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今回のおすすめ本 江戸川乱歩『魔術師』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、江戸川乱歩『魔術師』という本です!以下では収録されている作品(2個)を紹介します。

「魔術師」

 本作品の主人公は30代後半の探偵・明智小五郎。「蜘蛛男」事件を解決した直後から物語がはじまります。事件の疲れを取るために中央線に乗りS湖に休養しにいった明智は、現地で滞在していた玉村妙子というお嬢さんと親密になります。妙子に興味を惹かれていた明智ですが、父親の呼び出しで妙子は実家に帰ってしまいます。
 妙子と入れ替わりのように明智の元に一本の電話が届きます。その内容は妙子の叔父・福田徳二郎がとある奇妙な事件に遭遇しているというもの。明智は当初断っていましたが、妙子の名前を聞くと即座に向かっていきます。上野駅に到着した明智ですが、とある人物たちに襲撃され連行されてしまいます。
 福田の奇妙な事件とは、朝目覚めると福田の元には「十一月二十日」と書かれたタイプライター用紙が毛布の上に置いてありました。しかし、福田の家は厳重に戸締りがなされているため、外部の人は誰も入ることなどできないのです。その後も「十四」……「八」……「三」と毎日紙が置いてあり、福田は甥・二郎とともに警察に相談することにしたのでした。そこで妙子により明智を呼ぶことが提案され、警察の方も受諾することになったのです。
 明智が予定時間に到着しなかったため、その日は警察の警備の元就寝した福田。二郎は真夜中に横笛の音を聞き、警官とともに福田の寝室を訪れますが、すでに殺害された後でした。手がかりは「ダイヤモンドが盗まれたこと」「壁に記された犯人の手型」「大男の目撃情報」の三つです。
 一方、明智は目覚め、とある部屋に監禁されていることに気がつきます。そこにいた美少女に助けられなんとか脱出するものの、そこは海を走る船の上でした。辛くもボートに乗り込み脱出を試みますが、あいにくの天候で海は大荒れ。その後の朝刊には「明智小五郎氏溺死す」との文言が……。
 主人公明智が死んでしまいましたが、この後の物語はどうなっていくのでしょうか。ぜひお手に取って読んでみてください!

 読後感想としては、探偵小説として一本筋が通っていたと感じました。作中にある伏線が綺麗に回収され、読後の満足感が十分ありました。

「黒手組」

 主人公は若き頃の明智小五郎。語り手は明智の友人。「黒手組」と自称する賊徒の一団が次々に富豪から金銭を奪っています。語り手の伯父とその娘もそんな対象となってしまいました。黒手組の手法は犠牲者の子どもを誘拐し身代金を要求するという、今ではありふれたものです。しかし、伯父は娘の身代金を払ったにもかかわらず、返してもらえていないのです。そこで明智が語り手を介して呼ばれることになるのでした…。

 読後感想としては、偶然は人が関わることで起こることもあるんだな…ということでした。また、「言っても伝わらない(わかってもらえない)」と思ってしまうことで、より事情を複雑にしてしまうことは今でも起こりうることだと感じました。

ぜひお手に取って読んでみてください☕️

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