2011年にiPad2を贈り、2023年から76才の母のDXを進めて、noteのコンテストに応募出来た舞台裏
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自分が理解したことを、相手を観察して、分かるように分かるまで教えることができます。
もちろん、相手の努力と忍耐のおかげです。人間同士だから相性もある。
我々家族は2023年からDXを進めて、PayPayで買い物したり、ChatGPT+やPerplexity Proを利用できるようになりました。先月末に、1947年生まれの母が半世紀ぶりにエッセイを書き、コンテストに応募しました。
高齢になっても出来ることは増やせますね。
公式ChatGPTアプリの文字起こしAI Whisperを使い、iPadのテキストエディタ(広告非表示)で編集しました。
状況を知ってる仲間からは「トラガラさんの忍耐力……」と、驚かれています。
はじめに
デジタル時代において、デジタルデバイドのある高齢者の不利益を、いかに減らすかは人生の質に直結します。
例えば、寝たきりになったとしてもSiriに音声でSpotifyアプリを操作してもらえるとか、今より体力が衰えてもネットスーパーが届けてくれることは、安心して老いることに繋がります。noteに文章を書くことのように、出来ることが増えることもある。
しかし、多くの高齢者にとって、これは困難でしょう。本エッセイでは、コールセンター業界と、プロテスタント教会コミュニティでの役割を通じて得た経験を基に、高齢者のデジタルリテラシー向上と生活の質の改善について、一例をまとめます。
話す力
アナウンサーさんみたいに話せません。男性としては、声質が高めで、滑舌は良くないと思います。事実確認・お客様が何を仰られているかを理解すること・対応履歴をマルチタスクで速読して踏まえて対応すること、などを優先すると、時間帯の責任者としてのエスカレーション対応も、新人やスタッフの教育も、問題なく行えました。
朗読は素人です。
話すより聴く仕事です。
経験: コールセンター業界での学びの転用
コールセンター業界で中間管理職として働いた経験から、「言わなくていいこと」を学びました。どなたにも配慮しますが、例えばお客様が張り詰めた印象であれば、何か理由があることだから、刺激しないように努めます。
私の親世代はデジタルデバイドがあり、仕事で活躍出来たのに、パソコンやネットが分からないことで誇りが傷つく方も多いです。苦手意識もあります。
だから、道具の使い方だけ教えるように、その方が気にしていることは刺激しないよう務めます。おかげで、所属するプロテスタント教会繋がりで、ご高齢の方から何度もご指名いただけるようになりました。上から言わないよう自戒していることが、言外に伝わったのなら光栄です。
親のDX (Digital Transformation)
ネットスーパーの導入
去年、母にネットスーパーの使い方を教えたところ、買い物の負担が軽減されました。昭和のおばちゃんだったのだから、スーパー自体は私より遥かに詳しいので、アプリの説明をするのにネットスーパーは分かりやすかったようです。
また、Amazonの定期おトク便も利用しています。
ずっとマニュアルで車を運転していた人なのですが、60代前半に免許の返納を済ませています。自転車で運べる荷物も少しずつ減り、買い物を楽しむより心身の負担に感じることが増えていたそうです。
ネットスーパーを使い始めて、そう教えてくれました。もっと早く言ってよとも、察するのが遅くて申し訳ないとも、感じています。
iPad x 生成AI x Android
iPadと生成AIの使用方法を教えることで、母のQOLが向上しています。人には質問しにくいことも、生成AIにはききやすいようです。日帰り手術をする時は、Copilot Proに色々調べてもらい、気が紛れました。
2011年6月にiPad2を贈り、タブレットPC歴は13年あるのも幸いでした。Androidを教える時も、基本は同じだから、0から覚えるより良いです。
AndroidはUIを高齢者向けにするのと、私が不要なアプリを削除して、使う頻度の高さで並びを工夫したものを見てもらい、一般向けのUIを使っています。iPadは、そうですし。
生成AIは2023年5月から利用しています。BingやBardも使っていました。もちろんChatGPTも。
今は、Perplexity Pro(Claude 3.5 Sonnet)とChatGPT+の組み合わせに落ち着いています。本人が使いたければGemini Advancedもあるので、どれかが使えない時は他の生成AIを使います。
情報にアクセスしやすくなったことを、本人も実感しています。
教育のアプローチ
観察と寄り添い
高齢者の学びを支援する上で、個々の特性や苦手な点を観察し、個人に合わせたアプローチを取ります。何が分からないのかは、お客様対応でもスタッフ教育でも、観察して理解する点は共通します。高齢者相手も、観察は重要です。
道具の使い方が分からないだけ
先述しましたが、高齢者が気にしていることを刺激せずに教えることが、私のポリシーです。例えば、デジタルデバイドがある苦手意識や誇りが傷ついていることを刺激しないように、慣れてもらうために、慌てず落ち着いてもらうことを目指します。
忍耐と永遠サポート
分かるまで・身につくまで教え続けることは、高齢者のデジタルリテラシー向上に効果的です。若者相手なら、本やサイトを勧めたり、検索して調べることを教えますが、70代後半にその学習コストは負担です。メモが追いつかないならマニュアル作りますし、3ヶ月待って効果が無ければやり方を変えます。
家族だから出来るとも言えますが、お互いに諦めず、母が医学的にもう新しいことを覚えられなくなる日まで、長期的な視点で続けます。覚えること自体困難な時期が来たら、その時出来ることに合わせます。
教育自体、時間のかかるものですよね。
人間中心のアプローチ
道具より人が大切
テクノロジーはあくまでも道具です。それを使う人間が中心です。例えば、石器時代から歴史のある「石」や、包丁やボールペンが、人より重要では困ります。生成AIもiPadもネットも、技術や道具な点を意識しています。だから——
——という、未知の発想に驚きますが、怒るより、そこが分からなかったのかと、私が学びます。
DXは目的でなく手段です。近所のスーパーやドラッグストアでPayPayを使えば、レジで他のお客様を待たせてしまうと慌てずに済みます。技術によって得られる生活の質の向上が目的です。
結論
高齢者と生成AIの組み合わせには大きな可能性があります。生成AIが通訳の役割を果たし、必要な時は私が支援します。高齢者のデジタルデバイドと共存し、生活の質を向上させることができます。そして、常に人間中心のアプローチを選び続けます。
道具は素晴らしい。
けど、人が適切に用いることはより素晴らしい。
まとめ
高齢者のデジタルデバイドと共存するアプローチは、生活の質の改善につながります。
忍耐強く、その方の個性やペースに合わせることが本質です。
相手の人生経験や誇りを大切にし、人間中心のアプローチを取ることが重要です。
生成AIと人間のサポートを組み合わせることで、よりきめ細やかな支援が可能になります。
テクノロジーの進歩により、高齢者の生活をより豊かにする可能性を観察しています。私たちは、この可能性を最大限に活かすために、高齢者に寄り添いながら、継続的なサポートを提供していけると理想です。
個人の健康と幸福は、マクロな視点で医療費など大きな問題にも繋がります。人手と予算が足りなくて出来なかった、かつての「仕方のないこと」が、変化しつつあります。
お読みになられた方が、ご家族・ご親族など身近な高齢者に、快適さを届ける際のヒントが提供できたら幸いです。
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