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【オペレーション編①】仕込み (#22)

こんにちは。
神奈川県三崎でやっていた間借り飲食店『きむら』の店主です。

第22回の今回は【オペレーション編①】。
オペレーション編は全4回(第22回~第25回)です。

第22回:【オペレーション編①】仕込み
第23回:【オペレーション編②】営業
第24回:【オペレーション編③】洗い物
第25回:【オペレーション編④】店舗設計

オペレーション編はお店ごとに考えていかなければいけない点が非常に多いので参考程度にご覧頂ければ幸いです。

では、part①の今回は仕込みについて。
時間をかけずにより効率的な仕込みにするべく意識していた点を箇条書きにしていきたいと思います。


オペレーション編① 仕込み

▽仕込みについては順序付けの方法など以下の記事でも触れていますので度参考下さい。


オペレーション改善のメリット

▶技術ではなく、仕込みの順序決めなどのオペレーション面での効率化は即効性が高く、どの店でもすぐに導入できることが多いです。

▶包丁技術など単なる作業のスピードを上げることも効果的ではありますが、華々しい修行経験があるわけでもない僕は“仕込みの順序”を効率的にするといった技術以外の点での効率化を図ることに重きを置いておりました。仕込みの順序以外にも、モノの配置や機械でできる仕込みは機械に任せるといったことなど、技術面ではなくオペレーション面で効率化できることは非常に多くあります。

▶そして、技術的なことは身につけるのに時間がかかる傾向にありますが、こうしたオペレーション面での効率化は人や店が変わってもすぐに導入できることが多いのが利点のように思います。


【オペレーション工夫点】

①機械に任せられるところは極力機械に。

▶『きむら』の仕込みではスライサー、ミキサー、フードプロセッサー、シャトルシェフ(魔法瓶機能の鍋。低温調理や煮込む系の料理に使える)などの調理器具をフル活用していました。
機械でやっても手作業とある程度同じ結果を生むのであれば、率先して機械を使っていました。手作業には職人っぽさを感じますし繊細な違いがでてくるのかもしれまんが、僕自身はそこにはあまりこだわっていませんでした。


②できるだけ同じ作業はまとめて行う。

▶例えば、ハンバーグを10個作るとき、10個まとめて味をつけ、10個まとめて成形し、10個まとめて焼く、というのも同じ話です。1つずつグラムを測って、1つずつ味をつけて、焼くのも1つずつやる人はいないでしょう。
このように、同じ作業ごとにまとめて一気に行って効率化を図ることは、飲食業以外にも多くの仕事に共通して言えます。実際に工場の生産現場ではこのような考え方が主流かと思います。


③調理器具などモノの配置の決め方は、使用頻度で決める。

▶整理術とも言えそうですが、モノを置く位置の決め方は使用頻度の高いものほど見える位置(表)に、使用頻度の低いものほど棚などの奥(裏)に、ということを基準にしておりました。

▶言われてみれば当たり前なのですが、意外にできていないことが多いように思います。1ヶ月に数回しか補充しないはずの調味料ストックや調理器具が目に見えるところに置いてあるのは飲食店あるあるのように思います。
食材でも器でもグラスでも、モノの場所を考えるときに一番大事な基準は使用頻度だと個人的には感じています。

▶また、飲食業(どの仕事でも似たようなことがいえそうですが)においては、この”モノの位置を基準に沿って適切に決める“というのは作業を効率よくかつきれいに進めるためには非常に重要です。
より良いモノの配置については「この配置で完成」というものではなく、常に考え続け配置換えを試しながら仕事を進めていくのが良いと思います。


④収納スペースは必ず余白を空けておく。

▶ついついスペースにモノを収納する際ぴったりに埋めてしまいがちですが、基本的にはあえて余白のスペースをどの収納スペースでも設けておいた方が良いように思います。
モノごとにいくら収納場所を定めておいても、その分類に当てはまらないものや余分に発注したもの、一瞬だけ置いておきたいものなどが出てくるので、そういったことへの対応が楽になります。冷蔵庫内も同じです。


⑤ササッと洗えるものはすぐに洗う。

▶意外と重要。ちょっと使ったボウルなどササッと洗えるものは使い終えた直後に洗って水切りしておくことを意識していました。
洗い物が溜まってくると、それほど汚れていないボウルなどに油汚れが移って余計に洗う手間が増えることが多いです。
小さいことですが、洗い物が溜まるストレスも軽減されるため、日々の仕込みの中では意外に大切なことのように思います。


⑥タッパの形はサイズ別に3種類くらいに統一。

▶種類が多すぎると蓋を探す手間などが毎日何度もかかることになります。小さいことですが、こういったことの積み重ねが効率化や普段のストレスの軽減につながるように思います。
飲食店ではこういった小さいことが非常に多いので、それを一つずつ考えながら調整していくのは決して損にはならないように感じます。

▶また、間借りでは仕込んだ食材をタッパに入れて移動させるため、クーラーボックスに入れる上での輸送効率という点でもタッパのサイズの種類は少なくするのが良いです。
種類が多いとそれぞれ形が違うため規則正しく収納することが出来ません。


⑦複数人で働く場合、冷蔵庫の扉に収納場所の配置図を貼っておくなどするのも良い。

▶従業員の数が増えれば増えるほど、同じものでも収納位置が人によって少しずつずれるケースが多くなります。
小さいことですが毎回の探す時間をできるだけ削り、ストレスなく仕事を進める上で収納場所を図解するような紙を扉に貼っておくのも効果的です。特にチェーン店ではそういった工夫がされている店が多かった印象です。


今回はここまでです。

次回は営業でのオペレーションについてです。
1人で営業を回す上で僕が意識していたオペレーションについてご紹介したいと思います。

では次回もよろしくお願いします。



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