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くずのびんづめ

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旅行記。
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#旅行

BoN Voyage 🇧🇬🇬🇷

BoN Voyage 🇧🇬🇬🇷

居心地が良くて6日間も滞在したブルガリアはソフィアの最終夜、飛び込みで観戦した地元リーグの想像を遥かに超える盛り上がりに興奮覚めやらず、つい夜更かししてしまった。

バスターミナルまで歩いて10分の立地に宿をとっていたという油断もあるが、朝の便に乗るのにパッキングもせず寝てしまい、結局大慌てで宿を後にして、発車時刻7:30ぎりぎりの7:20にターミナルに到着。

結局毎度と同じくターミナル内の無数

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チンチャンチョン処女卒業🇮🇷

チンチャンチョン処女卒業🇮🇷

サッカー以外で大声を出したのは何年ぶりだろうか。

話やニュースを耳にする度にそんなの受け流せば良いのにと軽んじていたが、いざやられてみると感情的になってしまうものですね。

夕暮れ時。イラン、シラーズのカフェで一息ついていた折、向かいの席に5人の家族連れが。その中の10歳前後くらいのガキンチョが僕を見るなりチンチャンチョンと口にした。なにぶん生で聞くのが初めてなもので、最初はもしかしてと思って聞

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『ペニスJAPAN』~ジョージアの温泉で裸の心震わせて~

『ペニスJAPAN』~ジョージアの温泉で裸の心震わせて~

男子校をしっかりとこじらせていた中高校生時代。合コンという一大イベントでは必ずグループ魂の『ペニスJAPAN』を歌っていた。そうして女子をげんなりさせた帰り道、ダサ男たちは「結局女はラッドウィンプスなんすかね‼」なんて散々愚痴って盛り上がるのである。しかし、稀に現れるノリノリでぶち上げてくるJKには気後れして「いや、ちょっとあれは下品だわ、、」なんて言い出すのだから童貞男子は始末に負えない。

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第26話『振り返れば奴がいる』

第26話『振り返れば奴がいる』

今夜は日本食を食べに行こう。胃袋山根君。油ものもスパイスも苦手な僕にインド料理のハードルは高く、とにかく薄い味の優しいものを求めていた。

調べると、MEGU CAFÉという和食屋が有名なようだ。宿から徒歩40分程下流のところにあるようなので、ディナーをいただいた後で別のガートのプージャを味わおうと算段し、16時過ぎに宿を出た。

いつも通り最寄りのアッシーガートからガンガーに降り、河沿いを歩き始

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第25話『Leave me alone』

第25話『Leave me alone』

ガンガーの朝は早い。日の出とともに朝のプージャ(ヒンドゥーの礼拝儀式)が行われるからだ。昨晩のプージャで隣に座り色々と教えてくれたサーシ君が朝も一緒に行こうと誘ってくれたので、朝5時にアッシーガート(ガートとは河辺に設置された拠点広場で、ガンガーには84存在する。僕の宿にほど近いアッシーは上流の端に位置する)で待ち合わせをした。

ガンガーに朝日が昇る様は筆舌に難く、荘厳と言う他ない。朝のプージャ

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第0話『憂鬱』#日本

第0話『憂鬱』#日本

言葉とは不思議なもので、類似した意味を重ねた熟語である「憂鬱」の方が一文字の「鬱」よりいささかマイルドな印象を抱かせる。

ともかく、出国より4.5日程前から僕は恐ろしく憂鬱だった。昔から好んでいる表現を使えば「得体の知れない不吉な塊」に始終圧さえつけられていたと言ってもいい。

旅程はおろか、宿泊先の確保やパッキングすら手につかない。当初の出国予定がインフルエンザに罹って延期となり、出鼻を挫かれ

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