見出し画像

【街登山】麻生区の未完の傑作「むじなが池公園」 麻生の公園完全制覇・第3回

川崎市麻生区が長寿日本1なのは公園の数が多いから。というわけで、麻生区の321個の公園をすべて回る企画、第3回。

「むじなが池公園」は巨大なテーマであり、私が死ぬまで努力しても解明できないエニグマであるかもしれない。

「むじなが池公園」は麻生区のサグラダファイミリアであり、現代人の想像力を超えた存在と言える。

麻生区に以下の名言が伝えられている。

「あなたは、むじなが池公園に行くことができるが、決してむじなが池公園を知ることはできない」

その意味をこれから述べていこう。

(写真は、特記以外は6月5日撮影)



特徴1 巨大マンション群の中にある


第1の特徴は、この公園が巨大マンション群、新ゆりグリーンタウンの中にあることだ。

まず、公園の位置を示そう。

むじなが池公園(柿生駅より)


新百合ヶ丘駅→むじなが池公園→王禅寺北第5公園


むじなが池公園がある新ゆりグリーンタウンは、1980年代、日本勤労者住宅協会の5周年記念事業として作られた。

総戸数約2400の分譲マンション群である。

新ゆりグリーンタウンの案内板


むじなが池公園部分の拡大 かつては「自然公園」と呼んだのだろうか


グリーンタウン内にも数カ所に公園があるが、私有地なので、区の公園の中には数えられていない


新ゆりグリーンタウン自体が、巨大なテーマである。

それについては、前にちょっとだけ書いたものがあるので、よろしければ参考にしてください↓

花の街・新ゆりグリーンタウン(note)


そのときも書いたが、新ゆりグリーンタウンは、築40年たつのに、不動産価値があまり下がらない。

私も、できれば移住したいと狙っているのだが、高すぎて手が出ない。

最近も、駅前で以下の情報があったが、まだ高いねえ。人気があるのだろう。


新百合ヶ丘駅前で見た新ゆりグリーンタウンの不動産情報(5月31日の情報)


特徴2 タヌキがいる


第2の特徴。むじなが池公園には、人間以外の動物がいる。

むじなが池公園の「むじな」とは何か、諸説あるようですが、通説は「タヌキ」です。

それが証拠に、タヌキの標識があちこちにある。


数カ所にある「動物注意」


タヌキが麻生区や多摩区にいることは住民周知のことで、「柿生タヌキ事情」という漫画があるほどだ。


しかし、タヌ公が主役の公園はここだけだと思う。

ワイルドさで、麻生区随一である。


特徴3 ほとんど閉鎖されている


第3の特徴は、公園の大部分が現在、閉鎖されていることである。


遊具がある部分が立ち入り禁止になっている


ぶらんこ、ベンチなどが荒れ放題になっているのが見える


なぜ肝心の部分が閉鎖されているのか、よくわからない。

1つには、以下の看板にあるとおり、「里山再建中」であることだろう。


むじなが池公園の森再生の看板


しかし、この看板自体が、もう年季を感じさせるように、「里山再生」のプロジェクトはまだ進行しているのか、進行しているとすれば進捗状況はどの程度なのか、といった情報がない。

上記の看板にある市民団体「かりうど」をネットで調べると、2001年度に登録した80代の男性(「かりうど」代表者)の情報が環境省のサイトに載っている。

この方に問い合わせると教えてくれるのだろうか・・というか、まだご健在なのだろうか。


公園の「森」の部分は立ち入りできないとはいえ、「池」の一部は表に出ていて、休日にはそこに釣り人が糸を垂らしているのが見える。

何が釣れるかは聞き漏らした。

むじなが池公園の看板は2箇所にあり、こちらは新ゆり商店街の裏にある看板。もう1つは公園を挟んで反対側の街路にある


新ゆり商店街の裏側にある公園の東屋と池の一部(5月28日撮影)


むじなが池公園の釣り人たち(5月28日撮影)


特徴4 住民主体で「育成」されている


肝心の部分が立ち入り禁止になっているなら、公園の価値がないではないか、と思われるかもしれない。

しかし、そうとは言えないのが、むじなが池公園の奥深さなのだ。

むじなが池公園周辺、新ゆりグリーンタウン周辺は、それ自体が美しい自然公園になっている。

それは、ボランティアでこのあたりを整備し、花を植える運動をしている住民たちの働きが大きい。


紫陽花が見頃を迎えたむじなが池周辺


花を植えている団体の細かい配慮が随所に見える


花の整備をしている人たち


このあたりを整備している「花と市民参加の会 コスモス」への環境大臣の表彰状が飾ってある


いろいろな力が働いている「生き物」


以上、4つの特徴を書いてきた。

「街登山」の部分を書いていないが、基本的に高台にある上、新ゆりグリーンタウン内外は自然の起伏があるので、歩き回るだけで普通に運動になります。

その他、周辺に白山神社や日本映画大学があり、西友や人気の「吉田ジェラート」などがある商店街、食堂街もあり、その全貌を一度に紹介するのは難しい。


私がここで強調したいのは、むじなが池公園は、公園だけで見るのではなく、新ゆりグリーンタウンとその周辺を含めた「自然公園」として見るべきだということ。

そして、この公園は、グリーンタウンや、区の公園センターや、環境団体、市民団体などさまざまな力が働いて、いまも現在進行形で「育成中」「造成中」だということである。


おそらく、1970年代に新ゆりグリーンタウンが構想されたとき、このあたり一帯まるごと「自然公園」にしよう、という意図があったのだと思う。

そこを出発点として、いまだに公園として変化し続けているところが、私がサグラダファミリアを連想する所以である。

公園に人はいなくても、公園自体が「生きて」いて、成長している。

だから、麻生区の321ある公園の中でも、この公園は別格だと思っている。

いつの日か、いま閉鎖されている部分、その「奥の院」までがすべて市民に開放され、タヌキ一族と市民との歴史的なコンタクトが実現するのかもしれない。

私は生きているあいだに、この公園を極めることができるのだろうか。


なお、1つ注意点がある。

新ゆりグリーンタウンに入ると、何かしら違和感を感じる人が多いと思う。

麻生区の他の地域と何かが違う・・。

そう、犬を散歩させている人がいない。

麻生区は、戸建て率の高さを反映して、犬を散歩させている人がやたら多いところだが、グリーンタウン内は、犬の散歩が禁止のようなのだ。

(たぶんペット禁止なのだろう。たしかに2000世帯が一斉にここで犬の散歩を始めたら大変なことになる。)

だから、犬を連れて行ってはいけない。


また、むじなが池公園自体にトイレはないが、西友新ゆりグリーンタウン店の店外トイレがある。


公園番号6
むじなが池公園 麻生区白山4丁目6
        36225m2
        遊具は使用できない状態
        東屋、水場があり、釣りスポットあり
        タヌキ注意
        トイレはないが、西友のトイレが使える、西友がそれを歓迎するかはともかく


王禅寺北第5公園


むじなが池公園のそばに、ぜひ紹介したい公園がある。

日本映画大学の横にある王禅寺北第5公園だ。


王禅寺北第5公園


この公園は、横を通るたびに気になる。

荒廃しているのだが、雰囲気があり、気品がある。

写真にはその魅力がなかなか収まりにくい。

何か、悪夢の中に出てきそう、ホラーゲームの「サイレントヒル」の中に出てきそう、というか・・。

中央に丸い池、その中にモニュメント的なものがある庭園風な作りで、できた当初は、さぞかし瀟洒で端正な印象を与えただろうと思う。

今は残念ながら、荒れたまま放置されている。

荒れている公園内部


荒れていても、美しいのは、前述のとおりだ。

「古民家」的なノリで、「古公園」のようなジャンルがあるなら、出品してみたい逸品である。

公園の看板


公園番号7
王禅寺北第5公園 麻生区王禅寺西4丁目11−1
         1124m2
         遊具あり、トイレなし


<参考>
これまでの麻生区「街登山」「公園完全制覇」シリーズ

街登山のすすめ

向原の森公園

美山台公園

鶴亀松公園

片平中町遺跡公園


この記事が参加している募集

運動記録

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?