見出し画像

ついに「川崎市麻生区」男女とも長寿日本1に! 【長生きの理由】

平均より2・5歳長生き! 旧「都筑郡」地域


5年ごとに発表される「市区町村別平均寿命調査」。

昨日(12日)厚労省が公表した、最新の2020(令和2)年版で、ついに我が川崎市麻生(あさお)区が、全国1887市区町村中、男女とも日本1、いただきましたあ!

 2020年の平均寿命を全国の市区町村別にみたところ、最も長寿だったのは男女とも川崎市麻生区で、男性は84・0歳、女性は89・2歳だった。厚生労働省が12日、5年に1度の調査結果を公表した。男女ともに同区が長寿1位になったのは、00年に調査を始めて以来、今回が初めて。(朝日新聞)


この調査年(2020年)の全国平均は、男81.5歳、女87.6歳です。それに対して、麻生区は男84.0歳、女89.2歳。

男女とも1位の市区町村は調査開始以来初ですし、平均寿命もそれぞれ最高値です。(女の89.2歳は、2000年の沖縄・豊見城村と同値)


私が住むこの川崎市麻生区だけでなく、近隣の宮前区、横浜市青葉区、都筑区など、神奈川県北部は、調査のたびに上位に入る。日本有数の長寿地域なのです。かつて長寿で有名だった沖縄(女はいまだに長寿ですが)、やはり長寿で知られる長野よりも、最近は優っています。

この地域は、今は川崎市と横浜市に分かれていますが、かつては(宮前区除き)武蔵国都筑郡として一体でした。多摩川水系ではない、鶴見川水系の地域。

ここに住む人は、日本人平均より、男で約2・5歳、女で約1・5歳、長生きできる、という記事を以前書きました。

横浜・川崎に住めば2.5歳寿命が伸びる(note)


ツートップ「川崎市麻生区」「横浜市青葉区」


麻生区は平成17(2005)、平成27(2015)に男で2位でしたが、いずれも1位は横浜市青葉区でした。

男は今回、この強豪のライバル、横浜市青葉区をついに抜いて、初の1位です。やったね!

また女の1位は、平成17(2005)年調査以来、3回連続で沖縄県中頭郡北中城村でしたが、麻生区は、前回4位からこれを一気に抜いて1位になりました。(沖縄県中頭郡北中城村は今回15位)

市区町村別平均寿命調査は、平成12(2000)年から始まりました。

神奈川北部の4つの区について、上位30位内の順位の推移は、以下のとおりです。(ーは31位以下)


第1回    平成12(2000)
横浜市青葉区 男3位  女ー
川崎市麻生区 男ー   女ー
横浜市都筑区 男18位 女ー
川崎市宮前区 男23位 女ー
*男の1位は岐阜県和良村
 女の1位は沖縄県豊見城村

第2回    平成17(2005)
横浜市青葉区 男1位  女7位
川崎市麻生区 男2位  女27位
横浜市都筑区 男15位 女ー
川崎市宮前区 男ー   女ー
*女の1位は沖縄県中頭郡北中城村

第3回    平成22(2010)  
横浜市青葉区 男8位  女20位
川崎市麻生区 男ー   女ー
横浜市都筑区 男3位  女ー 
川崎市宮前区 男2位  女ー 
*男の1位は長野県北安曇郡松川村
 女の1位は沖縄県中頭郡北中城村

第4回    平成27(2015)   
横浜市青葉区 男1位  女9位 
川崎市麻生区 男2位  女4位 
横浜市都筑区 男4位  女6位  
川崎市宮前区 男10位 女10位
*女の1位は沖縄県中頭郡北中城村

今回     令和2 (2020)   
横浜市青葉区 男2位  女13位
川崎市麻生区 男1位  女1位 
横浜市都筑区 男8位  女ー  
川崎市宮前区 男ー   女ー
*令和2のベスト30には、男で横浜市金沢区(28位)、港北区(30位)、女で川崎市高津区(25位)も入っている

神奈川北部の長寿地帯 緑線の上が川崎市、下が横浜市


今回、男の平均寿命で、1位の川崎市麻生区84.0歳に対し、横浜市青葉区は83.9歳で2位でした。わずか0.1歳差の、まさに「デッド」ヒートでした!

男の3位が、長野県上伊那郡宮田村の83.4歳で、横浜市青葉区と0.5歳の差がありますから、川崎市麻生区と横浜市青葉区の2地域だけが、「ずば抜けて」長寿であることがわかります。

そして、「政令指定都市」レベルで違うこの2つの「区」が、同じように長寿であることが、市区町村レベル(麻生区、青葉区)の施策が「長寿」に寄与する度合いは低いのではないか、と私が思う理由です。

今後は、麻生区と青葉区は住民の健康増進策で協力し合い、よき「競争」をすればどうでしょうね。

令和2年版「市区町村別平均寿命 (上位・下位 50市区町村)」(厚労省)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/ckts20/dl/ckts20-04.pdf


駅名で言えば、川崎市麻生区は小田急小田原線の「百合ヶ丘」「新百合ヶ丘」「柿生」と、多摩線「五月台」「栗平」「黒川」あたり。

横浜市青葉区は、東急田園都市線の「たまプラーザ」「あざみ野」から「青葉台」「田奈」あたりまでです。

長生きの理由 「所得」と「自然」


なぜこの神奈川県北部の人たちは長生きなのか。前回、平成27年の調査が出たときに、週刊文春が記事にしていました。

男性高齢者が長生きできる街(週刊文春)


文春記事では、健康増進のための自治体の取り組みなどを紹介していましたが、その点で麻生区が特別とは思えない、と書いたところ、jirohamaさんという方から、以下のようなコメントをいただきました。


ミドル、アッパーミドル層が厚く、低所得層が少ない地域だからでしょう。検診他健康維持や老後施設にかけるお金も堅実、計画的で意識も高そうです。低所得層の厚い地域で平均寿命が低いのは言わずもがなですが、高所得から低所得層を幅広く含む地域でも、平均は下方に引っ張られます。


要するに経済力が寿命と相関している、という説です。

麻生区より所得が高い地域は、東京などにいくらでもありそうですが、低所得層もいると、その分寿命が下がってしまう、と。

麻生区は、私のような貧乏人もいますが、全体的にほどほどの所得層で固まっていて、有利なのでしょうか。

大金持ちはいないが、人生態度で堅実なミドル層が多い。それが健康意識にも反映してる、と。まあ、たしかにそんな気がします。そこいら中、老若男女がジョギングしているし。


しかし、なぜこの土地に、そういう健康志向の人が集まっているのか、という別の考察も必要な気がします。住民の属性だけでなく、地理的条件との相互作用があるのではないでしょうか。

もともとこのあたりは、丘陵地を戦後に切り開いたところで、まだ自然が多く残っています。また、自然を残そうという自治体や鉄道会社の意向もありました。(神奈川を知っている人は、青葉区や麻生区を「横浜・川崎の田舎のほう」と思っているかもしれません)

私自身は、そういう緑が多い、野鳥の鳴き声が常に聞こえる環境が気に入って引っ越してきたわけです。そういう環境の作用もある気がするんですね。


いずれにせよ、我々麻生区民は、この長寿日本1のタイトルを、これからも守っていきましょう! 死ぬなよ、みんな!


<参考>


この記事が参加している募集

#地理がすき

696件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?