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JW655 熊襲対策協議会 

【景行征西編】エピソード26 熊襲対策協議会


第十二代天皇、景行けいこう天皇てんのう御世みよ

西暦82年、皇紀こうき742年(景行天皇12)11月。

景行天皇こと、大足彦忍代別尊おおたらしひこおしろわけ・のみこと(以下、シロ)の一行は、高屋宮たかや・のみやを建設した。

ここは、宮崎県宮崎市みやざきし

筑紫行幸参加者名簿
地図(宮崎県宮崎市)

そして、一行は、12月5日、高屋宮たかや・のみやにて、熊襲くまそ対策協議会を開いたのであった。 

ナッカ「ちょっとってくださいよ! 高屋宮たかや・のみやって、諸説しょせつりでしたよね? なんで、宮崎市みやざきしっていう、曖昧あいまいな表現になってるんすか?」 

シロ「諸説有りだったからじゃ。」 

ナッカ「えっ?」 

シロ「どちらとも言えぬので、宮崎市みやざきし県庁けんちょうに滞在していることとなった。」 

ナッカ「は?」 

タケ「とにかく、熊襲くまそ如何いかにすべきか・・・が肝要かんようぞ。」 

シロ「はい。して、われは、襲国そのくにに、二人のかしらがいるとおよんでおる。厚鹿文あつかや迮鹿文さかやという男じゃ。」 

やぁちゃん「これよりのちは、厚鹿文あつかやを『あっくん』と呼びまする。」 

影媛かげひめ「そして、迮鹿文さかやは『さかお』と呼びまする。」 

シロ「うむ。して、この二人には、ともがらが多く、これを熊襲くまそ八十やそ梟帥たけると呼んでおる。」 

いっくん「八十人、るわけやないで。仰山ぎょうさんるっちゅうことやで。」 

シロ「うむ。いきおいはさかんで、かなう者がおらぬ。人数が少なくては、ぞくほろぼすことは出来できまい。」 

もち「数で押し切るんやな?」 

シロ「いや、そうしたいのは、やまやまじゃが、多くのつわものを動かせば、おおみたからの害となる。なんとか、兵の力を借りず、この国をたいらぐことは出来できぬだろうか?」 

そのとき、一人の臣が進み出て言った。

この物語では「たっちゃん」ということにしたい。 

たっちゃん「大王おおきみ・・・。熊襲くまそ梟帥たけるには、二人の娘がおりまする。姉を市乾鹿文いちふかやもうし、妹を市鹿文いちかやもうしまする。」 

小左おひだり「これよりのちは、市乾鹿文いちふかやを『ふうか』と呼びまする。」 

夏花なつはな「そして、市鹿文いちかやを『カヤ』と呼びまする。」 

たっちゃん「して、二人とも、容姿ようし端正たんせいで、つようござりまする。たくさんの贈り物を贈り、大王おおきみそばにおしになれば、よろしゅうござる。そうして、熊襲くまそ梟帥たけるの動きをうかがわせ、不意ふいに攻めれば、つるぎやいばを血でけがさず、ぞくは、おのずとやぶれましょう。」 

シロ「良き考えなり。」 

こうして、贈り物作戦が実行された。

そして・・・。 

ふうか「おはつにおにかかりまする。『うち』が『ふうか』にござりまする。」 

カヤ「そして『あちし』が『カヤ』よ。」 

シロ「おお! 美しい! 美し過ぎる! 国中くんなか(奈良盆地)には、これほどの美人はらぬ・・・。」 

ふうか「ありがたき幸せ。」 

カヤ「う・・・うれしくなんて・・・いや、やっぱり、嬉しい!」 

どれだけのときようしたのか、具体的なことは書かれていないが、「シロ」は、二人を寵愛ちょうあいした。

すると・・・。 

シロ「『ふうか』・・・いとおしい『ふうか』よ・・・。」 

ふうか「嗚呼ああ・・・大王おおきみ・・・。熊襲くまそしたがわないこと、心配なさらないでくださりませ。」 

シロ「ん?」 

ふうか「『うち』に良いさくがござりまする。」 

シロ「良い策?」 

ふうか「『うち』に、一人か、二人のつわものしたがわせてくださりませ。」 

シロ「して、如何いかがするのじゃ?」 

ふうか「それは、ひ・み・つ・・・。」 

その翌日か、数日後、「シロ」は、よくわからぬまま、「ふうか」に兵士をしたがわせた。 

ふうか「では、一時いっときの、おいとまをいただきまする。」 

シロ「なに? われきてしもうたのか?」 

ふうか「そのようなこと、ませぬ。さとがえりするだけにござりまする。」 

シロ「そ・・・そうか。」 

兵士(は)「御安心くださりませ。われらが、いておりますれば・・・。」 

兵士(に)「左様さよう。」 

シロ「うむ。二人とも、たのんだぞ。」 

カヤ「姉上あねうえ・・・。お気を付けて・・・。」 

ふうか「ありがとう。『カヤ』。では、大王おおきみ・・・。ってまいりまする。」 

シロ「う・・・うむ。」 

「ふうか」の言う、良い策とは? 

次回につづく

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