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「左翼のフロント」が嫌われている

「現代思想」が「現代」の思想ではない


たまには今の「若い人」の考えを知りたい、と思って、図書館で千葉雅也の『現代思想入門』というのを手に取った。

この本は2年前(2022年)の本だけど、図書館で誰も借りないようで、かわいそうだから借りてきた、というのもある。



写真を見ると、この人は、いかにも若者という姿形をしている。1978年生まれ、というのは、世間的にはもう若者ではないかもしれないけど、私なんかのジジイから見れば十分に若者だ。

東大で博士号を取った立命館大学の教授で、芥川賞候補にもなったという。


でも、読んでみたら、すごくつまらない。

語り口は上手いんだけど、売ってる「商品」が古すぎて。

デリダとかフーコーとかドゥルーズとか。

そういうの、私はもう50年前に読んだよ。

まだそういうのが「現代思想」なのか、と。

20世紀の、冷戦期の思想ですよ。


「マルクス主義」とか、「精神分析」とかの疑似科学を使ってるのも、前世紀の思想の特徴ですね。

そんなインチキな「商品」、もう売っちゃいかんだろう、と思うけどね。モラル的に。「陰謀論」や「反ワク」もマッサオの代物なんだから。

こういう、いたずらに難解な「コケおどし」で、いつまで商売する気なのか。


いちばんいけないのは、こうしたおフランスの「現代思想」は、左翼思想だということを隠していることですね。

そこがいちばん肝心なとこなのに。

なぜ隠す?


「善行」の陰に左翼


作家・評論家の小谷野敦さんは、今月に入って、LGBT運動の背後に「マルクス主義」があることに突然、気がついた。


トランプがマルクス主義を敵の本体と見なしたということは、小川榮太郎がLGBTをマルクス主義の一種に見立てたのもあながち間違いではなかったんだろうな。斎藤幸平もTRAだし


そうか、私が勘違いしていた。LGBTというのは、社会を変革しようという運動のことなんだな。


小谷野さんのような賢い人が、なぜこれまでそれに気づかなかったのか、不思議なのですが。


「LGBT」だけではない。

世の中の、一見「よさげ」な運動の裏には、たいがい左翼が潜んでいる。


1940年代には、「反ファシズム」運動の影に潜んだ。

1960年代には、「反戦・平和」運動の影に潜んだ。

1980年代には、「環境保護」運動の影に潜んだ。

1990年代以降は、「フェミニズム」「LGBT」にも潜んでいる。


やつら、「赤色」を見せたら、正体がわかるから、「緑色」を見せたり、今は「虹色」を見せている、というわけ。

ずるいんですよね。


だから、「善行」を見たら左翼を疑え、と。

これは「常識」だと思うのだが、案外、メディアの人間や知識人も無知で、何度も何度も騙される。


「フロント」


こういうのを「フロント」と言う。

今は「ヤクザのフロント企業」とかいうふうに使うけど、本来は、左翼が正体を隠すために使う団体のことです。


ウディ・アレン主演の「ザ・フロント」って映画があった。

赤狩り時代、左翼の脚本家が身を隠すため、ウディ・アレン演じるノンポリ男を身代わりにする、という話でしたね。


オモテだけ見ると、まあマトモだけど、裏に回ると左翼が潜んでいる、という。

自分たちがオモテに出るとまずいから、世間体のいい「顔(フロント)」を作って、自分たちは裏に回る、というのは、レーニン以来の左翼の伝統なわけです。


まあ、ぶっちゃけ、

「現代思想」

「現代文学」

「アカデミズム(とくに人文社会系)」

「オールドメディア(とくに朝日・毎日・共同)」

「司法」

「行政」

果ては、

「国連」

「ノーベル文学賞」

「ノーベル平和賞」

等だって、

「左翼のフロント」じゃね?

と疑うべきだと私は思うとります。

(その目的は、有権者を無視して、イデオロギー的に、急進的に、世の中を変えていくこと)


60歳より下は「フロント」を嗅ぎ分ける


年をとるほどにますます疑い深くなった私の「反共主義」を、ここで説きたいわけではない。

もう私が説くまでもない。

最近の傾向を見ていると、若い人ほど、この「フロント」を見破るようになってきたのではないか、ということを指摘したい。

たとえば、直近の政党支持率調査。


2024年12月世論調査 NHKより


これなんか見ると、50代より下で、「反共」傾向がくっきり出ている。

「左翼」から遠いほど、好まれている。だから、国民民主が、立憲民主を圧倒している。


とくに40代より下では、最近の「自民」も、「左翼」とみなされているから人気がない。39歳以下では、自民党より国民民主の支持率が高くなっている。

実際、岸田、石破は「オールドメディアべったり」の左翼だからね。自民党が左翼のフロントになっている。

もし「反共」的で、信頼できる野党がもっとあれば、無党派票もそちらに流れるでしょう。


どんだけ左翼が嫌われてんだ、ということですよ。

トランプ再選なんかも含めて、それが世界的な大きな流れとして、くっきり、ハッキリ出てきた。


そういえば、図書館で千葉雅也の『現代思想入門』は読まれてないけど、予備校教師で保守の茂木誠の本なんか、めちゃくちゃ人気で、去年予約して1年たっても、まだ私のところに回ってこない。


左翼がいないと困ること


もっと言えば、左翼の人気急落と、(とくにアメリカの)キリスト教の人気急落は、ある程度、相関的なんだよね。

それは、冷戦期の左右のプロパガンダの洗脳が、ようやく解けてきたことを示している。

(冷戦期に、アメリカはソ連に対抗するため国内のキリスト教勢力を盛り立てた)


そして、それは困ったことでもある。

キリスト教と左翼は、前世紀から、貧民、弱者、困窮者、少数者の保護に努めてきた。

アメリカでは、キリスト教徒のボランティアが少なくなって、炊き出しする人がいなくなっているらしい。


教会を離れるアメリカ人達、教会の没落(僕らの知らない物語 2024/12/8)



日本でもそうなるんじゃないかな。左翼がいなくなると。

「善行」をなす人がいなくなる。

役所仕事では限界があるからね。


やっと変化が始まっている


若い層で左翼の人気が落ちていても、左翼がすぐにいなくなるわけではない。

それは、メディアとか大学とかで、「体制派」としてまだ君臨している。

あと、女性のあいだでは、男性にくらべて、まだ左翼思想の支持が強い。世界的にそうらしい。女は、まだ差別されているからね。


でも、今の傾向が続けば、いずれ「体制」は崩壊する。

そのあと、政治や社会がどうなるかは、まだ分からない。


ようやく20世紀が終わって、21世紀が始まった、という気がする。

やっぱり、本当の変化には、1世代(30年)はかかる、ということかもしれない。

それがどういう世紀になるか、それを知る前に、俺はたぶんおさらばだ。



<参考>


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