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兄の命を奪った小碓命 運命の歯車が……景行天皇 其の九 神話は今も生きている ことの葉綴り五二一

天候順調で五穀豊穣を!明日「風日祈宮祭」

おはようございます。雨音がする中、今朝も「ことの葉綴り」に向かいます。湿気に30度超えの気温と、体力が必要ですね。
皆さん、お元気でお過ごしでしょうか?
酷暑に天候も変りやすい中、夏バテ、熱中症に気をつけたいですね。
明日八月四日は、伊勢の神宮の「風日祈祭(かざひのみさい)」です。
夏、農作物の成育期に、天候が順調で、風や雨の災害がおこることなく、五穀の稔りが豊かであるよう祈願するお祭りです。
風日祈宮は、内宮、皇大神宮の別宮で、宇治橋を渡り、五十鈴川の御手洗場を進み、第二の鳥居をくぐった少し先に右折して、島路川を風日祈宮橋で渡ったところにある、お宮です。

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風雨を司る級長津彦命(しなつひこのみこと)さま、級長戸辺命(しなべのみこと)さまがお祀りされています。こちらは、伊弉諾命(いざなぎのみこと)さまの御子神です。
鎌倉時代、蒙古襲来のおり、「神風が吹いた」のは、こちらと、外宮、「豊受大神宮」の「風宮」の神さまのご神威のおかげ、といわれます。

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そして、本日八月三日(火)の暦は、六曜は、昼の前後と正午が吉の「赤口(しゃっこう)」。十二直は、万物を建て生じる、ご神事に吉の「建(たつ」」。二十八宿は、薬の飲み始め、婚礼、開店、建築、移転に吉の「(び)」です。

と、今朝、noteを開いて、嬉しいお知らせを頂戴しました!
みなさん、ほんとうに、いつも、いつもありがとうございます!!
さて、今日も神話の物語に入ります。

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<「元伊勢編」マガジン追加しました>

「ことの葉綴り」は、神話の、「神さまも“失敗して成長した”」「“神話は今も生きている”」と、どこかユニークで魅力的な神さまごとの物語編と、ときおり綴る「エッセイ」編。
そして、最近まで綴っておりました、伊勢の神宮ができるまでの「元伊勢」編で、「マガジン」で分かれています。
今回、『元伊勢編』の新しいマガジンを追加しました。


「元伊勢」編、合計、187本
の記事となります。
伊勢のこと知りたい」と思われたときに、お時間あるときにまとめて順番にお読みいただければ幸いです。
みなさんのおかげで、続けております。
ほんとうにありがとうございます。

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「ねんごろに教え諭せ」

父である景行天皇(けいこうてんのう)から、お妃候補を横取りし、朝廷での、朝と夕の会食の儀礼にも一切顔を出さなくなった兄の大碓命(おほうすのみこと)について、こう言葉をかけられた小碓命(をうすのみこと)。

このとき十五歳、敬う父を、裏切りないがしろにしている兄の非礼を、ゆるすことができない、まじめでいちずな少年でした。
天皇の命を忠実に果たさなければ! 父上のために……

それから五日後。

大碓命は、朝にも夕の会食の儀礼にも、まだ顔を見せません。
しびれをきらした天皇は、息子の小碓命(をうすのみこと)にこう問いただしました。

そなたの兄は、まだいっこうに朝餉の儀にも出てこぬが……。
そなたは、ねんごろに教え諭したのか? それとも、まだ兄に教え諭してはいないのか?

小碓命(をうすのみこと)は、背を伸ばししっかりとこう答えます。

いえ、もうとっくに、ねんごろにお教えいたしました。

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小碓命の“教え諭し”……運命の歯車が

そうなのか? ではどのように教え諭したのだ?

「朝曙(あさけ)に厠(かはや)に入りしとき、待ち捕へて搤(つか)み批(ひし)ぎて、その枝を引き闕(か)きて、薦(こも)に裹(つつ)みて投げ棄(う)てつ」

こう、きっぱり話したのです。

これって? なになに? 小碓命は、なにをしたの? と、思いますよね。

“ねんごろに教え諭せ”を、父の「ていねいに話して聞かせて教え諭せ」という意味ではなく、もっと違う意味で、暴力的に“やっちゃいな的”“やってしまえという意図だと思った生真面目な少年は……。

明け方大碓命(おほうすのみこと)が、(かわや)へと入るのを待ち受けて捕まえました。兄をつかんで、打ちすえて、手足を折り、そして薦(こも)に包みこんだうえ、投げ捨てた……のでした。

あまりにも父を慕い、父のために何かしたい、認めてもらいたい。
愛されたい。大好きな父を裏切りのううとしている兄を、決して許すことはできない……その一心でした。ところが……。

息子の告白に驚愕した父である天皇でした。

な、な、なんと申した?! わ、わ、わたしは、大碓命(おほうすのみこと)の命を奪えとは、いっておらぬ!!! 

天皇の目は大きく見開き、そこには、目の前の美しい十五の息子、小碓命(をうすのみこと)への恐怖が生まれていました。。

小碓命(をうすのみこと)の一途さ、まじめさ、潔癖さ、父への想いが、まったく天皇の想いとは違う方向へと向かってしまい、小碓命(をうすのみこと)の運命の歯車も、予期せぬ方向へと動き出してしまったのです……。

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―次回へ
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