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現代語俳句への旅 7


「ひるがえれ」
~現代語俳句集~

ゆかた着てこころ遠くにある人よ

すれちがう衣更えの香するひとと

ちんもくも言葉のひとつほたる籠

あかん坊はまるごといのち天花粉

選挙あとかみなり雨か梅雨明けか

かお上げてながい沈黙梅雨明ける

わらう子が世のまんなかにかき氷

おんならが平和にする世日傘ゆく

にっぽんがこころにひびく風鈴よ

おおぞらの果てのはてより蝉時雨

気高さのメロンが一つあおあおと

昼休み金魚とともにゆらりゆらり

揺れながら出てゆくひとよ金魚店

遠くまでにぎやかとおくまで夜店

ひきがえるどっしり命そのものか

ひとりだけてんてこ舞いよ阿波踊

よさこいの踊子としてひるがえれ

よろこびもすべて花火のあとの空



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