記事一覧
『悲劇的なデザイン』
(ざっくりサマリー)
・デザインには、結果として人を死に追いやるほどの影響力を持つ。
・デザインはブランドの価値を大きく増加させることも減少させることもある。そのため、デザイナーはステークホルダーとデザインについて相互理解できるよう行動する責務を負う。
(マーカーをつけたところ)
作る技術が成熟するまでデザインは存在しない。デザインとはものづくり、あるいはプロセスをもっと高いレベルで考察するこ
『けっきょく、よはく。 余白を活かしたデザインレイアウトの本』
レイアウトデザインの指南書としては久々の佳作といえます。
ビフォアアフターの見開き対比で課題と解決策を解説する最近多いスタイルです。6ページでひとまとまりのセクションの終わりには、シーン別の書体と配色の選び方が3パターンずつ用意されていて、これだけでもその都度見返すレシピとして活用できます。
今どきだな、と思うのは、紹介されているフォントが全てAdobeのTypekitで提供されているだという
『貧血大国・日本 放置されてきた国民病の原因と対策 (光文社新書)』
(ざっくりサマリー)
・貧血は多くは直接死に至る病でもないため、対策が遅れており、日本政府の施策は極めて不十分。
・特に若い女性にとっては、貧血は社会活動のパフォーマンスや出産・育児に悪影響を及ぼすため行動変容が求められる。
(読んで欲しい人)
保健衛生業務に携わる非技術職の方。平易な文章で書かれていて1日あれば読めます。
(エッセイ)
本書の構成は、血液の機能や貧血のメカニズム、各ライフステ
『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』
(ざっくりサマリー)
・エピソード的な経済事象でも経済学的に分析解明をしうる
・既存企業にはアドバンテージがあるものの、既存事業との共喰いが発生するためイノベーターのジレンマが起こる
(読んで欲しい人)
大学生。近代的な学問の理論がどう現実社会に適応しうるのかを丁寧なプロセスを追って実感できるので学ぶモチベーションが上がります。経済学専攻(予定)または興味があるなら1年生でも読めます。それ以外の
『知ってるつもり 無知の科学』
(ざっくりサマリー)
・人は、多くの場合、個人の知識と外部の知識を混同して、実際よりも過剰に知識があると認識してしまう。
・知性は、個人の頭の中の知識や理解を指すのではなく、それと外部を結びつける力である。また、そのように脳を使うように進化してきた。
・コミュニティに知の共有の貢献をするということゆえに、公に発表することは価値がある。(時に称賛の対象となる)
(マーカーをつけたところ)
世界が
『学校選択制のデザイン―ゲーム理論アプローチ (叢書 制度を考える)』
ゲーム理論によるマーケットデザインの中でも、比較的成功して議論も活発であるマッチングのうち、学校選択制について論じた本です。
この本の特徴的で良い点は、ただの理論分析にとどまらず、制度の背景とその現状、理論分析、実証、適用(実行/提言)といった全方位について言及している点で、いわばマッチング理論の横の広がりではなく、学校選択制の縦の串刺しで本を構成しているということです。このような理論から適用ま
『空間の経験―身体から都市へ (ちくま学芸文庫)』
空間、場所、時間について、人がどう認知して評価しているかについて書かれた本です。分野としては地理学に当たるとのことですが、認知科学的アプローチによる文化人類学と考えるとしっくりきます。
よりトリッキーな表現をすると、空間の経験というアートを鑑賞するための『美の壺』的マニュアル、と言ってもよいでしょう。実際これによって生じるのは、無意識に経験する空間について意識的に空間を経験することに他ならず、著
『我々はどのような生き物なのか――ソフィア・レクチャーズ』
チョムスキーの言語学と政治社会思想について一冊の本で扱われています。途中まで、読んでいてその内容の価値のみを見出していましたが、最後の編訳者による解説を読むことで、このような本が刊行されて良かったな、と思いました。その内容の意義が見出されました。本の主部分は講義録であり、既に公にされたものですが、こうして本になって、私のようにその場にいなかった人にも時と場所を越えて届けられた、その届けるだけの意義
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