【日記】3月11日〜3月17日
3月11日
前夜の余韻が消えないまま、日常に生きる。
ラジオが14時46分を告げた。黙祷をする。
8年という月日が経っても尚変わらないことは沢山ある。
震災翌年の夏、父親は仙台へ単身赴任することになった。会社からの意向で定年退職を5年先送りにしてもらい、その最初の2年間は仙台支社のリーダーとして働いてほしい、という指令によるものだった。その指令が震災後の東北に単身赴任したいと思う人間が少なかったから、という事情だったのかは正直分からない。
とにかく、父親は仙台で一人暮らしを始めた。
2012年秋から翌年春までの間に3回ほど一人暮らしをする父親を訪ねて仙台を訪れることになった。その都度、新幹線から見える車窓の風景に言葉を失う瞬間が何度もあったことをよく覚えている。
父親が住んでいたのは仙台駅から15分ほどにある八乙女駅の近く。この駅は高架駅だったために震災直後はしばらく利用できなくなっていたという。
初めて訪れた時からぼくは仙台が大好きになったし、いつでも仙台はぼくを暖かく迎えてくれた。どの季節に訪れても美しく、それぞれに魅力的で、食べ物は美味しく、散歩するにはもってこいの緑に溢れた街。震災のあと、耐震問題で閉鎖されたビルはこの街が負った痛々しい傷跡だった。
もし、父親が仙台に行かなかったら、こんな気持ちを持つこともなかっただろう。
いつまでも仙台はぼくにとって特別で、まるで故郷のような場所。
震災から8年経ち、改めてそんなことを考えた。
3月12日
日常に生きる
穏やかな、極めて穏やかな日。
3月13日
朝、twitterで「ピエール瀧逮捕」のニュースを知る。
悪い夢を見ているような状態でテレビをつけると全てのニュース番組で報道されていて、どうか夢であってほしいと思った。
15歳の頃から19年ずっと電気グルーヴを聴いてきた。ライヴにも何回も行った。やんちゃな若者だった卓球や瀧が歳を重ねて深みのある顔立ちになりつつ、発言は変わらず最低、でも作る音楽は常に革新的で最高。そのカッコよさ。
様々な面で電気グルーヴの卓球や瀧には影響されてきたし、自分を形作る大切な要素の一つ。
今回の件は残念としか言えない。しかし、自分はこれまで通り電気グルーヴのファンのままだ。
夜、that's all folksりょうさんと猫まみれ太郎くんと会食。サイゼリヤにて。
才能に溢れた2人の会話は聞いているだけで楽しい。りょうさんから「韓国の渋谷系はハウスの要素が混ざってて面白い」と教わる。探してみよう。
4月20日がさらに楽しみになった夜。ありがとうございました。
3月14日
日常に生きる
twitterのTLを見て憤る。SSWおじさんの酷い粘着リプライが流れてきたからだ。
SSWおじさんは孤独である、という文章をどこかで読んで以来そういった方々に対しては何も感じないようにしてきたのだけど。
熱心なファンというのは良いけれど、明らかに異質なSSWおじさんにはアイドルの追っかけとは明らかに違う、深い闇と病的に蠢く何かがある。
自分も好きなアーティストさん達やファンの人達から煙たがれないようにしよう。もう遅いか。遅いかも…。
3月15日
日常に生きる
穏やかな金曜日。
3月16日
夜、カタカナのライヴを見に荻窪へ。
主催のバンドのメンバーさんはthat's all folksの旧友の方だそう。ものすごい偶然。
フロアでタイシンくんと話していたら「カタカナのライヴを全通している方ですよね?」と声をかけてもらう。いよいよ「カタカナ全通おじさん」というイメージが付いてきたか。思い返してみると2017年の春にタイシンくんが加入して以来、欠席したのは(加入直後のJAMフェススタジオライヴを含めて)4本くらいなんだから当たり前か。
さて、5日ぶりのカタカナライヴ。
「コンテンポラリー」〜「タイワ式」という冒頭の流れが意表をつく感じで凄く良かった。
ライヴではあまり演奏されない「メイテイ」が久しぶりに登場したのも良かったし、グイグイと引き込まれてしまう音像の力強さは最近さらに高まっているなあと感じる。
それはもともと4人が持っている高い演奏能力や優れた音楽性が色々な形で進化して、いつの間にかメンバー同士でそれぞれの良い部分をさらに深く出し合えるようになったからだろう。と、ぼくは思う。
バンド3組+DJという内容で一切の無駄がない素晴らしいイベントだった。幕間のDJも選曲や繋ぎが本当に良くて「音楽漬けになる」、まさにそんな感じの夜だった。帰り道に架線断線による大遅延に巻き込まれたのは全くの蛇足だったけれど。
3月17日
FILMREELのインストアライヴを見に渋谷へ。会場は某メガネショップ。着いてみると想像していた以上に立派な機材とLudwigのドラムセットが置かれていた。
久しぶりに見たFILMREELは以前よりもベースの赤川さんの歌うパートが増えていて、それが楽曲のイメージをさらにカラフルにしていた。いつだってFILMREELはカッコいい。そして淡く流麗な楽曲の世界観はいつまでも浸っていたくなるような不思議な魅力を放っている。
細野晴臣「Hochono House」を聴く。シンプルな音作りが楽曲の良さを浮き彫りにしている。「Hosono House」がみんなで一緒に演奏する快感をそのまま収めた作品だとすれば、「Hochono House」は楽曲自体と対話しながら71歳の細野さんが26歳の自分へ会いに行く作品と言える。とにかく素晴らしい作品です。
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