新規事業・スタートアップ フェーズ別おすすめ本77選
「新規事業開発担当になったのだけれど、どんな情報を参考にすればいいの?」
「スタートアップでの起業を考えているけれど、何から押さえればよいかわからない」
僕は現在、社会人や学生向けにワークショップを起点として新規事業をつくるための仕事をしています。すると冒頭の悩みを抱えている方に出会うことが多々あります。
かつて新規事業開発駆け出しの頃、書籍やWeb記事を手当たり次第に読む時期がありました。ホントにこれなのか?もっとど真ん中の情報はないのか?…と思いながら読んだ日々が、記事執筆の原体験となっています。
今回ご紹介するのは77冊。過去に実際に読んだ数百冊(100万円以上)から絞りに絞りました。
時間やお金やチームは有限。ムダな失敗を防ぐためにも、先人が積み重ねてきた叡智が詰まった書籍を活用して学び、咀嚼し、実践していきたいものです。
この記事が、同じ悩みを抱える方(そして、過去の自分)にとっての処方箋となれば幸いです。
この記事の使い方
Vision Design期までは無料、それ以降は有料記事(1,000円)です。ランチ1回分で、それ以上の価値を提供します。
ハズレ本を引いてしまうよりも、この書籍を参考に時短することをおススメします。
約30,000字あります。とっても長いので、ぜんぶ読む必要はありません。その時間があればまず手と体を動かして実践しましょう!
あなたの状況に合わせて適宜参照してくださいね。
新規事業開発/スタートアップの実践に向けて、12ステップで「ワナ」と「コツ」を解説したnoteを書いています。
▼新規事業開発「はじめの一歩」を踏み出す人へ。28,000字の無料note。
うう、こんなに大量の本なんて読めない…という方、安心してください。
ビジネス書の読み方にはコツがあります。ぜひこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
▼ビジネス書の読み方に悩む方に向けたnote。
▼自己紹介
本noteを取り上げて頂きました!
(2022/1/24追記)
個人事業主としてネットショップを始めるにあたり、必要な時間、届け出、事業計画、ツール類を調べたbokuha_mukuさんのnote。とっても分かりやすくまとまっています。
事業計画の作成ステップで新規事業・マーケティング・販売戦略を考えるにあたり本noteを参考にして頂きました。ありがとうございます!!
(2022/2/5追記)
続くStep2の記事でも参考にして頂きました!
(2022/1/27追記)
中小企業診断士の「おべんと君」から嬉しすぎる言葉を頂きました!!
もっとお役に立てる情報をがんばって発信していきます。
この場をお借りして、以下のみなさんに御礼申し上げます。
事業創造の流れに沿った分類
それではさっそく、いってみましょう!!
Vision Design期
noteマガジン①Vision Design期
イノベーションの原理原則に触れる
『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』
ピーター・ティール, ブレイク・マスターズ他 | 2014/9/25 | NHK出版
難易度 ☆☆
「隠れた真実」を見つけ出し、全く新しい、世界を変えるような企業を作ろう。PayPal創業者であり、テクノロジー系スタートアップ投資家のティール氏が説くのは、アントレプレナーの軸となる考え方。
直線的な成長曲線を描く「スモールビジネス」ではなく、指数関数的な成長曲線を描く「スタートアップ」を志向する起業家・新規事業開発者は必読です。
『イノベーションと企業家精神』
P.F.ドラッカー 、上田 淳生 | 2007/3/9 | ダイヤモンド社
難易度 ☆☆
イノベーションとは何か?企業家とは何か?…「マネジメントの父」ドラッカー先生は、その晩年にこうしたことに言及していました。
イノベーション7つの機会や企業家戦略は、様々な方法論の書籍の源流になっていると言えるような、磨き抜かれた概念が詰まっています。何度読んでも発見のある、スルメ本です。
『イノベーションのジレンマ』
クレイトン・クリステンセン, 玉田 俊平太他 | 2011/12/20 | 翔泳社
難易度 ☆☆☆
巨大企業は、なぜ新興企業の前に力を失うのか?…故クリステンセン教授がその理由を解き明かし、一大旋風を巻き起こした企業経営の理論。
イノベーションの類型として、従来製品の改良を進める「持続的イノベーション」と、従来製品の価値を破壊して全く新しい価値を生み出す「破壊的イノベーション」を対比しています。イノベーションの意義と栄枯盛衰を知るために是非。
『両利きの経営』
チャールズ・A. オライリー, マイケル・L. タッシュマン他 | 2019/2/15 | 東洋経済新報社
難易度 ☆☆
企業は既存事業の「深化」と新規事業の「探索」を両立する"両利き"の経営を目指すべき…と説き、クリステンセン教授の洞察を一歩進めた名作。
安定している大企業がサクセストラップに陥らないために新規事業が重視される背景を事例豊かに解き明かしており、イノベーションのジレンマと併せて読んでおきたい一冊です。
事業創造の全体像を押さえる
↓詳細はこちらでも紹介しています!
『起業の科学 スタートアップサイエンス』
田所 雅之 | 2017/11/2 | 日経BP
難易度 ☆☆
あなたの失敗の99%は潰せる…シリコンバレーのエッセンスを踏まえつつ、日本のアントレプレナー向けに事業創造プロセスを体系化した必読書。
なんといってもすごいのは、アイデア発想・検証~CPF~PSF~PMF達成までの全体像とステップごとの必要アクション・活用ツールの網羅性。ぜひ辞書として傍らに置いておき、各ステップで穴が開くほど実践しましょう。
『アントレプレナーの教科書』
スティーブン・G・ブランク , 堤孝志他 | 2016/1/15 | 翔泳社
難易度 ☆☆
外に出よ!と、ブランク先生は繰り返し言いました。シリコンバレー流事業創造プロセス「顧客開発モデル」を体系化した書籍。
顧客を軸に考えるニーズ深堀、ビジネスモデルの仮説検証、反復可能な営業ロードマップ構築など今なお色褪せません。なおブランク氏は『リーン・スタートアップ』エリック・リース氏の師匠でもあります。
『リーン・スタートアップ』
エリック・リース , 伊藤 穣一他 | 2012/4/12 | 日経BP
難易度 ☆☆
ムダを排除するリーンな考え方は、イノベーションに応用できる。顧客開発モデルとリーン生産方式を融合し、瞬く間に世界を席巻した名著。
MVP、構築-計測-学習のフィードバックループ、革新会計(スタートアップのための計測指標)、成長のエンジンといった概念は汎用性が非常に高く、スタートアップにとっての羅針盤になりました。
『Running Lean ―実践リーンスタートアップ』
アッシュ・マウリャ, 渡辺 千賀他 | 2012/12/21 | オライリージャパン
難易度 ☆☆
リソースを使い切る前に学び、実践せよ…リーン・スタートアップの考え方をさらに実践的なプロセスに当てはめた「THE LEAN SERIES」の一作目。
ソフトウェア開発を例にとったリーンキャンバスの活用法、顧客インタビューの種類と方法など、具体的でめちゃくちゃ参考になる実用書です。
Whyを見つけビジョンを形にする
『FIND YOUR WHY あなたとチームを強くするシンプルな方法』
サイモン・シネック, デイビッド・ミード他 | 2019/1/29
難易度 ☆
人が動かされる最大の原動力「Why(なぜ)」を起点にした、個人やチームの価値観・ビジョンを表出させるやり方。
Why(なぜ)→How(どうやって)→What(何を)の順番で伝える「ゴールデン・サークル」モデルはめちゃくちゃ汎用性が高く、事業づくりの根本でと役立ってくれるでしょう。チームビルディングにもおススメ。
『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』
佐宗 邦威 | 2019/3/7 | ダイヤモンド社
難易度 ☆☆
直感と論理?どうつながるの?…と思った人こそ、この本のペルソナです。
ロジカルシンキングの世界に生きてきた著者が、デザイン思考を経てビジョン思考(アート思考とも重なる概念)にたどり着き、「自分らしい思考」を取り戻すための方法論について著した書籍。
時代背景的な変遷を押さえたうえで、個人や組織の「ビジョン」をじっくり考えたい人におすすめです。
テクノロジーと社会の未来を考える
↓詳細はこちらでも紹介しています!
『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』
安宅和人 | 2020/2/20 | NewsPicksパブリッシング
難易度 ☆☆
日本人の必読書。データ×AIの可能性、日本の現状、求められる人材とスキル、未来を創る人を育てるための筋道…これほどまでにアタマと心が熱くさせられる一方で、冴えわたる本は滅多にありません。
未来を想像して、いまできること、まだやれることは何かを考え、実際に行動することの大事さを伝えてくれます。
『業界破壊企業 第二のGAFAを狙う革新者たち』
斉藤 徹 | 2020/5/19 | 光文社
難易度 ☆
独自のアイデアやテクノロジーで世界を席巻している新興企業はどんなもの?その強みのカギは?…に応える新書。
ハイライトは第6章(「ハッピーイノベーション」で不穏な時代を乗り越える)。スケールアップよりも、ワクワクや本質的な幸せを追求する「幸せ視点のイノベーション」を提唱。実践者として大いに影響をもらいました。
『アフターデジタル2 UXと自由』
藤井 保文 | 2020/7/23 | 日経BP
難易度 ☆☆
デジタルが隅々まで浸透した「アフターデジタル」社会の概論。
国内外の先進事例をもとにデジタル企業の「戦略」と、表面的に見えている取組みの奥にある「本質」、そして市場のルールチェンジについて迫っています。DXに関連した事業創造に携わる人は必ず読んでおきましょう。
『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』
ピーター・ディアマンディス, スティーブン・コトラー他 | 2020/12/24 | NewsPicksパブリッシング
難易度 ☆☆
テクノロジーは各業界でどのように重なり合い、繋がり合い、新しい産業や生活を生み出しつつあるのか?…この問いに答える書籍。
未来予測によくある悲観論に脅されず、かといって極端にユートピア的な楽観論にも踊らされないように、科学的根拠と具体的なビジネスモデルを示してくれているのが本書の最大の価値だと感じます。
CPF(Customer Problem Fit)期
noteマガジン②CPF期
顧客視点のデザイン思考を知る
↓詳細はこちらでも紹介しています!
『デザイン思考が世界を変える: イノベーションを導く新しい考え方』
ティム ブラウン、 千葉 敏生 | 2019/11/20 | 早川書房
難易度 ☆☆
デザイン思考の原理や手法を理解するのに役立つ「枠組み」を知りたい…という人に。デザインファームIDEOのCEOティム・ブラウン氏による2009年作(日本版は2014年)の2019年アップデート版。
いわゆるハウツー本ではありません。ちょっと難しいです。何度か実践してから戻ってくるのもよいでしょう。個人的には「有用性・経済的実現性・技術的実現性」の3つの輪。新規事業を考えるうえで、僕にとっても大いなる指針になっています。
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