- 運営しているクリエイター
記事一覧
可及的速やかに | #27 空を飾る
可及的速やかに
消すほどでもない
消せない
記憶のカケラ
ふと浮かんだあれこれをつぶやく
「詩」のようなもの
『空を飾る』
悲しまないで
そこに私はもういない
そこにあるのは
ぬけがら
そこに私はもういない
魂のないぬけがら
そのぬけがらを目に焼き付けるよりも
空を見上げていた方が
ずっといい
その時の空を心にとめて
遺影は飾らないで
その時の空を飾ってほしい
同じ空は二度と
可及的速やかに | #21 おきのどく
可及的速やかに
消すほどでもない
消せない
記憶のカケラ
ふと浮かんだあれこれをつぶやく
「詩」のようなもの』
『おきのどく』
イルミネーションは夜に映える
黄昏時もわるくない
そう思って撮ってみたものの
何かちがう
なぜだろう
これはまるで
何かに侵された木のようだ
何かに取り憑かれた木のようだ
そりゃそうだろう
木にしてみたら 甚だ迷惑
ぐるぐるまきにされて
ピカピカ チカチカ 落
可及的速やかに | #22 まるい世界
可及的速やかに
消すほどでもない
消せない
記憶のカケラ
ふと浮かんだあれこれをつぶやく
「詩」のようなもの
『まるい世界』
なぜ写真は丸くないのか
カメラのレンズは丸い
球体だ
ならば丸く写るはずではないか
丸く写し出された世界は
写真として四角に切り取られる
私たちの目も丸い
球体だ
その目に写る世界は丸いはず
世界が丸く見えないのは
切り取り方を間違えたからか
ゆがんだ世界
可及的速やかに | #23 結露の足跡
可及的速やかに
消すほどでもない
消せない
記憶のカケラ
ふと浮かんだあれこれをつぶやく
「詩」のようなもの
『結露の足跡』
縦横無尽に
空を翔ける
結露の足跡を残し
彼方へと
きっと
もっと
ずっと
たくさんの足跡が
あるのだろう
見えないだけで
実はある
ほうき星のような足跡は
今という時間の儚さを残し
空へ吸い込まれていった
その糸の端をいつまでも
いつまでも
掴んでいたい