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(エロ小説)第4章 金色の街エルムハース 第15話


第15話 魔獣の最期 その3【濡れ場】


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 食み合うように、口づけを交わす。

 彼の舌が僕の歯茎を滑り、舌をからめとる。
 肌に触れる彼の唇から暖かさが滲み出て、僕を包む。

 触れ合うたびに発していた痛みはやがて心地よさへと変わり、僕はアイザックのキスを求めはじめる。
 それは、喉から押し上げるような吐息とともに。

 光の帯が僕の陰茎を包み込むように愛撫する。

「、、、っ!」

 神の力がもたらす焼けるような痛み。
 だが、それが過ぎたあとは、暖かい快楽が吸い付くように絡みつき、カリ首から根本を扱くように愛撫する。
 膣の中へ挿入された光の帯は、掻き出すような動きで内壁を刺激する。

 キスをされながら扱かれ、同時に掻き乱される。
 欲張りな愛撫に、気づけば絡みつく込む光の帯に再び精を放っていた。

 精を放つ度、魔素が体内から吸い出され、浄化される。

 拘束はいつの間にか解かれていた。
 だが先ほどまで抵抗を試みていた腕はもう彼を打つことなく、ただ首に腕を絡め、キスの続きを催促した。

 指先が彼の髪の毛を撫で、首元に力を込め引き寄せる。

「はっ、、あむっ、、、んっ、ぅ、、、」

 互いの唇を吸うように、唾液を交換する。
 ざらつく舌の熱と柔らかさに痺れるよう、動悸が早くなる。

 口腔内に、彼から奪った津液を舌で塗りこめる。
 熱をはらんだそれは、ほのかな甘みを残し、その先を催促する。

「ひぁ、ぁっ、ッく、、、ぁ、ぅ、ぅ、、、ッ」

 彼の唇が離れる。
 僕の舌が切なげにそのあとを追うと、額にやさしいキスが降ってきた。
 
 口腔から魔が祓われると、かろうじて残っていた衣は剥ぎ取られ、僕は寝台へと寝かされた。

 為すがままに次の手を待つ。
 彼が寝具に触れる音、彼が息を吸う音、全てが鋭敏に耳に響く。

 僕の足の近くに腰を下ろした彼は、足の指先から僕を嘗め上げ始めた。
 光の帯とはまた違った快楽。
 舌が肌に触れるたび、一つ一つの触感が繊細に僕の脳を犯し、身体が細かく震える。

 触れ合うたびに熱は痛みを発し、そして快楽へと導かれていく。
 彼の動きはとても繊細で注意深く、そして何より愛に溢れていた。
 それは、彼の指先が僕の肌を掠める度に刻まれていく。

――― 性の力

 このような素晴らしい力を呪いへと堕としていたことに悲しくなる。だが頬を伝う涙を、アイザックはそっとぬぐってくれた。彼の指の冷たさが頬を滑り落ちる。

 心配そうにのぞき込むその優しい瞳が、遠い過去の記憶を呼び覚ます。

――― そうだ、僕は、神獣だったんだ

 魔獣に堕ちる前の、もう二度と触れまいと深く閉ざしていた過去が蘇る。
 神々の記憶、それはあまりにも痛く、そして美しすぎた。

  ・
  ・
  ・

 神獣。
 神々に仕える力ある存在。
 世界の均衡を保つ担い手。

 魔に堕ちる前の僕。
 他の神々や神獣たちからの信頼が厚く、またその忠誠心は絶大だった。
 そして傍らには、僕を支えるかけがえのない存在がいた。

――― 僕の名前はもはや忘れ去られた過去の栄光と共に消えてしまった。

 聖なる者としての責務への誇りと、あの人と共にあることが僕の力を安定させ、高めていた。
 しかし、転機は突然訪れる。

 強大な世界の綻びを正すため、僕はあの人を残し西の果てへと向かった。
 危険は大きく、ともに連れていくことはできなかったから。

――― ・・・二度トハオトズレヌ好機

 任務を果たし、帰還した僕を待っていたのは、あの人の腕ではなく、放逐の報せだった。

 共にあることで増した力を恐れた一部の神々が、あの人を彼方の次元へと追放していた。

――― 異なる次元へと飛ばされた者とは、二度と会うことはできない。

 絶望と怒りに駆られ、その神々を嚙み、砕き、引き裂いた。
 しかし、最後には捕らえられ、神々や他の神獣たちから裏切り者と見なされる。

――― 僕は、神獣の座から追放された。

 絶望、そして愛しい人を救えなかった自らの罪に、僕は自身を魔獣へと堕としたんだ。


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