けい

日々の気持ちと読書日記。発信の練習中。 福祉畑で働いています。趣味はお酒と献血です。

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日々の気持ちと読書日記。発信の練習中。 福祉畑で働いています。趣味はお酒と献血です。

記事一覧

恋は落ちるもの。どうしようもない自分と向き合い、自分の限界を超えていくもの。江國香織『東京タワー』

恋をして、相手を傷つけちゃったかな、というアラサーの方に。 「そうですね。恋は”する”ものじゃなくて、”落ちる”ものだと言いますからね。相手も自分も傷つくことも…

けい
2年前
4

婦人科検診は苦しい。
自分が侵食される、自分の領域に土足で踏み込まれる感じが、いつまでも残って、自分が自分でなくなったような気がする。
自分が侵食される、自分が土足で踏みつけられる。
こういう気持ちは、きっと性別は関係ないのだろう。
この感覚を忘れずに覚えておこう、といつも思う。

けい
2年前
1

結婚は、人生で一番難しい契約だと思う。

会社の同僚から、2年前に退職した後輩が、結婚して、結婚相談所を立ち上げたという話を聞く。 そして、同僚同士の話をぼんやり聞きながら、思い浮かんだ言葉。 「結婚は、…

けい
2年前
4

花が咲かない余生を、自分を大事にして生きる。宮本輝『花の降る午後』

人生の「大変」は、世の中に本当にあふれるくらいたくさんある。 毎日、数え切れない人が「大変」に巻き込まれて、「大変」の中に生きている。尊敬する。 そして時々、「本…

けい
2年前
2

自分と向き合い、それぞれのつながり方で。でも確かにつながっていく。三浦しをん「風が強く吹いている」

運動は得意ではない。 こどものころから、決して機敏ではない自分を自覚していた。 でも、だからこそ、なのだろうか。 学生時代、果敢に運動部を選択したのは。 小学生の…

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2年前
8

川が隔てる別れと出逢い。吉本ばなな「ムーンライト・シャドウ」

どなたかに本を紹介する。 テーマに沿って、「どの本にしようかな?」とあれこれ考える。 他の方は、どんな本を紹介してくださるのかな?とわくわくする。 たぶんずっと心…

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3年前
5

大丈夫、ちゃんと血は止まる。言葉の力を信じて前を向く。

わりと真面目で。 わりと責任感が強くて。 人に頼むことがとても苦手だ。 働き始めてから、24時間の交代勤務が長かったので、自分のこの特性を意識することが少なかった。…

けい
3年前
3

手をつないでも、世界で一番この人が遠い。「恋人」に求めるもの。

わたしが「恋人」という関係に求めるのは何だろう? noteで見かけた一文。 うむうむ、これはとてもその人の価値観と人生観が出る、おもしろい問いだなぁ、と心に残る。 私…

けい
3年前
11

一冊の本は、世界につながる新しい扉

あなたの「人生を変えたこの一冊」と言えば? 思い浮かぶ本はいくつかある。 でも、思い浮かばなくても、私の人生を変えた本は、たくさんあると思う。 思い起こせば、い…

けい
3年前
9

履歴書は、物語る。

今よりずっと若かった学生時代は。 「履歴書の学歴でしか判断できないなんて、企業の人は、その人をちゃんと見る目がないってことだな。」と思っていた。 今振り返って、あ…

けい
3年前
6

「精一杯」の容量を増やす。

こどもの頃から。 働いて、自分の稼ぎでごはんを食べられるようになりたい。 自分の稼ぎでごはんを食べられることは、自由になることだ、と思っていた。 今、それは間違い…

けい
3年前
4

マイペースは大事。不穏は不穏を呼ぶ。

職場で。 私「ミファエルさんというユーチューバーさんがいるんですね。」 同僚「ユーチューブとか見ないんですか?」 私「うん。テレビも見ないし、ユーチューブも見ない…

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3年前
7

「死に向かって生きる」という実感を手にした1冊 ノルウェイの森

学校を卒業して初めての職場は、特別養護老人ホーム。 いわゆる老人ホームで、100人の高齢者が住み暮らしていた。 新卒者は必ず介護職からキャリアをスタートさせるのが、…

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3年前
9

甘え方を学ぶ読書日記2

「ダーリンは70歳」西原理恵子 2016年1月25日初版 株式会社小学館 「ダーリンは71歳」2017年1月24日初版 「ダーリンは72歳」2018年1月24日初…

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3年前
2

甘え方を学ぶ読書日記1

甘えるには「男心」を学ばねばならない、ということで。 「男心を理解する」「本」で検索をかけてみる。 長く読まれる本には、時代を超えた普遍的な何かがあるはず、と思っ…

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3年前
5

全力で甘え方を学ぶ日記

甘えるのが下手だ。 甘えることは負けだと思って生きてきたから。 でも最近、甘えるられる能力は生きる力だ、と痛感する。 たぶん、ひとりで生きねば、と思ったから。 「上…

けい
3年前
5
恋は落ちるもの。どうしようもない自分と向き合い、自分の限界を超えていくもの。江國香織『東京タワー』

恋は落ちるもの。どうしようもない自分と向き合い、自分の限界を超えていくもの。江國香織『東京タワー』

恋をして、相手を傷つけちゃったかな、というアラサーの方に。
「そうですね。恋は”する”ものじゃなくて、”落ちる”ものだと言いますからね。相手も自分も傷つくこともありますよね。」と言ったら。
「何それ!うける!」と笑われて、ちょっとショックを受ける。
そうか、江國香織さんの『東京タワー』って、そんなに昔だったか、と。

小説の出版は、2001年。
映画の公開は、2005年。
20年も前だったか。それ

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婦人科検診は苦しい。
自分が侵食される、自分の領域に土足で踏み込まれる感じが、いつまでも残って、自分が自分でなくなったような気がする。
自分が侵食される、自分が土足で踏みつけられる。
こういう気持ちは、きっと性別は関係ないのだろう。
この感覚を忘れずに覚えておこう、といつも思う。

結婚は、人生で一番難しい契約だと思う。

結婚は、人生で一番難しい契約だと思う。

会社の同僚から、2年前に退職した後輩が、結婚して、結婚相談所を立ち上げたという話を聞く。
そして、同僚同士の話をぼんやり聞きながら、思い浮かんだ言葉。
「結婚は、人生で一番難しい契約かもしれないなぁ。」

婚姻届が契約書だとしても、仕様書はないし、契約更新もない。
『部屋とワイシャツと私』の歌詞ではないけれど。
「飲み過ぎて帰っても、三日酔いまでは許す」とか。
「浮気をしたら家での食事に気をつけて

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花が咲かない余生を、自分を大事にして生きる。宮本輝『花の降る午後』

花が咲かない余生を、自分を大事にして生きる。宮本輝『花の降る午後』

人生の「大変」は、世の中に本当にあふれるくらいたくさんある。
毎日、数え切れない人が「大変」に巻き込まれて、「大変」の中に生きている。尊敬する。
そして時々、「本当に大変ですよね」と切なく思い、何もできないけれど、少しでも辛くないように、と願ったりする。願うだけしかできないから。

他の人の「大変」と比べて、自分の人生に起こった「大変」は、世の中にある「大変」ランキング(?)では、本当に最下位の最

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自分と向き合い、それぞれのつながり方で。でも確かにつながっていく。三浦しをん「風が強く吹いている」

自分と向き合い、それぞれのつながり方で。でも確かにつながっていく。三浦しをん「風が強く吹いている」

運動は得意ではない。
こどものころから、決して機敏ではない自分を自覚していた。
でも、だからこそ、なのだろうか。
学生時代、果敢に運動部を選択したのは。

小学生の時は、運動部を選んで、夏はミニバスケットボール、冬は陸上。
ゲーム中、ボールを持つと固まるため、試合は出られず。
100m走はいつもビリ。
中学生の時は、ソフトボール部。
びっくりするくらい球を取れず、球を打てず。万年補欠。
高校生の時

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川が隔てる別れと出逢い。吉本ばなな「ムーンライト・シャドウ」

川が隔てる別れと出逢い。吉本ばなな「ムーンライト・シャドウ」

どなたかに本を紹介する。
テーマに沿って、「どの本にしようかな?」とあれこれ考える。
他の方は、どんな本を紹介してくださるのかな?とわくわくする。
たぶんずっと心の中で、求めていたしあわせな時間。

あまりに長く、そんな時間を求めていたからだろうか。
最終的に紹介しようと思う本は、なぜか随分昔に読んだ本だったりする。

「ムーンライト・シャドウ」は「キッチン」に収録されている。
吉本ばななさんが、

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大丈夫、ちゃんと血は止まる。言葉の力を信じて前を向く。

大丈夫、ちゃんと血は止まる。言葉の力を信じて前を向く。

わりと真面目で。
わりと責任感が強くて。
人に頼むことがとても苦手だ。

働き始めてから、24時間の交代勤務が長かったので、自分のこの特性を意識することが少なかった。
介護の仕事は24時間365日。必然的にひとりで担うことはできないから。
誰かと協力せずには、仕事が成り立たないし、「頼む」も仕組みとしてできていたから、何とかやれた。

福祉の仕事とは言え、日中働く仕事になって、自身のこの特性が、も

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手をつないでも、世界で一番この人が遠い。「恋人」に求めるもの。

手をつないでも、世界で一番この人が遠い。「恋人」に求めるもの。

わたしが「恋人」という関係に求めるのは何だろう?

noteで見かけた一文。
うむうむ、これはとてもその人の価値観と人生観が出る、おもしろい問いだなぁ、と心に残る。
私が「好きなひと」「恋人」に求めるのは何だろう?

一緒にごはんを食べる?
それは確かに大事。
「好きなひと」と食べるごはんは、ひとりで食べるごはんより、数倍美味しくて楽しい。
でも、「好きなひと」は、恋人に限らない。
家族にも、友達

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一冊の本は、世界につながる新しい扉

一冊の本は、世界につながる新しい扉

あなたの「人生を変えたこの一冊」と言えば?

思い浮かぶ本はいくつかある。
でも、思い浮かばなくても、私の人生を変えた本は、たくさんあると思う。

思い起こせば、いつでも本はそばにあって、たくさんの本に囲まれると血が騒いだ。
まだ手に取ったことのない、読んだことのない本がいっぱいある!という事実に、わくわくして、どきどきして、胸がいっぱいになった。
大人になって、その興奮度合いは、さすがに低下した

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履歴書は、物語る。

履歴書は、物語る。

今よりずっと若かった学生時代は。
「履歴書の学歴でしか判断できないなんて、企業の人は、その人をちゃんと見る目がないってことだな。」と思っていた。
今振り返って、あまりの生意気ぶりにめまいがして、恥ずかしさで居たたまれなくなるけれど。
その頃の「目の前の人を、他の一切の情報なしに、自分で判断できることが正しい大人だ」と思っていた気持ちは、大事にしたいと今も思う。

でも、大人になって、学生時代には見

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「精一杯」の容量を増やす。

こどもの頃から。
働いて、自分の稼ぎでごはんを食べられるようになりたい。
自分の稼ぎでごはんを食べられることは、自由になることだ、と思っていた。

今、それは間違いでもないけど正しくもない、と思うけれど(自由になるために、稼ぐことが必須ではないと考える)。
こどもの頃願ったように、働けて、自分の稼ぎでごはんを食べられている。
そして、働くことで、少しだけれど、誰かの役に立てていると感じられて。

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マイペースは大事。不穏は不穏を呼ぶ。

マイペースは大事。不穏は不穏を呼ぶ。

職場で。
私「ミファエルさんというユーチューバーさんがいるんですね。」
同僚「ユーチューブとか見ないんですか?」
私「うん。テレビも見ないし、ユーチューブも見ないなぁ。」
同僚「えぇ!暇だなぁ、って思うことないんですか?」
私「あんまりないなぁ。たぶん人よりいろんなことに時間がかかるから、そんなに暇にならないんだと思います。」
同僚「あぁ、なんかわかる~。」

確かに、そんなに暇だと思う時間はない

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「死に向かって生きる」という実感を手にした1冊 ノルウェイの森

「死に向かって生きる」という実感を手にした1冊 ノルウェイの森

学校を卒業して初めての職場は、特別養護老人ホーム。
いわゆる老人ホームで、100人の高齢者が住み暮らしていた。
新卒者は必ず介護職からキャリアをスタートさせるのが、法人の方針だったので、24時間365日のシフト勤務で介護職として働き始めた。
「福祉」の勉強はしてきたが、「介護」の勉強はほぼしてこなかったので、あわあわ、右往左往しながら、一から高齢者、先輩、上司に教えてもらった。振り返って、色々な意

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甘え方を学ぶ読書日記2

甘え方を学ぶ読書日記2

「ダーリンは70歳」西原理恵子
2016年1月25日初版 株式会社小学館
「ダーリンは71歳」2017年1月24日初版
「ダーリンは72歳」2018年1月24日初版
「ダーリンは73歳」2019年1月27日初版

前の本が難しすぎたので、やわらかめを選択。
昔から、西原理恵子さんの作品が好きです。
人生を全力で生きて、自分を客観視して、笑いを忘れない姿勢に心惹かれるのだろうと思う。
そして、こちら

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甘え方を学ぶ読書日記1

甘え方を学ぶ読書日記1

甘えるには「男心」を学ばねばならない、ということで。
「男心を理解する」「本」で検索をかけてみる。
長く読まれる本には、時代を超えた普遍的な何かがあるはず、と思っているので、古い本を選択してみる。

「愛するということ 新訳版」 エーリッヒ・フロム著  鈴木晶訳
著者のエーリッヒ・フロム氏は1890年ドイツ生まれ。精神分析学を学び、1933年アメリカに渡り、帰化。1980年没。いわゆる「新フロイト

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全力で甘え方を学ぶ日記

全力で甘え方を学ぶ日記

甘えるのが下手だ。
甘えることは負けだと思って生きてきたから。
でも最近、甘えるられる能力は生きる力だ、と痛感する。
たぶん、ひとりで生きねば、と思ったから。
「上手に頼る」は「甘える」とイコールなのかもしれない、とほろ苦く思ったから。
でも、甘えることは負けだと、たぶんずっと思う自分だから。

そんなふうに思い始めた頃、「甘え下手の特徴」という記事をネットで読む。
驚くほど自分にあてはまり、愕然

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