#短編
『ちーちゃんとかれはさん』
丘の上のまん中に、白くて大きな建物がたっていました。
その中庭に、太っちょの木が一本はえていました。
太っちょの木がいいました。
「オラオラ! はっぱども!
さっさと光採りこんでエーヨー運ばんかい!
太陽はんかて、いつまでも
照ってるワケにはいかんのやで!
陽がくれてまうわ!」
はっぱをかけられた はっぱたちは
夏のあつい陽射しの中、汗をカキカキ働きました。
たくさんの光をエーヨーにかえては
カメレオンのための演劇【うたがわきしみさん宛て/オーダーメイド小説#01】
カーテンコールに紙吹雪なんて演出を、思いついたのは誰だろう。
視界のあちこちで翻る紙片を見ながら、僕は意外の感に打たれていた。
僕のアイディアではない。誰の差し金だろう。劇団員たちの顔を思い浮かべる。派手好きの「パンサー」? それとも気遣いの濃やかな「エボシ」? 千秋楽を記念してのサプライズだろうか。座長の僕を差し置いて、なかなか粋なことをしてくれる。
あれ? でも、今日の演目は何だったっ