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メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(491)-(495)
皆様、こんにちは。鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆
6月も今日で最後、明日からいよいよ7月!
...とはいえ、小生が住む地域はまだジメジメの梅雨☔️
例年だと7月下旬が梅雨明けなので、まだまだ先って感じがします😱
梅雨って小生がもっとも苦手とする季節...。
その理由は髪の毛が湿気を吸ってしまいモコモコ、ウネウネ...になるからです。
だから梅雨になると患者さんに、「先生髪型変えた?」とよく聞かれますが、変えたのではなく梅雨のせいで変わってしまうのです...😖
もうこうなったら勤務先にヘアドライアーもっていこうかしら...🤔
メタル君の「今日の精神医学豆知識!」は、X(旧: twitter)で毎朝8時にアップしております。
X(旧: twitter)民の皆様も、X(旧: twitter)では語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば本記事を是非お読みください!
【今日の精神医学豆知識集!(その99)】
491.精神科薬の中には内服期間中に車の運転をしてはいけない薬があるよ。お薬や病気の症状で運転に支障がある場合、自動車運転死傷処罰法により、死亡事故は懲役15年以下、傷害事故は12年以下の処罰を受けるよ。
【メタルのおまけ】
精神科薬等と運転に関わる法律は2014年に改正されたんだけど、当時の精神科医は困惑したよ。自分が診ている患者さんで「運転禁止」と記載される薬物を投与している患者さんには、"一応"運転しちゃダメと説明しないといけなくなったんだ。とはいえ、車が生活に欠かせない地域においては今でも悩ましい問題だね。
↓ちなみに運転禁止は自転車も含まれます!
492.昨日は自動車運転死傷処罰法と精神科の薬について説明したけど、実際に「薬の副作用で運転能力が低下した」という理由で処罰されるケースはほとんどないよ。でも添付文章に「運転禁止」とある薬剤を飲む時は、車の運転は控えた方が良いかもね。
【メタルのおまけ】
実際抗精神病薬を内服したせいで大事故にいたったケースは極めて稀だよ。それに他の国では内服=>運転禁止となることは少ないし、一律で禁止しちゃうのはどうなんだろうね...。ちなみに芸能人Tが睡眠薬を内服直後に車の運転をして事故を起こしたけど、これは同情の余地はないね(Tは自分は"てんかん"と嘘をついたらしいね)。
↓「禁止されるとやりたくなる」というのはカリギュラ効果といいますね🤔
493.精神科薬の添付書には"運転禁止"の場合「自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること」とあり、"運転注意”の場合「自動車の運転等危険を伴う機械の操作する際には十分注意させること」とあるよ(紛らわしいね?)。💊
【メタルのおまけ】
お薬の添付文章の表現はしばしばわかりにくことが多いね。はっきりと、「運転はダメ」と書けばいいんだけどそもそもそれぞれの薬と交通事故の因果関係はちゃんと証明していることはないよ。だって、薬と偽薬(プラセボ)をランダムに振り分けてどっちに交通事故が多いか...、なんて研究は倫理的にできないもんね。それに製薬会社自らが「運転ダメ」って添付文書に記載したら絶対その薬は売れなくなるから紛らわし書き方をしてるんじゃないかな...💊
↓添付文書の記載の違いは、間違い探しのように集中してやらないと…
494.抗うつ剤は三環系、四環系、NaSSA、フルボキサミン、トラゾドンを内服している場合は運転禁止だよ。一方、フルボキサミンを除くSSRI、SNRIは運転注意だよ。ただし、運転禁止については今後法律の改正で運転注意に代わる可能性もあるよ。
【メタルのおまけ】
正直言って、同じ抗うつ剤でこのような区別をしている根拠はよくわからないんだよね。副作用で何%以上で眠気が生じたら運転禁止...、という明確な基準ってあるのかな?(詳しい人教えて😅)特にSSRIの中でもフルボキサミンだけ禁止って、意味がわからないね。同じくSSRIのパロキセチンだって結構眠気がくるけど、運転禁止ではなく運転注意なんだよね...。
↓高速道路によく、これが置いてありますよね。
495.睡眠薬、ベンゾジアゼピン系薬剤、統合失調症に使用する薬のほとんどは"動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること"と記載されているよ。特に薬の飲み始めは副作用として眠気が出やすいから危険だよ😖
【メタルのおまけ】
とはいえ、これらの薬を内服して実際どのぐらい自動車運転に影響するかを十分調べる必要はあると思うよ。特に統合失調症の患者さんは内服は必須だけど、飲んでいる薬で眠くならない人も結構いるからね。精神科患者さんの運転が受け入れられるには、やっぱり自動運転の普及が必要かも?
↓これは自動運転ではなく、児童運転です!
【メタル君の考察】
今回は「精神科の薬と運転」に関してツイートしたよ!
冒頭でも説明したけど、精神科の薬と運転に関する法律が改正されてから10年近く経過したね。
この背景には精神障害者、とくにてんかん患者さんの自動車事故で若い人々の命が奪われたことがあるけど、一部の人間の過ちでその他の人々の生活が制限されるのはなんだか悲しいね。
一律で「薬を内服=運転禁止」という考えには日本精神神経学会も反対声明を出し、精神科医向けにはガイドラインを提示しているよ。
またドライブシュミレーターを用いた内服と運転能力に関する研究も増えてきたので、科学的エビデンスに基づき今後また法律が変わる可能性があると思うな。
これからもがガンガンとマニアックな精神医学ネタを提供するぞ!
↓暑くなると保冷ランチバッグが必要ですね!
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— 精神科医・鹿冶梟介(かやほうすけ) (@kayahosuke) March 22, 2022
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