるまでに枯葉はただ静かに寄り添うようにさよならの色を染めている"時は巻き戻せない"枯葉は諭すように風と共に想い出を連れ去ってゆく
2023年5月28日 09:44
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜深夜に目覚める冷蔵庫の明かりが漏れている喉の渇きを潤そうと開けてみるそこに置かれていたのはきみと過ごした沢山の想い出たちの走馬灯ふとした瞬間我に返って空っぽの冷蔵庫に気付くそんなうたた寝の幻をみたんだきみが居なくなって目にするもの何もかも色褪せていくだけの日々その優しさを懐かしむもう姿をみることはなくもう手にも触れ
2023年4月21日 19:01
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜暗くなる前に__ふいに明かりが灯りはじめる天空にはあまねく陽光がまだ満たされているというのに750ルクスの感覚はボクはわからないけれどまだまだ明るい最中でキミだけが気付いていたんだ生きている世界のエントロピーが増大するが故の不条理に飲み込まれてしまわないように「真実を見失わないで」とキミが愛を灯していることに気付かな
2023年3月16日 08:57
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜それは突然だった__冷たい春の嵐が刹那に駈け抜けていった幾重もの淡い花びらたちがぼくの見つめる先に在るきみの姿を見失わせる恋は盲目のまゝ桜迷路をさまよってはきみの影を探していたその姿が見えなくてもそのささやきを感じその温もりが伝わるならそれだけでよかっただけどきみは風のように過ぎ去ってぼくはひとり桜はやがて散
2023年2月18日 11:43
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜アイラモルトを口に含む__強いピート香は荒々しくハイランドの身を刺すような潮風が体内を駈け抜けていった心が流れ着いた先にはおよそ晴やかとは云い難い曇天が広がる私の目の前には起伏に飛んだ草原と荒涼とした海が飛沫を上げ打ちつけているどこかしらこの光景は郷愁に似ているやがて深い酩酊の中で魂は解き放たれる孤独を愛しつゝ自分自身を省み
2022年11月12日 05:39
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜あの日__電話の向こう側で"わたしはだいじょうぶだから"と君のか細い声が震えていたさよならを言えないまゝもう三年が経つ秋の風が吹く頃かつて君と歩いた哲学の道にひとり訪れてみる ・・・・俺のポケットに君は手のひらを入れてくるのが好きだったそっと重ね合わせた手のひらの温もりふたりのこゝろはもみじの葉脈
2022年8月19日 08:20
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜ふたりをつなぐ目に見えないもの息をするのも苦しくて不安な想いが込み上げるただ答えを確かめたくて君の下へと向かう汽車に乗る踏み切りで待つ間紺碧の空を見上げていたやがて黄昏の雲間はアンニュイに琥珀色のため息に染めてゆく逢いたい__君を見失いたくないふたりを隔てる交差点君の下へと続く線路を駆け抜けてゆきたいのにた