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音楽についてけっこう熱く語るエッセイ集のたぐい

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ポップ/ロック/ソウルについてけっこう熱く語るエッセイ集のたぐい
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#私の勝負曲

【ダンスミュージック史】EDMがダサいと思ってる人へ

【ダンスミュージック史】EDMがダサいと思ってる人へ

2010年代のEDMブームと2020年代のパンデミック。世界は狂乱の渦の中へと巻き込まれました。もう一度あのライブへ戻り、あの一体感を分かち合いたいですね。

そのために4つ打ち(Four on the floor)という軽視されがちなリズムの歴史と奥深さを改めて感じてもらい、「爆音でバカ騒ぎしたい奴らの音楽」という認識を覆していただければ嬉しいです。

まずは基礎知識の確認から

4分音符とは何

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ジブリの世界観な楽器ハンドパンって?作業用BGMにオススメなワケ

ジブリの世界観な楽器ハンドパンって?作業用BGMにオススメなワケ

ハンドパンは2001年に誕生した新時代の楽器で、ここ数年で日本でも注目度が高まっています。ジブリ映画のように文化が混ざりあい、森の静けさと温もりを感じさせる倍音豊かな音色は、世界中の人々を虜にしてきました。

2年待ちも?職人ハンドメイドで入手困難な楽器職人の手作りでハンドパンは作られ、緻密に計算・加工された3次元曲面の造形美が素晴らしいです。私はハンドパンの製作動画に圧倒されてハマりました。まず

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プリーチャーマン -テクノのフォーマットで黒人音楽の伝統を蘇らせた不世出の神曲-

プリーチャーマン -テクノのフォーマットで黒人音楽の伝統を蘇らせた不世出の神曲-

Green Velvetは1990年ごろから活躍しているテクノ/ハウス・プロデューサー。その彼が1993年にドロップしたのがこの曲。ドスの効いた四つ打ちの上に重ねられた、エヴァンジェリカルな牧師のスピーチが印象的な曲だ。Godの部分をHouseに置き換えて、比類ないハウス・アンセムとなっている。

この作品以前のグリーン・ヴェルヴェットは、シカゴ・ハウス界隈でも珍妙なビート愛好家でどこか斜に構えた

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ソウルを超えたソウル スティービー・ワンダーのLiving For The City

ソウルを超えたソウル スティービー・ワンダーのLiving For The City

おれ、全然分かってなかった。スティービー・ワンダーの偉大さを。

ホントそういう気持ちにさせられたのが、この曲!

当初は「なんだ、これっ!!??」っと得体のしれない魔物を掴んでしまった感覚。

スティービー・ワンダーによる名作インナービジョンズに収録のLiving For The City。

この曲は、リズムはロック王道の8ビート。シャウトもR&Bやブルース、ファンクノリじゃない。どっちかとい

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