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甘え方を学ぶ読書日記2

「ダーリンは70歳」西原理恵子
2016年1月25日初版 株式会社小学館
「ダーリンは71歳」2017年1月24日初版
「ダーリンは72歳」2018年1月24日初版
「ダーリンは73歳」2019年1月27日初版

前の本が難しすぎたので、やわらかめを選択。
昔から、西原理恵子さんの作品が好きです。
人生を全力で生きて、自分を客観視して、笑いを忘れない姿勢に心惹かれるのだろうと思う。
そして、こちらの作品。
50歳の西原理恵子さんと、70歳の高須克弥さんの恋愛漫画。
人はいくつになっても人を求め、人に惹かれ、人に支えられるのだと思うと、ちょっとしんどい気もするけれど、やっぱり励まされる。

求めても求めても、得られない。求めるものと現実が乖離していた昔。
年を経て、求めるものを100パーセント得ることは難しくても、すり合わせて、微調整して70パーセントが得られたなら、もうそれで充分なんじゃないか、と最近思う。

すり合わせと微調整、言葉は簡単だけれど、実際実行するのはとっても難しい。
この作品を読んで、「怒っても拗ねてもいいんだなぁ」となんだかびっくりして、「怒ることも拗ねることも、ひとつのすり合わせ方なのかもしれないなぁ」と思う。
相手が怒っていると、どうしていいのか分からなくてオロオロする。
「どうして怒ってるの?」を察することができなくて。
理由はわからないけれど「怒らせてしまったこと」に対して、ただただ謝って。でも許してもらえなくて。
察することができない自分を、怒らせてしまった自分を責めて。
自分にはわからない理由で怒っている相手が怖くなる。
そう、誰かの怒りは、自分の恐怖と結びついているから。
自分は怒っちゃいけない、相手を怖がらせてはいけない、と、たぶん無意識に思っている。

でも、怒り方も拗ね方も、自分が知らないだけで、上手なやり方があるのかもしれない。
怒ったり拗ねたりするのと同じくらい、一緒にいたい気持ちや一緒にいられて嬉しい気持ちを伝えられればいいのかもしれない。
あなたが大事、って言葉と行動で伝えられれば。怒りもまた、ひとつのコミュニケーションになるのかもしれない。
怒っている人は、自分に何かを伝えようとしているのだ、と考えれば、一歩引いて、読み取ろうとする余裕ができるかもしれない。

いくつになっても、誰かを求めるならば。
すり合わせて、微調整して、昔の自分より、少しだけでも上手に求められる自分でありたいと思う。