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おすすめ本(2023年)

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2023年に紹介したおすすめ本をまとめています📚
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記事一覧

今回のおすすめ本 パウロ・コエーリョ『星の巡礼』

今回のおすすめ本 パウロ・コエーリョ『星の巡礼』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、パウロ・コエーリョ『星野巡礼』という本です!

 本作はスピリチュアル系の自伝的小説となっています。主人公はパウロ。キリスト教を信仰するRAM教団においてマスターという称号を授与する式が催され、パウロはそこに参加しています。RAMとは、R(リゴア=厳格)、A(アドレーション=敬愛)、M(マーシー=慈愛)のことです。パウロは最後の試練に失敗し、初めからや

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今回のおすすめ本 標野凪『本のない、絵本屋クッタラ おいしいスープ、置いてます。』

今回のおすすめ本 標野凪『本のない、絵本屋クッタラ おいしいスープ、置いてます。』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、標野凪『本のない、絵本屋クッタラ おいしいスープ、置いてます。』という本です!

 本作の主人公は北海道札幌市に『絵本屋クッタラ』を営む店主「広田奏」と友人の「八木」。このお店のコンセプトは「本を置かない本屋」で、お客に合わせて絵本を見繕います。彼らのもとには日常生活で悩みを抱えたお客が訪れていき、奏はお客の要望に合う絵本を選んでいくのでした。

お月

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今回のおすすめ本 標野凪『こんな日は喫茶ドードーで雨宿り。』

今回のおすすめ本 標野凪『こんな日は喫茶ドードーで雨宿り。』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、標野凪『こんな日は喫茶ドードーで雨宿り。』という本です!

 本作の主人公はある街の奥にひっそりと佇む小さなカフェ〈喫茶ドードー〉の店主「そろり」。このお店のコンセプトは「おひとりさま専用カフェ」。彼のもとには日常生活で疲れたお客が訪れていきます。そこでそろりはアドバイスを行なっていくのでした。

第一話 君が正解のオムレツ

 家電製品の取り扱い説明

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今回のおすすめ本 標野凪『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』

今回のおすすめ本 標野凪『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、標野凪『こんな日は喫茶ドードーで』という本です!

 本作の主人公は、ある街の奥にひっそりと佇む小さなカフェ〈喫茶ドードー〉の店主「そろり」。このお店のコンセプトは「おひとりさま専用カフェ」。彼のもとには日常生活で疲れたお客が訪れていきます。そこでそろりはアドバイスを行なっていくのでした。

第一話 自己肯定力を上げるやかんコーヒー

 翻訳の仕事をし

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今回のおすすめ本 プラトン『国家(下)』

今回のおすすめ本 プラトン『国家(下)』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、プラトン『国家(下)』という本です!以下では収録されている巻ごと(全5巻)に見ていきます。

「第6巻」

 本巻では、まず哲学者は生々流転する世の中において恒常不変のあり方を保つものに触れる事ができる人であり、国の守護者に相応しいと結論づけられています。そしてこの素質を生まれてから自然と身についている人は幼少期から、あらゆる真実を求める人であるとして

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今回のおすすめ本 黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん 新組版』

今回のおすすめ本 黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん 新組版』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』という本です!

 本作品の主人公は、小学生のトットちゃん。トットちゃんは公立の小学校に入学しますが、素行が原因(授業を妨げるなど)で一年生にも関わらず退学になってしまいます。その後お母さんに連れられて行ったのは自由が丘にある学校「トモエ学園」(現在は特別支援学校が相当するでしょうか)。トモエ学園では使われなくなった電車

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今回のおすすめ本 小栗虫太郎『黒死館殺人事件・完全犯罪』

今回のおすすめ本 小栗虫太郎『黒死館殺人事件・完全犯罪』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、小栗虫太郎『黒死館殺人事件・完全犯罪』という本です!以下では収録されている作品(2個)を紹介します。

「完全犯罪」

 本作品の舞台は一九三×年五月十一日の中国・湖南の西端にある八仙寨の神秘と言われる異人館となります。主人公は苗族共産軍(中華ソヴェート共和国西域正規軍)の若き指揮官ザロフ。ザロフは八仙寨にて不思議な孤独生活を送っている、老嬢である洋医

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今回のおすすめ本 江戸川乱歩『魔術師』

今回のおすすめ本 江戸川乱歩『魔術師』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、江戸川乱歩『魔術師』という本です!以下では収録されている作品(2個)を紹介します。

「魔術師」

 本作品の主人公は30代後半の探偵・明智小五郎。「蜘蛛男」事件を解決した直後から物語がはじまります。事件の疲れを取るために中央線に乗りS湖に休養しにいった明智は、現地で滞在していた玉村妙子というお嬢さんと親密になります。妙子に興味を惹かれていた明智ですが

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今回のおすすめ本 プラトン『国家(上)』

今回のおすすめ本 プラトン『国家(上)』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、プラトン『国家(上)』という本です!以下では収録されている巻ごと(全5巻)に見ていきます。

「第1巻」

 本巻では、まずソクラテスとケパロスによって「老い」について議論が行われます。ケパロスは老いを否定的に捉える人が多い中、肯定的に捉えています。しかし、ソクラテスはケパロスが金銭的余裕を持っているからだと指摘します。ケパロスはソクラテスの意見に肯定

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今回のおすすめ本 プラトン『メノン』

今回のおすすめ本 プラトン『メノン』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、プラトン『メノン』という本です!

 本作品の主要人物はソクラテスとメノン。作中冒頭ではメノンによって「人間の徳性は人に教えられるものか」という問いが示されます。これに対してソクラテスは、そもそも「徳とはどういうものなのか」を定義することから始めようとします。これはそれまでの作品でも登場したように、議論するためにはそのもの自体の意味をお互いが共通認識し

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今回のおすすめ本 夢野久作『犬神博士』

今回のおすすめ本 夢野久作『犬神博士』

 みなさんこんばんは📚
 今回おすすめするのは、夢野久作『犬神博士』という本です!
※本作品は未完となっています。

 本作品の主人公は、みすぼらしい一軒家に一人で住み、犬や猫を多く飼って町中を徘徊する老人大神二瓶。彼は世間から奇人として見られており、新聞記者が彼に取材をする場面から物語は始まります。
 作中では、主に大神二瓶の幼少期に焦点を当てて進行していきます。幼少期の大神は「チイ」と呼ばれ

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今回のおすすめ本 宮沢賢治『風の又三郎』

今回のおすすめ本 宮沢賢治『風の又三郎』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、宮沢賢治『風の又三郎』という本です!以下では収録されている作品(9個)を紹介します。

「風の又三郎」

 主人公は小学校に転校してきた高田三郎。本作では方言が多用されているため、読みにくい印象を受けるかも知れませんが、音読してみると雰囲気から推測できることがあります。作中では、転校生の三郎と小学校の児童たちによる交流が描かれています。章は日付になって

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今回のおすすめ本 芥川龍之介『藪の中・将軍』

今回のおすすめ本 芥川龍之介『藪の中・将軍』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、芥川龍之介『藪の中・将軍』という本です!以下では収録されている作品(17個)を紹介します。

「秋山図」

 王国石が主人の惲南田に黄公望の秋山図に纏わる話をするところから始まります。みなさんは絵に何か霊気のようなものを感じたことはあるでしょうか?僕の祖母は画家をしていた頃があり、風景画が家に飾ってありました。いつ観てもその絵からは何か霊気を感じていた

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今回のおすすめ本 中島敦『文字禍・牛人』

今回のおすすめ本 中島敦『文字禍・牛人』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、中島敦『文字禍・牛人』という本です!以下では収録されている作品(6個)を紹介します。

「狐憑」

 舞台はウクライナや南ロシア。この地をかつて支配していたスキタイ人の一種族・ネウリ部落に纏わるお話。主人公のシャクは平凡な青年でした。しかし一年前、戦争によって弟を失ってしまいます。その頃からシャクは何かに取り憑かれたように物語を話し始めます。人々はシャ

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