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二匹目の蝶

久々にキャリア理論について書いてみようと思います。

というのも、キャリアコンサルタントの国家試験後、あまりキャリア理論に関する勉強が出来ておらず、このままではヤバいという危機感が日に日に増してきたからです。

実技面接試験で求められるような傾聴の姿勢言葉遣い質問の仕方寄り添い方は、社会人として他人と接していれば、自然と磨かれるものですが、知識に関しては自ら磨かなければ衰えてしまいます

今の環境は、同じ資格を有している方や、資格の存在を認知されている方に囲まれているので、全く学びがないワケではありませんが、自分のための学びと、誰かに届ける学びでは求められるが違います。

ですから、今回は少しだけ、キャリア理論という分野について、読んで下さるあなたにもお付き合いただけたら幸いです。

キャリア理論は、就転職のみならず人生に悩んだ時の指標になる考えも多いので、今のあなたの悩みや迷いにも参考になるかもしれませんよ?

それではよろしくお願いします。

イラスト・男性・無限大・シンボル・ループ・ビジネスマン

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「カオス理論」

カオス」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

以下は「実用日本語表現辞典」からの引用文です。

カオス(英: chaos)またはケイオスとは、「混沌」を意味する英語である。無秩序で、さまざまな要素が入り乱れ、一貫性が見出せない、ごちゃごちゃした状況・様相を形容する表現として用いられることが多い。
昨今の日本語表現としては、いかにも雑然としていてまとまりのない様子や、およそ関係なさそうな要素が無作為に入り交じってるように見受けられる状況を指して「カオスだ」とか「カオス状態だ」という形で用いられることが多い。「混迷する」「混迷を極める」という意味で「カオスになる」という風に表現されることもある。

…少し分かりづらい表現も含まれていると思いますが、このまま「カオス理論」の説明まで紹介させてください。

カオス理論とは、ほんのわずかに初期条件が変わるだけで結果に大きな差が起こる現象、予想がつかないような複雑な現象を起こす微分方程式・力学系を扱う理論のことです。

(出典は下記サイトです。)

(;´・ω・)ムムム…難しい‼と思った方もいるかもしれませんので、これからキャリアという領域での「カオス理論」とはどういった理論なのかを、分かりやすく解説したいと思います。

イラスト・スポットライト・蝶・神秘的な

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バタフライ・エフェクト

先にキーワードの紐付けをしてしまいますが、上記で述べた「カオス理論」では、羽根を広げた蝶のような図式が、たびたび登場します。

無限大=∞」のシンボルマークを想像していただくと分かりやすいかもしれませんね。

もともと「カオス理論」は、気象学者のエドワード・ローレンツが提言した、「蝶がはばたく程度の非常に小さな撹乱でも遠くの場所の気象に影響を与えるか?」という問い掛けと、もしそれが正しければ、観測誤差を無くすことができない限り、正確な長期予測は根本的に困難になる、というモノ。

つまりは「ある出来事のわずかな初期の段階でのズレが、結果を大きく変化させる」…というニュアンスで、ここではOKです。

ちなみにですが、カオス理論バタフライ・エフェクトとなって登場しますが、この理論を蝶に例えて有名にさせたのは、ローレンツ本人ではなく、彼が登壇予定だったイベント主催者の発言だったと言われています。

結果として、この詩的な表現が大衆にウケて、カオス理論は知らなくても「ちょっとした蝶の羽ばたきが、遠くの土地で台風を起こす」といった格言めいた言葉が世間に広まったそうです。

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キャリア領域での「カオス理論」とは?

前置きが長くなってしまいましたが、「キャリア・カオス理論」とは、ここまで述べてきた要素をキャリアの領域に落とし込んだ理論となります。

蝶の羽ばたき」のような、わずかな選択の違いが将来のキャリアを大きく変化させる、という点で「カオス理論」という言葉が用いられているのです。

例えば、立身出世を目標に、大手への就職を希望していたが、就職活動が上手くいかず悩んでいたところを、とあるキャリアコンサルタントへの相談によって、新たな目標を掲げた結果、大手への就職とは別のルートから思いがけず立身出世したということもあり得るという話です。

つまり、「人生は必ずしも一本の道ではない」ということです。

他にも、希望した職種ではなかったが、働いてみたら天職と思えるようになったとか、反対にたった一つの嘘から顧客の信頼を失い、家庭環境まで失ってしまうこともあるでしょう。

人生とは、さまざまな要素が不規則に、無秩序に絡み合って構成されています。

ですからキャリア転機が訪れるたび「これはチャンスだ‼」と前向きに捉え、プラスの方向に将来の舵を切れるよう、この理論を相談者に伝えるケースもあったりします。

キャリア理論というのは「今のあなたの状態は、決してあなただけが原因ではない」というモノが多く、偶然性や周りの環境要因に着目しているので、心理学社会学といった要素もあったりするところが面白いと個人的には感じています。

イラスト・蝶・バナー・二匹のアゲハ

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二匹目の蝶

キャリア・カオス理論」は、画一的にキャリアを捉えるのではなく、私たち人間が、不確実な世界に存在している事実を受け止めキャリア偶然によって不規則に変化するという視点をもって、独自にキャリアを発展させることを推奨する理論です。

…ここからは私個人の考えですが、この理論はキャリアに悩む方にとって、自らを責めず前を向くための、云わば「過去は変えられないよね?」となだめすかしているという捉え方も出来ると思っています。

要するに「偶然によってキャリアが変化するのは理解したが、これからどうしたらいいですか?」という問いかけの答えにはならないということです。

悩みを抱える人にとって、話を聴いてもらい、寄り添ってもらったところで、将来の指標を丸投げされたら、それが新たな悩みになるのではないでしょうか?

そこで私が提案したいのが、将来に向けてのバタフライ・エフェクトの提示です。

キャリア・カオス理論」は、現在に至るまでの状態を示したものに過ぎません。

ですから、この理論を用いるのであれば、現在から将来に向けての状態をイメージしてもらう必要があると思うのです。

それが「二匹目の蝶」というワケです。

イラスト・蝶・審美的・カラフル・フラクタル

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例えばですが、会社という社会的コミュニティのみに属している方に、ご自身の興味のある分野の地域コミュニティへの参加を促すことで、会社というコミュニティでの立ち回りに変化が生じるかもしれません。

家庭に職場の悩みを持ち込みたくない方が、ご家族の協力を仰いだ結果、思わぬ解決策が生まれるかもしれません。

一般的に、コーチングにせよカウンセリングにせよ「答えは相談者の中にある」という考えが前提にあります。

しかし、キャリアコンサルタントコーチでありカウンセラーであると同時にコンサルタントです。

全ての答えを用意する必要はありませんが、方策の提案時、要所要所にヒントを散りばめることで相談者の達成感や自己肯定感を高めるご提案も可能な職業です。

職業人生設計において相談者に助言及び指導をするのが本質であって、傾聴や寄り添いといった所作のみにフォーカスをするのではなく、問題解決のために尽力する想いから派生する行動すべてが高い水準となるよう、日々の研鑽を忘れないようにしたいものです。

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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の投稿は以上です。

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