僕らは言葉でできている： 3ステップの育児法と、その結果
「言葉にしてごらん。言葉にできたら、言葉の使い方を選んでごらん。選べるようになってきたら、この本どうかな」
そんな3ステップで、体罰なしで育ててもらいました。
徴兵されて人が変わった祖父から、父は虐待を受けて育ったのに、妻の力を借りて虐待の連鎖を断ち切りました。問題の多い父ですが、この点は褒めたいです。家で泣くと祖父に怒られるから、泣き止んでから帰る子だったそうです。
そんな両親が体罰なしを実現できました。
私はこの育て方をしてもらって良かったです。人間や言葉への敬意を学びました。
我々は言葉なしに考えることはできません。図に書いたり文章を書き出したりして目で見て考えることで、頭の中だけで思い巡らせるよりも、豊かな結果に繋がります。
「自分の言葉を獲得して自分で考えろ」と、1980年代にしては手間のかかる育て方をしてもらいました。それを、受け取るかどうかは私の選択です。自分で選んでこの人の子どもで良かったと、人生を肯定し、一族を理解出来ます。
言葉は抽象的にも扱えます。例えば、138億年の歴史を1枚にまとめたり、人類の歴史を農業革命、科学革命、産業革命、情報革命という4つのステップで書いてみました。自ずと長期的な視点を持つことができます。
短期的な視点も長期的な視点も、戦術も戦略も、具体的なことも抽象的なことも全て大事です。その複雑な有機的な相互作用のバランスをとるときに、目で見て確認できる形にするには、言葉は頼りになる道具です。
言葉で考え抜くと、不条理があっても、一族の歴史を振り返れば、誰も悪くないと私の中で落とし所を見つけられます。このように、僕らは言葉でできている。
だから、母の教育を受け取って良かったと、感謝しています。今こうして自分の言葉で。
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