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【街登山】隠れた名園「百合丘第2公園」に登る 麻生の公園完全制覇第6回

川崎市麻生区が長寿日本1になった記念。

麻生区の321の公園すべてを訪問する企画、第6弾。

今回は、私が「隠れた名園」と呼ぶ「百合丘第2公園」です。



百合丘は「何もないところ」か


最寄り駅は、小田急線の「百合ヶ丘」ないし「新百合ヶ丘」になります。

「百合丘」表記が、なぜ「百合ヶ丘」になったのか、にもし関心ある方は、以下の記事を参照ください。


百合丘の駅前はともかく、このあたりって、地元の方以外は、麻生区民でも、あまり来ないと思うんですね。

というのも、下の「麻生観光MAP」(麻生観光協会)を見てもわかるとおり、観光名所の空白地帯なんですね(緑の円のところ)。

「歩いて見よう麻生の魅力」(麻生観光協会、麻生区役所)より


百合丘は、弘法松公園と、王禅寺見晴し公園の間に広がっています。ちなみに、弘法松公園と王禅寺見晴し公園は、私の「麻生区3大がっかり」のうちの2つです。

新百合ヶ丘から、弘法松公園までは行っても、その向こうにはなかなか行く機会がない。用がないと思うわけです。

柿生の住民の私も、このあたりはほとんど行ったことがなかった。

では、このあたりに何もないかというと、もちろんそんなことはなくて、まず公園がたくさんある。

百合丘公園第2〜第7の位置


いずれにせよ「丘」ですから、街登山の対象となります。

そして、それだけではなくて、私のような柿生の住人からは、ちょっと「異国」「異界」のような面白い雰囲気があります。

それも一緒に紹介しましょう。


「百合丘第2公園」への行路


「新百合ヶ丘」駅からの経路を記すと、以前の「弘法松公園に登る」と同じになって、面白くない。



だから、今回は、柿生駅からのルートを歩きたいと思います。

結局はこのルートも弘法松公園を通るのですが、途中に「川崎のマチュピチュ」「トンネル」「階段」を経由する、長めで楽しいルートです。

(以下、写真は原則6月21日、27日撮影)


柿生からの経路


柿生駅南口を出て、線路沿いを新百合ヶ丘方向にテクテク10分弱歩くと、「川崎のマチュピチュ」がある。


このマチュピチュのところで道が分かれます。マチュピチュに沿って右に曲がります(上掲地図参照)。

さらにテクテク歩くと、山口隧道をくぐります。


山口隧道


ここまで、ずっとフラットな道ですが、トンネルをくぐったあたりから、しだいに勾配を上がっていく形になります。「街登山」としては、ここからが本番です。

そして、ほどよく疲れてきたところで、最後のチャレンジ、弘法松公園に登る長い階段があります。

階段を上ると、眼下に広い眺望が開けます。

そこはもう「弘法松公園」です。


「百合丘第2公園」の素晴らしさ


弘法松公園は、旧「橘樹(たちばな)郡」と旧「都築(つづき)郡」の境界に立っていた巨木を記念した公園です。

だから、柿生・新百合ヶ丘方面から、弘法松公園を過ぎると、旧都筑郡から、旧橘樹郡に入る形になります。

いまでは、その「境界」のしるしは何もありませんが、やはり世界が変わる感じがします。

具体的には後に記しますが、その「異界」の入り口あたりにあるのが「百合丘第2公園」です。


弘法松公園を出て2、3分のところに、目的の「百合丘第2公園」があります。


百合丘第2公園


百合丘第2公園


この公園には、何度も行って、写真をとっていますが、その素晴らしさがなかなか写真に収まらないですね。

公園だけど、植栽が見事で、「庭園」風の美しさ。

ちょうどいい大きさと遊具の配置。

きれいに整備されている。


さりげなく美しい花が植えられていて、隅々まで、きめの細かい配慮と美意識を感じます。

百合丘第2公園


百合丘第2公園


これでトイレがあれば満点ですが、トイレは弘法松公園のを利用するとよいでしょう(あまりきれいなトイレとは言えませんが)。

たぶん地元の人しか使用していないと思います。ちょっともったいないような公園なので、弘法松公園に来た人は、足を伸ばして訪れるのをお勧めします。


そして、すぐ近くにベトナム料理店「ティエントォン店」があります。私が行ったときは開店前でしたが、ネットで見るかぎり評判のいい店のようです。

ティエントォン店


テイクアウトのバインミー


また、そのそばに、これまた老舗の雰囲気の銭湯があります。

松葉浴場


「町中華」はあっても「町ベトナム」はなかなかないし、銭湯だっていまどき珍しい。

このあたりも「異界」要素ですね。

「街登山」で「弘法松公園」「百合丘第2公園」に行って、ベトナム料理を食べ、銭湯で汗を流す、みたいなコースを組めないでしょうか。


公園と団地の街


前述のとおり、このあたりは、やたら公園があります。

下の写真のように、2つの公園が向かい合っているところさえあります。

百合丘第5公園(左)と百合丘3丁目公園(右)


それというのも、このあたりが「百合丘第一団地」「百合丘第二団地」という巨大集合住宅から始まった土地だからでしょう。

街の多数の「公園」は、いわばみんなの「庭」なのです。

そのせいか、どの公園もきれいに整備され、住民の愛情を感じます。その象徴が「第2公園」なわけですね。

百合丘団地は、1960年代に、すでに洋式トイレを標準装備していた先進的団地でした。

現在、「百合丘第一団地」は「サンラフレ百合ヶ丘」、第二団地は「百合ヶ丘みずき街」に生まれ変わり、相変わらずこの街の主役の地位を占めています。


サンフラレ百合ヶ丘


百合ヶ丘みずき街の案内図


百合ヶ丘みずき街



「異国」感のある風景


百合丘の街をぶらぶら回っているうちに、このあたりの特徴の1つに気づきました。

「十字架」がよく目に入る。キリスト教会が多いのです。

麻生キリスト教会


カトリック百合ヶ丘教会


百合丘キリスト教会


教会が珍しいなんて、どんだけ田舎者なのかと思われそうですが、私は田舎者です(教会なんて子供時代の環境になかった)。

以前、麻生区の隣、横浜市青葉区のすすき野で教会を見て、血圧が上がった話を書きました。


「東急ストアすすき野店」は、東急線の駅(あざみ野)からは遠い。
それでも立派に「東急文化圏」という感じがする。
例えば、東急ストアの前に、キリスト教会がある。
教会! 小田急線の柿生のあたりは神社仏閣ばかりだ。さすが異人さんが住む横浜は違う!と思って血圧が上がるのだ。
小田急OXの前にキリスト教会はないし、あっても似合わない。似合うのは松屋か餃子の王将だ(鶴川あたりでのイメージ)。


改めて「麻生観光マップ」を見てもらえばわかるとおり、麻生区は神社仏閣ばかりであり、神社仏閣ばかりを「名所」にしています。



「柿生キリスト教会」というのはあるのですが、実際は町田市(東京都)にある、という話は以前書きました。


柿生に関しては、これも以前書いたように、紀州から来た名門鈴木家の支配下だったので、熊野神社の結界が強烈に張られていて、異教が入り込めないんだと思う(?)。


それくらい、基本的に、歴史的に、麻生区は神社仏閣の街なのです。


たぶん百合丘は、1950年代に新しく切り開かれたところなので、集中的にキリスト教が進出したのでしょう。

キリスト教徒は、日本の人口の1%とよく言われますが、麻生区のその1%はここに住んでいる、と感じさせます。

それはやはり、どこか「ハイカラ」な街の雰囲気に影響してると思うんですね。


クールポコ・・


さて、せっかくだから、百合丘のナンバリング公園を全部回ろうと思いました。

百合丘には「百合丘第2公園」から「百合丘第7公園」まであります(それ以外にもさまざまな名前の公園があります)。



そして、「弘法松公園」がかつて「百合丘第1公園」だったらしい、という話は前に書きました。

それにしても、ナンバリング公園、上の地図でわかるとおり、順番も場所も、とっちらかってんですよね。

最短距離で全部を回るのは、パズルを解くような作業です。

1つ1つ、地図上で確認していきました。

百合丘第3公園

百合丘第4公園

百合丘第5公園

百合ヶ丘第6公園

百合丘第7公園

・・・

ちょっと、待った!

なにぃーーーっ!!


やっちまった、というやつですね


おい、第6公園! お前だけ、なんで「百合ヶ丘」なんだ。

なんで第6公園にだけ、小さい「ヶ」が付いているんだ。

なんで第6公園にだけ、こんな校閲ミスがあるんだ。

私は元編集者で、表記の統一にはウルサイ。

これは、追求せねばならない・・

というわけで、次回は

やっちまった「百合ヶ丘第6公園」の「ヶ」を校閲に行く

になります。



<参考>

川崎市麻生区3大がっかり

街登山のすすめ

麻生の公園完全制覇1 向原の森公園

麻生の公園完全制覇2 美山台公園

麻生の公園完全制覇3 むじなが池公園

麻生の公園完全制覇4 鶴亀松公園

麻生の公園完全制覇5 片平中町遺跡公園

麻生の公園完全制覇7 百合丘第1〜第7めぐり



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