#青春
小説:孤高なる酒乱学生事変
「先輩、今日サークルの飲み会あるんですけど来ないんですか」
「悪いが俺はパスだ」
後輩からのラインにそっけなく答える。しかし、なぜ大学生は集団で酒を飲みたがるのだろう。
俺は群れるのが好きじゃない。人は群れの中の秩序を何よりも大事にする。聞こえはいいかもしれないが、その中身は極めて人情にかけてグロテスクなのである。全体の利益のためなら人の大事な時間を奪うことに躊躇をしない。それが秩序を守る
短編小説:ヒッチハイカー
「その、バックパックは後ろにおいていいよ。それでそこまで行くんだっけ」
「えっと、江ノ島に行きたいです。」
「あーじゃあ、海老名あたりでおろすことになっちゃいそうだけど大丈夫?」
ヒッチハイクの青年が「大丈夫です」と答えるとともに、車が揺れた。バックパックを座席に放り込んだからだろう。その後、青年が助手席に座り、ドアを閉めたことを確認すると、エンジンを着けて、メーターに表示された距離をしわくち
短編小説:橋の下の秘宝
どうしてもだめだ。今日ずっと、昨日見つけたお宝のことが頭から離れない。まだ、あるだろうか。すぐにでも見たい。こんな気持ちになってしまうならビビらず、昨日の夜家に持って帰ればよかったんだ。
昨日の放課後はオレとリョウタとアユムの三人だけで河川敷のグランドでサッカーをした。ほんとは仲のいいヒロとか、ナカちゃんとか、モリリンとかも誘った。リョウタもアユムも友達をいっぱい誘ったんだ。でも、やっぱり昨