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詩 「さよならの哲学」

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あの日__
電話の向こう側で
"わたしはだいじょうぶだから"
と君のか細い声が震えていた

さよならを言えないまゝ
もう三年が経つ

秋の風が吹く頃
かつて君と歩いた
哲学の道に
ひとり訪れてみる
 





俺のポケットに
君は手のひらを入れてくるのが
好きだった

そっと重ね合わせた
手のひらの温もり

ふたりのこゝろは
もみじの葉脈をつたうように
胸の高鳴りを感じられた






別れとは__
哀しみの哲学なのか
偲び そして忘れゆく

冷たい手をポケットに入れて
眼を閉じる
記憶の小径を訪れる小春日和

君を想へばいろづひて






 
さよなら いとしき人よ__

哲学の道


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