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俳句 まとめ記事 一覧

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俳句作品のまとめの記事を集めています
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#夏

現代語俳句への旅 32 ~おなじ時代を〜

現代語俳句への旅 32 ~おなじ時代を〜


「 おなじ時代を 」
~現代語俳句集~

都市のゆたかさ村のゆたかさ夏祭

ひとびとがうつくしいのは祭の夜

はるかさよいまじんせいの夕涼み

生きてふとたどりつくのが冷や奴

那智の滝天地のものということか

草笛よあしたへつづくじんるい史

飛びたっておもたい尻のこがね虫

ハンモックわかる地球の大きさが

ハンモック歳月というわすれもの

ダイバーとひとつになった海は夏

カクテルに沈んだ

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現代語俳句への旅 8

現代語俳句への旅 8

「大花火」
~現代語俳句集~

おおぞらは太初のままか蝉しぐれ

とおくへとみみを澄ませば蝉の国

島人らはためいている夏シャツよ

やわらかに日焼を洗いながす手よ

大ぞらをひとっ飛びして夏期休暇

おくじょうに出てより天地大夕焼

うでくんでかんがえるひと立秋か

ひとり行く花野いつしか夢のなか

赤とんぼどれも夕陽ののこり火か

かお上げて銀河のはてへ一人一人



大うちゅうにぽつんと家

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現代語俳句への旅 7

現代語俳句への旅 7


「ひるがえれ」
~現代語俳句集~

ゆかた着てこころ遠くにある人よ

すれちがう衣更えの香するひとと

ちんもくも言葉のひとつほたる籠

あかん坊はまるごといのち天花粉

選挙あとかみなり雨か梅雨明けか

かお上げてながい沈黙梅雨明ける

わらう子が世のまんなかにかき氷

おんならが平和にする世日傘ゆく

にっぽんがこころにひびく風鈴よ



おおぞらの果てのはてより蝉時雨

気高さのメロンが

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現代語俳句への旅 6

現代語俳句への旅 6


「 夜もにぎやか 」
~現代語俳句集~

夜ぞらには星飾りつけたなばた竹

にぎわってしずかなひと夜七夕竹

たましいがいとおしいひと夕涼み

たびびとにひろがる地球半ズボン

おおぞらをしずめる嶺よ蝉しぐれ

神鳴りと書いてますます恐ろしく

音がない地球に一人キャンプの火

かたりあうあの日この日よ時計草

手を打ってあるきあるくよ蚊一匹

うなぎ屋でとおす最後の最期まで



ふるさとが

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現代語俳句への旅 3

現代語俳句への旅 3

「 パリ祭 」
~現代語俳句集~

おおぞらをとおくきよめる風鈴よ

灯ともしてひとりの家はほたる籠

夕焼けてまるごと生きている地球

登山杖こころはすでにくものうえ

身ふるわす梅干しひとつちから玉

ひきがえる雲が流れてゆくだけか

かき氷きょうの大ぞら大うなばら



ひとくちでしずまるこの世かき氷

ひらくたびたびびと富士の絵扇よ

たましいをさきだてて行く炎昼よ

ランナーにみちまっ

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現代語俳句への旅 2

現代語俳句への旅 2


「 一 」
~現代語俳句集~

いちぞくとそらへだててぞ夕涼み

なつかしむおおゆうやけの空の奥

星のさいげつ人のさいげつ蛍とぶ

人類のまつえい一人キャンプの火

ひとり聴くきおくのはての風鈴屋

もてなす日おおきくひらく冷蔵庫

手にひらく白鳥いろのハンカチよ

むすめらがひらいていく世香水瓶



一人一人背負って行くか梅雨の空

傘さしておとふりしきる五月雨よ

ひた歩くこころの氷河

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現代語俳句への旅 1

現代語俳句への旅 1

「 銀閣 」
~現代語俳句集~

釣りびとが天地に一人すずしさよ

島びとは島そのものよゆうやけ空

満天の星のこどくよキャンプの火

静心ひとりそだてるキャンプの火

のれんかけて時ながれだす鰻屋よ

ひとびとのあせでまぶしい大阪か

かお上げて時がとまったままよ虹

君が住むひかりのせかいレモン水



富士見えるけしきもろとも夏料理

すずしさのまんなかにたつ銀閣か

見つづけてとおくなり

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