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マイペースは大事。不穏は不穏を呼ぶ。

職場で。
私「ミファエルさんというユーチューバーさんがいるんですね。」
同僚「ユーチューブとか見ないんですか?」
私「うん。テレビも見ないし、ユーチューブも見ないなぁ。」
同僚「えぇ!暇だなぁ、って思うことないんですか?」
私「あんまりないなぁ。たぶん人よりいろんなことに時間がかかるから、そんなに暇にならないんだと思います。」
同僚「あぁ、なんかわかる~。」

確かに、そんなに暇だと思う時間はない。
動き出すまでに時間がかかるし。
そんなに動きも早くない。
頭の回転も、ゆっくりで。
たくさん寝ないと動けないから、何かとすぐ寝ている。

でも、仕事では、それなりに「ちゃんとしてる」つもりだったから。
見破られていたか~と、ちょっとびっくりする。

その昔、介護の仕事をしている時は、私の「行動の遅さ」は、周りから見て、とてもわかりやすかっただろうと思う。
同じ時間で、他の職員さんと同じことをするだけで精一杯。まったく余裕はない。
少しずつ慣れてくれば、少しずつ早くはなるけれど、それでも求められるスピードとしては、最低限が精一杯。
他の人と比べて不甲斐なさに悲しくなるし、焦るし、何より介護される相手やそのご家族を待たせることが申し訳なかった。
でも、焦って急ぐと、ろくなことがなかった。
まず、失敗して余計な仕事が増える。
余計な仕事が増えれば、結果的により時間がかかる。
そして何より、人を不安な気持ちにしてしまう。

介護と医療の世界では「不穏」という用語がある。
「フオン?」と初めて聞いたときは変換できなかったけれど。今はしっくりくる用語。
専門的な用語としては、不十分で限定的な解説なのだけれど。
不穏の一因は「支援者のマイナス感情が、支援を受ける相手に伝わって、相手の気持ちを”ざわざわ”させる。」ことだと思っている。
自分が不安定な時は、不適切な表現だけれど夜勤も「荒れる」し、なんだか上手く運ばないなぁ、と思うことが多かった。
求められるスピードに追い付けるよう、努力を放棄してはいけないけれど、焦ってはいけない、といつも言い聞かせていた。
そして、その心がけと周りの方の尽力と運(これはとても重要)があったから、大きな事故なく仕事ができたと思っている。

焦る気持ちや不安やマイナスの感情って伝わるんだな、という素朴な体験は、今も自分のこころに刻まれている。
周りの人に比べて、いろんな点で、あんまり早くないから。
努力は怠らず。でも、焦らず、急がず、自分のペースを乱さないことが、何より一番大事。
相手を不安にさせないように、相手の安心を乱さないように。
介護の仕事を離れた今も、焦るたび、自分に言い聞かせる。